組織を変える

2019.09.04

従業員が幸せなら企業の業績も上がる?!「従業員満足度」向上の重要性について

企業の発展のための重要な要素のひとつとして、「従業員満足度」が挙げられるようになってから久しくなります。「顧客満足度」という概念はすでに広く知られていますが、「従業員満足度」とは何なのか、どのように調査するのか、また「従業員満足度」を向上させるためにはどうしたら良いのかについて、今回はご説明します。

従業員満足度とは

従業員満足度(Employee Satisfaction=ES)とは、従業員が業務内容や報酬、職場の環境や待遇にどのくらい満足しているかを示すものです。これまでは、顧客満足度(Customer Satisfaction=CS) について取り上げられることはありましたが、従業員満足度についてはそこまで注意が払われていませんでした。

しかし最近では、従業員満足度は非常に重要な要素である、という認識が広がりつつあります。つまり、従業員満足度を上げることが顧客満足度を向上させ、結果として企業全体の業績の向上につながるとされているのです。

プラスのサイクルを実現

従業員満足度が高く、従業員が意欲的に仕事に取り組み、能力を最大に発揮することができるようになると、顧客へのサービスや製品の質も向上し、顧客満足度も向上することになります。顧客満足度が高くなると、個々の従業員や企業全体に対しても信頼が得られ、その結果企業全体の売り上げが伸びたり、良い評判が広まったり、そのおかげで優秀な人材を採用することもできます。従業員に対する評価や報酬も高くなるので、従業員のモチベーションもアップし、それがさらに顧客満足度の向上につながって……と、プラスのサイクルが循環していくのです。

このようなプラスのサイクルを実現するためには、まず従業員満足度調査を行って現状を把握し、状況の改善に向けて努力をすることが大切になります。

従業員満足度調査のための基本理論

従業員満足度を調査するための基本理論として有名なのが、ハーズバーグの「動機付け・衛生理論」です。

ハーズバーグは、従業員満足度には「満足要因(動機付け要因)」と「不満足要因(衛生要因)」の二つの要因が存在すると説明しています。

  • 「満足要因(動機付け要因)」

やりがい、能力・技術の向上、人に認められることなど、充足されれば満足感が増すもの。

  • 「不満足要因(衛生要因)」

給与、福利厚生、職場の環境など、一定の水準に達していなければ不満感を覚えるもの。水準を満たした場合、不満感は減少するが満足感にはつながらない。

両者の違いを認識し、従業員の満足度を上げるには不満足要因を取り除くだけではなく、満足要因を高めなければならない、ということを理解しておく必要があります。

従業員満足度の調査方法

それでは、従業員満足度の具体的な調査方法を見ていきましょう。

調査目的の設定

まず、自分の所属する企業や特定の部署内において、「どんな状態になれば従業員満足度が高くなり、従業員が意欲を持って働けるのか」を考え、目的を設定します。「女性が長く働きやすい環境を作りたい」「ベテラン社員の離職率を低下させたい」など、目的が具体的であればあるほど、調査の結果が後の状況改善に活かされやすくなります。

調査対象の設定

社員全員に共通する内容を広く調査する方法、または部署や役職、性別、年齢などで的を絞って調査する方法があります。設定した目的に応じて、調査の対象を決めましょう。

調査媒体の決定

一般的にはアンケートによる調査が多く、媒体としては紙やインターネットが多く利用されています。対象が少人数で詳しく話を聞きたい場合には、インタビューという形も考えられます。

質問項目の決定

最初に設定した調査目的に基づいて、「不満足要因」(給与、福利厚生、労働時間、職場環境など)と、「満足要因」(仕事の面白さ、能力・技術の向上、周囲からのサポート、権限の委譲など)の双方の観点から、質問項目を決定していきます。

調査の際に配慮したいこと

調査を成功させ、結果を具体的な状況改善に役立てるためには、回答者の協力が不可欠になります。せっかく調査を行っても、「面倒だ」と適当に回答されては、従業員満足度の向上に役立つ結果にはならないでしょう。

回答者に積極的に協力してもらうためには、事前に調査の意義をよく理解してもらうことが必須です。従業員満足度が向上すれば、結果として顧客や企業にとってプラスになること、そして企業としても従業員が満足して働けるよう環境を改善したいこと、そのための現状把握として調査を行うことを、良く理解してもらうことが大切です。また、匿名で回答できるようにするなど、本音で答えてもらうための配慮も必要でしょう。

従業員満足度向上のために必要なこと

調査を行ったら結果を分析し、どこに問題点があるのかを明確にして、不満足要因・満足要因それぞれについて、改善のための取り組みを行っていきます。

不満足要因への取り組み例

給与やボーナスの増加、ワークライフバランスへの配慮といった労働条件や福利厚生の向上、設備の充実など。

満足要因への取り組み例

成長を実感するための適切な目標設定、上司から部下への適切な指導、経営方針や理念の共有、職場での良好な人間関係の構築など。

不満足要因については、具体的な結果を出しやすいので、従来から多くの企業で改善に向けた取り組みが行われていますが、従業員満足度を本当に向上させるためには、満足要因の向上に計画的・継続的に取り組むことが大切でしょう。

従業員満足度が上がれば顧客満足度も向上し、企業の業績や評判も上がっていきます。適切な調査により、企業ごとに異なる従業員のニーズを探って社員が気持ちよく働け、かつ企業も発展していくという、プラスの循環を実現していきたいものです。

この記事を書いた人この記事を書いた人

ワークハピネス

株式会社ワークハピネス

「世界中の組織をワークハピネスあふれるチームに変える」をミッションに、人材開発、組織開発、事業創造支援を主に行うコンサルティングファーム。人の意識を変え、行動を変え、組織を変えることに強みを持つ。

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