人を育てる

2019.10.08

「中堅社員研修」次世代のリーダーを育むために

入社後3年から10年ほどの経験を積んだ中堅社員は、実務のエキスパートとして、また現場でのチームリーダーとして期待される世代です。

周囲からの期待が高まる反面、悩み多き時期でもあり、自分の業務や職場の人間との関わり、今後のキャリアなどについて先が見通せず、行き詰まることも多々あります。次世代のリーダーとしてやる気を持って活躍してもらうために、今回は中堅社員に向けてどのような研修を行うのが効果的か考えてみたいと思います。

新入社員研修との違い

入社したばかりの社員に向けて行われる研修と、経験を積んできた中堅社員を対象にした研修は、その目的や内容が大きく異なります。

新入社員研修の目的と内容

新入社員に向けて行われる研修では、大学を卒業したばかりの新人たちに、これから企業人として働くための基礎を教えるのが目的になります。よって新人研修の内容は、学生から企業人への意識の転換を促し、社会人としての基礎的なマナー、また企業理念や担当業務についての基礎知識を身に付けてもらう、といったものになります。

企業人としてのスタートラインで行われ、受講者の社会経験はゼロで個人差がないため、研修内容は基本的に皆同じでよく、一方的に知識を伝授するという形で研修を行うことが可能です。

中堅社員の状態を把握し、課題を整理

それに対して中堅社員の場合は、経験を重ね業務に対して自分なりの取り組みや考えを持ち始めているため、能力や意識など個々に差が出てきます。まずはそうした社員一人ひとりの状態を把握し、課題や問題点を明確にすることが、よい研修を行うためには不可欠となります。

一方的な”講義型”よりも”参加型”の研修を

多角的な視点から中堅社員の現状を把握し、課題が浮かび上がってきたら、それを研修の目的やテーマとして活かすことができます。

また、新入社員とは違い中堅社員に対しては、一方的に教える講義形式よりも、自分で考え、テーマに自主的に取り組める参加型の研修の方が適しています。ゲームやシミュレーション型のもの、また、グループディスカッションなども、中堅社員研修には効果的でしょう。

中堅社員研修の目的

中堅社員の抱える課題としてはさまざまなものが挙げられ、各企業、各部署でも違いがあると思います。ただ、どこで働いていたとしても、中堅社員には経験を積んだ実務のエキスパートとして、また後輩を指導するチームリーダーとして、会社や業務、周囲の人達と関わっていくことが求められます。

よって中堅社員研修では、新しい自分の役割や立場を認識し、視野を広げ、これから進むべき方向性を見出すための手助けをしていくことが望ましいといえるでしょう。そこで中堅社員研修の目的について、以下の3つの視点から考えてみます。

今までの振り返りと気づき、今後を考えるきっかけ

実務のエキスパートになった中堅社員は、担当業務や組織のあり方、そして周囲の人々に対して、自分なりの見方や取り組み方を確立してきています。これまでを振り返り、今までどのようなスキルを身に付け、どのように働いてきたか、周りの人とどのように関わってきたか、いったん棚卸しすることで気づくことも多いでしょう。

そのうえで、今後自分はどのような道に進むことを希望し、そのためにはどのような能力が必要なのかなどについて整理し、考える機会を提供するのが、中堅社員研修の役割のひとつではないでしょうか。

個から組織への視点を持つ

新入社員のころは、自分の仕事をきちんとこなすことが大きな目的でしたが、中堅社員となれば、個としての自分だけではなく、組織全体から業務について考えることが求められてきます。

部署全体にとって、企業全体にとって、どのように仕事を進めていくのが有効なのか、今後は業務計画を立てる立場になるという自覚を促すことも、中堅社員研修の目的でしょう。

中堅社員の企業内での立場・役割を知る

中堅社員には、後輩にとっては身近な指導者、上司にとっては信頼できる片腕、同僚にとっては互いに研鑽し、意見や情報を交換する仲間としての役割が期待されます。あらためて企業内での立場・役割を認識させることも、中堅社員研修の目的のひとつです。

中堅社員研修で取り上げるべきテーマ

以上のような目的を達成するために、中堅社員研修ではどんなテーマを取り上げたらよいのでしょうか。目的別にさまざまなテーマが考えられますが、大きくは、「自己を見つめ直し自らの役割を認識する」ためのものと、「未来の管理職候補として、部下を率いるリーダーとしての能力を高める」ためのものに分けられると思います。

自己を見つめ直し、自らの役割を認識する

・自己を見つめ直す
自らの能力、またこれまで達成したことや反省点などを振り返り、今後に活かすためのもの
 例:自己分析、自己能力開発

・自己と会社の接点を見つめ直す
何をするためにこの会社に入り、これから会社の中で何をしたいのかを考えるためのもの
 例:エンゲージメント

未来の管理職候補として、部下を率いるリーダーとしての能力を高める

・対人スキルを上げる
チームでの仕事を成功させるために重要な、対人スキルを身に付けるためのもの
 例:プレゼンテーション、コミュニケーション、リーダーシップ

・マネジメント力を付ける
チームリーダーに必要な、業務計画の立て方とその推進の仕方を身に付けるためのもの
 例:チームリーディング、タイムマネージメント、プロジェクトマネージメント

以上のようなテーマを、各企業や部署での必要性、また研修にかけられる時間に応じて、個別にあるいは組み合わせて扱うとよいでしょう。

まとめ

実務のエキスパートで気力・体力も充実した世代の中堅社員が、やる気を持って活躍してくれれば企業全体が活性化します。やがては企業を牽引していくリーダーとして、これからの方向性を見出し、意欲的に業務に関わっていく助けとなるような研修を行っていくことは、企業の将来にとっても非常に大切なことといえるでしょう。

この記事を書いた人この記事を書いた人

ワークハピネス

株式会社ワークハピネス

「世界中の組織をワークハピネスあふれるチームに変える」をミッションに、人材開発、組織開発、事業創造支援を主に行うコンサルティングファーム。人の意識を変え、行動を変え、組織を変えることに強みを持つ。

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