人を育てる

2019.09.04

コーチングとティーチング:両者の違いと上手な使い分けのコツ

部下の育成方法としてよく耳にするのが、「コーチング」と「ティーチング」です。言葉だけを聞くと、よく似た意味に思えますが、違いはあるのでしょうか。今回は、「コーチング」と「ティーチング」の意味の違いと、それぞれのメリット・デメリット、また両者をどう使っていけばよいかご説明します。

コーチングとは? ティーチングとは?

コーチングとティーチングは似ているようで、人材育成の手法や目的はかなり違います。両者の意味の違いを比較してみましょう。

コーチングの意味

「コーチング(coaching)」は、英語の「コーチ(coach)=馬車」に由来しています。馬車で目的地まで送り届けるという意味から、「人(会社では部下)が目標を達成するための支援をする」という意味を表すようになりました。

コーチングは基本的に一対一で行います。相手の話をよく聞き、こちらから答えを与えるのではなく、適切な質問をすることで相手のなかにあるものを引き出し、できるだけ自力で目的を達成するように手助けします。

ティーチングの意味

「ティーチング(teaching)」は、英語の「教える(teach)」に由来しています。先生が生徒に教えるように、経験豊富な人が相手に、自分の持っている知識や技術などを伝授する方法です。決まったルールや、共通の認識などの伝授に適しています。

コーチングとティーチングのメリット・デメリット

それでは、実際に人材育成の手法としてコーチングとティーチングを取り入れた場合、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

コーチングのメリットとデメリット

コーチングの最大のメリットは、部下に考える習慣をつけさせることができる、という点でしょう。未来の予測が難しい世の中で、企業において自立型人材が求められている現在、これは大きな強みになります。

部下は自分で答えを見つけ出すことで自信がつき、企業にとっても若手社員の発想を活かすことで、時代に即した新しい方向性を見つける可能性があります。また、上司と部下とのコミュニケーションが円滑になるという点もメリットになります。

逆にコーチングのデメリットとしては、すぐには成果が出ずに時間がかかること、大勢を対象にできないこと、相手のなかにあるものを引き出すので、相手の経験値が低い場合は適用できないこと、また、コーチングの技術を習得するのが難しいこと、などが挙げられます。

ティーチングのメリットとデメリット

ティーチングのメリットとしては、短時間で大切な情報やスキルを伝授することができること、大勢を一度に育成できること、グループ内で共通の認識を持たせることができる、などが挙げられます。

逆にティーチングのデメリットとしては、教える側の知識・経験以上のものを伝えられないこと、部下が自分の頭で考えないようになってしまい、自立が促せないこと、また部下のなかに潜在している多様なアイディアを活かせないこと、などが考えられます。

コーチングとティーチングの使い分け

以上のように、コーチングとティーチングにはそれぞれの長所と欠点があるので、状況によって適したほうを用いたり、組み合わせて使ったりするのが効果的です。いつ、どの方法を使うべきかの判断には、相手のスキルと仕事の重要度や緊急度などを基準にするのがよいでしょう。

コーチングが効果的な場合

相手のスキルが高い場合は、相手のなかにあるものを整理して活用する手助けとなるコーチングが有効です。

仕事の重要度が高ければ、それを成功させることで部下の自信と成長が促されます。ただしコーチングは時間を要するので、緊急度が高い場合には難しく、緊急度が低い場合に適しています。

ティーチィングが効果的な場合

相手のスキルが低い場合は、一定基準に至るための知識や技術を短期間で伝授できる、ティーチングが効果的です。例えば新入社員研修や、中途入社の社員への研修などに適しています。

一般的に緊急度が高い場合には、時間がかからないティーチングが向いているといえるでしょう。

コーチングとティーチングを組み合わせるのが効果的な場合

相手のスキルが低い場合でも、ティーチングばかり行っていると、部下に自分で考える習慣を身につけさせることが難しくなってしまいます。そのため、緊急度が低いものについては、初期の段階からコーチングを取り入れてみることも大切でしょう。

また、相手のスキルが高く、コーチングを行っている場合、基本的には相手に答えを提示せず、自分で考えさせるという手法をとりますが、最終的な目的地に到達するために、場合によっては一部アドバイスを与えるなど、ティーチングの要素を取り入れることも必要です。

コーチングにもティーチングにも、それぞれのメリット・デメリットがあります。両者の特性を理解したうえで、そのときの状況に合わせて、部下を効果的に育成できる方法を選んでいきたいものですね。

この記事を書いた人この記事を書いた人

ワークハピネス

株式会社ワークハピネス

「世界中の組織をワークハピネスあふれるチームに変える」をミッションに、人材開発、組織開発、事業創造支援を主に行うコンサルティングファーム。人の意識を変え、行動を変え、組織を変えることに強みを持つ。

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