組織を変える

2019.09.04

「組織の7S」とは?7つのSであなたの企業を診断しよう

企業を成り立たせる要素にはさまざまなものがあります。企業の核となる経営理念、それを実現させるための周到な戦略や優秀な人材など……。経営者と従業員の両方が関わるそれらの要素が有機的に機能していかなければ、企業の成長や成功を望むことはできません。

そこで今回は、企業を診断するうえで重要な「組織の7S」について、ご説明します。

組織の7Sとは?

「組織の7S」とは、アメリカのコンサルティング会社「マッキンゼー・アンド・カンパニーが提唱した理論で、組織として企業がうまく機能しているかどうかを考えるうえで大切な、7つの要素のことをいいます。

マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査によると、優良企業と呼ばれる組織では、例外なく7つの要素がバランスよく存在し、お互いに補完・補強し合っていたということです。

この調査は大企業を対象に行われましたが、中小企業や新たに立ち上げたばかりの企業においても、現状がどのようにあるかという診断や今後何が必要かを見出すために、「組織の7S」を利用することは有意義だと考えられます。

7Sの詳細

「組織の7S」は、3つの「ハード(施設や設備などカタチに見えるもの)のS」と、4つの「ソフト(人材や技術、意識や文化など無形のもの)のS」に分けて考えられます。

3つのハードのS

ハードのSとは、以下の要素を表します。

●①.Structure(組織構造)
企業がどのように組織されているのかという事業の構造。部署の構成(職能別、製品別、市場別など)、上下関係や命令系統のあり方。

●②.Strategy(戦略)
他企業より優位に立つための計画。顧客や競合他社の動きを視野に入れつつ、独自のサービスや商品を提供することで、ほかから抜きん出ようとする試み。

●③.System(システム)
企業がどのように管理・運営されているか。経営管理、情報管理のためのシステムや制度(予算システム、給与制度、業務評価制度など)。

ハードのSは経営者側だけの意向で実施することができ、目に見えやすく短期間で変化可能なので、企業の変革を図るときにはこちらから着手されることが多いと考えられます。

4つのソフトのS

ソフトのSとは、以下の4つの要素を表します。

●①.Style(スタイル)
企業の社風や文化、組織の職場の雰囲気や、その企業独自の経営スタイルなど。

●②.Staff(人材)
人材の採用、評価、育成。また、各個人のモラルや勤務態度、モチベーションなど。

●③.Skill(スキル)
各個人また企業全体のスキルや能力、技術。企業の性格を特徴づけ、他社にない強みがあれば、競争に勝ち残ることができる。

●④.Shared value(共通の価値観)

企業に共通した価値観や基本理念、ミッション、ビジョン、企業目標。ミッション、ビジョンなどの組織が大事にしている企業の価値。

ソフトのSは人に関わる要素が多く、目に見えにくく、価値観の変化やスキルの向上など時間がかかるものが多いので、長期的な計画で取り組む必要があります。

組織の7Sの利用法と注意点

企業の現在と未来に予想される状況を診断する!

「組織の7S」は、企業の現在と未来に予想される状況(企業の合併、新システムの導入、経営陣の入れ替えがあった場合など)を診断し、改善点を発見するのに役立てることができます。

ハードのSだけではなく、ソフトのSにも着手する!

「組織の7S」を利用する際には、着手しやすいハードのSだけでなく、ソフトのSにも取り組まなければ効果がありません。7つのSは互いに補い合う必要があり、どれかひとつが優れていても、ほかのものが不足していては成功に結び付かないという関係になっています。戦略、制度、仕組み、人材といった組織の構成要素は相互に影響があり、改善によって、一部が良くなっても、他の部分が不整合を起こすことがあります。その結果、生産性やモチベーションの低下、戦略実行力の低下といった問題が発生する危険があるので、トータルでチェックする必要があります。

企業の業績を伸ばそうとするとき、企業戦略(Strategy)に一番力を入れがちです。それは戦略立案が企業の業績に一番影響を与えると考えられているからです。しかし、いくら良い戦略を立てても、ほかの6つの要素が不足していれば、その戦略そのものを達成することが困難で、成功には結び付きません。

経営陣はシステム(System)に関心が薄い場合もありますが、戦略を工夫するより社内のシステムを改善することの方が、企業の業績向上に結び付くこともあります。

また、企業が合併する際には、組織構造(Structure)といったハードのSを整えることに目が向きますが、実際は二社の複数の企業のスタイル(Style)がぶつかり合って、なかなかうまく機能しないケースが見られます。

逆に、ソフトのSである人材育成(Staff)に力を入れても、組織構造(Structure)が整っていなければ、うまく人材を生かすことができません。

このように、7つのSは常にバランスを取りつつ、各要素を向上させていく必要があるのです。特にソフトの部分はあとでなんとかなると考えがちなので、注意が必要です。

共通の価値観(Shared value)が最重要!

「組織の7S」はそのどれが欠けてもいけない、と述べましたが、7つのなかで最も重要とされるのが、共通の価値観(Shared value)です。

7Sの各要素の相関関係を図で表す際は、共通の価値観は中央に位置し、その他の6つの要素が周りをぐるりと囲むように描かれます。共通の価値観であるシェアードバリューが他の要素に大きく影響を与えるのです。

「企業が何のために創立されたのか」「どういう企業でありたいのか」ということを表す企業の基本理念は、普段は存在を意識しなかったり、抽象的で社外の人には無意味に聞こえたりするかもしれません。けれど社内の人間にとっては、組織をひとつにまとめる重要なよりどころとなるのです。

「組織の7S」を理解して利用することで、それぞれの企業が現在抱える問題点や、将来的に予想される問題点を発見し、改善していくことができます。企業の更なる発展のためにも、共通の価値観を浸透させ、「組織の7S」を上手に運用していきたいですね。

この記事を書いた人この記事を書いた人

ワークハピネス

株式会社ワークハピネス

「世界中の組織をワークハピネスあふれるチームに変える」をミッションに、人材開発、組織開発、事業創造支援を主に行うコンサルティングファーム。人の意識を変え、行動を変え、組織を変えることに強みを持つ。

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