導入事例

事業創造

東三河から世界へ 新会社設立に向けオープンイノベーション創出を支援 東三河イノベーターズゲートの事例

武蔵精密工業株式会社

2020年 武蔵精密工業様が主催する異業種参加型による新規事業創出プロジェクトをワークハピネスが支援させて頂いた事例です。武蔵精密工業様,JAひまわり様で専任として立ち上がった事業の事例や、体験談、実際の変化などをインタビューしております。

課題
  • イノベーター人材の発掘と育成
  • 使命感、スキル、仲間を持つイノベーターを育成し、社会課題を解決する新規事業を創る。
  • 地域にイノベーションカルチャーを根付かせる。
実施策
  • 異業種参加型の新規事業創出コンサルティング
効果
  • 専任の事業部2つの立ち上げ(武蔵精密工業様/JAひまわり様)

東三河イノベーターズゲートとは

MUSASHi Innovation Lab CLUEが主催し、ワークハピネスが支援する異業種交流型の新規事業創出プログラムです。”使命感・スキル・仲間を持つイノベーターを育成し、社会課題を解決する新規事業を創る、そして、地域にイノベーションカルチャーを根付かせる”をミッションに、社会課題解決と経済的継続性を両立できる事業アイデアをチームで考えます。

約半年のトレーニングと実践期間を経て、最終のピッチプレゼンで所属企業や投資家などから共感を得て出資を認められたチームは、新規事業の立ち上げフェーズに入ります。

今年で同プログラムは3期目になり、今まで出資を受けた7つのチームが本格的に始動を始め、うち2つのチームがスタートアップとして立ち上がっています。

東三河イノベーターズゲート過去の実績

2021年の企画概要についての資料は下記ボタンより、ダウンロード可能です。


インタビュー

伊作 猛さん

【企画者】
武蔵精密工業株式会社 常務執行役員
CIO:Chief Innovation Officer
伊作 猛さん

昨年の実績を教えて下さい

6チーム参加しまして武蔵(精密工業)からの2チーム、それから他社さんからも4チーム出てきまして、結局今5チームがまだ活動継続しています。武蔵の例でいうと一つは防災のときの食料、特に食料制限があるようなアレルギーですとか1型糖尿病の人であったり、こういった人たちを何とか救えないかということでこれも今専任化して進めていますし、発達障害の子供達の将来をサポートしていくといった事業についても専任化しまして、今ちょうど子会社化を目指してその先のIPOを目指してだと思うんですけど、活動を進めています。

参加された他社の新規事業事例も教えてください

JAさんは昨年でいうと特に異色だったんですけども、耕作放棄地の課題解決をする動きを、農協さんのバックグラウンドの強みを使いながら新たな事業展開をやられて。これも非常に良いプランが出来て今も継続してやられてるんですね。ちょっと昨年度は印象的でしたよ。

どのようなことが得られますか?

例えば新規事業を起こすと言っても全く型がないわけじゃなくて、これはワークハピネスさんの方にかなり色々教育やトレーニング含めて顧客のペインが何かというところから始まって、そういうエンパシーみたいなものから始まってっていうことは一つのやり方として非常に重要だと思いますし、リーン・スタートアップみたいな形で取り入れてやっていくことで単純に教育で終わらせたくないとは思うんですけど、一方でうまくいかなくても失敗じゃなくて、それで次に何か起こすための1つの経験がここで積めてくるし、どんどん諦めずにトライできるメンタル面も鍛えられてると思うんですね。バックボーンには我々が持っている技術だったりそういったノウハウだったりってのはうまく使われているんじゃないかな。土台がありますので厳しい中戦っているスタートアップよりも恵まれているところにあるのかもしれません。

なぜ東三河から発信されているのですか?

CVC*という形で色んな所に我々も出資しはじめて世界中のスタートアップと繋がりが持てはじめてきました。シリコンバレーであったりテルアビブであったり。東三河にいても世界中と繋げられるぞと、ジオグラフィックなそういった土地のハンディキャップがだんだん無くなってきてるんじゃないかなと感じまして。

*コーポレートベンチャーキャピタル 企業の資金を外部のスタートアップ企業に投資すること

なぜ異業種交流会型で実施されているのですか?

色んな人達が集まることで化学反応がより起きやすくなり、もっと言うとイノベーションが起きるんじゃないかなっていうこともありまして、より積極的に周りの人達を呼び込んでいるっていうのが現状です。

どんな方にご参加いただきたいですか?

昨年あたりはJAひまわりさんが入ってこられたりですとか、あと学生チームが2019年にはいましたし、そういった意味で色々広げているんですけど、更にもう少し広げていこうということで、例えば行政の方にも参加してもらいたいです。それから特に一般の個人で本当に熱意のある人、または中小企業で色んな問題を抱えて次は何か考えたいと思っている人達、こういう人達も含めて広げていこうと思いまして、武蔵としてもそういう人達を呼ぶための少し奨学金っていうのかサポートみたいなことも含めて検討していきたいっていうふうには考えています。だから主婦であってもいいと思ってますし、なるべくそういった広い人達に参加を求めていくのが一番イノベーションを起こしやすいんじゃないかななんて思ってます。

Withコロナのようなニューノーマルっていう中で言うと、今までの事業だけではちょっと厳しいと思う人がどんどん増えてきてるんじゃないかなと、そういった人達にぜひ参加いただけるといいのかなっていうふうに思います。


小林 由佳理さん

【受講者】
武蔵精密工業株式会社 CIO領域
小林 由佳理さん

イノベーターズゲートはどんな場所でしたか?

まさに人生が変わる場だったなと思います。1年前では全くこんな生活や自分の姿は想像できてなかったので、辛いこともすごく多かったですけど本当に人生が変わったなと思います。

どんなビジネスを立ち上げましたか?

発達障害のお子さんに焦点を絞ってるんですけど、発達障害のお子さんって得意なことと不得意なことの差がすごく大きくて、その中でも得意な方に目を向けて得意なことを見つけて伸ばすというサービスを開発しようとしています。発達障害のお子さんの特徴として、好きなことにはものすごく集中して取り組めたり、発想が独創的で他の人とは違った考え方をするんです。新しいものを生み出していく力が求められる時代にまさに求められる能力だと思うので、そういったところを存分に発揮して活かせるようにしたいと思っています。リアルの体験も用意しつつオンラインでも完結するようなサービスも考えています。

このビジネスを考えたきっかけは?

何十人もインタビューしていくにつれて『企業が発達障害の子に目を向けてくれているのが嬉しい』とか『ぜひやってほしい』とか、そういった生の声を聞いて何とかしてこの人たちを笑顔にしたいなっていう想いがどんどん強くなっていきました。インタビューを通して知り合った人がまたさらに別の人を紹介してくれたりして、他の人も巻き込んでくれるぐらいのニーズに着目できているのかなと思います。

参加前の仕事を教えて下さい

購買部というところに所属していまして、原材料・鋼材料の日々の調達やメーカーさんたちとの価格交渉などを日々行っていました。以前は上司へ確認をしてデータを集めチームで相談し、他部署と調整して全体の合意を取ってからプロジェクトを進めていたんですが、今は自分たちしかいないのでそんな時間もなく、どんどん決断も毎日していかなきゃいけないし行動もどんどん日々変えていかなきゃいけないので、スピード感も行動する順序も全然違います。振り返ると怖いなとは思うんですよ。全然違ったらどうしようとか今やってることって本当に意味あるのかな?とは思うんですけど、それで立ち止まってる暇もなく『やるしかない』っていう感じです。今までの仕事を続けていたら得られない感覚だと思うので、自分の人生にとっても良い経験になってるなと思います。

どんな力が身につきますか?

既存の事業だとうまくこなすことや、効率を重視することが一番大事だと思うんですけど、自ら考えて周りを巻き込んでどんどん新しくアップデートしていくっていう思考を鍛えさせてくれるので、新規事業創出だけじゃなくて既存の事業の方でも生かせる力なのかなと思います。

周囲にどのような変化を感じていますか?

専任になる前は以前の部署と兼任でしたが、同じ部署の人たちもすごくサポートや応援をしてくれて、会社の中で新規事業に対する理解とか、これに取り組まなきゃいけないんだという意識がすごく前向きに変わってきているなと感じました。(自社には)すごく感謝しています。すぐには結果が出ないことも理解して、個人のミッションややりたいことを尊重して投資して背中を後押ししてくれて、先輩方が切り開いてきた道やコネクションもフル活用できているので、そういった環境を整えてくれていることがすごくありがたくて感謝しています。

どんな方にイノベーターズゲートに参加してほしいですか?

このまま今の業務を続けて自分の人生の判断を(迫られる)みたいな、ちょっとモヤッと思っている人たちも参加することで『自分にも実はこんなミッションがあったんだ』とか『そんなに強い気持ちがあったんだ』みたいなことを改めて知ることができます。そのまま新規事業に進んでもいいですし、新規事業をちょっとやってみたけど実は今の自分の仕事ってこんなに”やりがい”があったんだっていう再発見もできると思うので、ちょっとやってみたいなって思ったら手を挙げたほうがいいと思います。

もともと(立ち上げは)3人で今は2人で担当しています。抜けた1人は元々の部署に戻っているんですけど、その方はやっぱり自分の元々の仕事が好きだっていうのを再認識してそこに今”全力”を注いでいるのでどんな道もあるのかなと思います。


佐藤 光さん

【受講者】
ひまわり農業協同組合 営農部販売指導課
佐藤 光さん

参加していかがでしたか?

簡単な言葉に聞こえちゃうかもしれないんですけど、本当に人生変わったなと思っていて。現に今作業服着ているんですけど、去年の東三河イノベーターズゲートに参加した時は営業職だったのでスーツを着ていたんですね。4月1日で異動になりまして作業着を着て現場に出てるわけですが、簡単な言葉に聞こえちゃうんですけど本当に人生が変わりました。

会社や周りの方の反応は?

JAって聞くとちょっとお堅いイメージもあるかと思うんですけど、新しい挑戦をする文化というか認めてくれる風土が徐々に出来上がってきてるのかなと感じます。東三河イノベーターズゲートをやっている時は、あまり周りに認めてもらえてないとか応援されてないかなって思っていたんですが、いざ始めてみると『あれって今どうなってるの?』とか『圃場(田畑)を見に行ってきたよ』とか応援してもらえたり、注目してもらえてるなとか気にかけてもらえてる人も一定数はいるなっていう実感ですね。

今までのJAがやってきたことは確かにに大事だったと思うんですけど、これからの5年10年を考えた時に今まで通りでは決して役に立てないと思うので、これからの課題を持つ農家にどう接していくかっていうのはJAの存在意義になると思います。自分たちが本当に希望の光・突破口になれるように暑い中でも鍬をふって頑張るしかないと思っているので。

参加前はどんな仕事をしていましたか?

ライフアドバイザーといって保険商品の営業担当をしていました。大事な仕事ではあると思うんですけど、『これは本当に農家さんの役に立てるのかな』とか『真にいいものを売れているかな』という問いかけをずっとしながら営業活動していたような気がします。

テーマで取り組んだ耕作放棄地とはどんな社会課題ですか?

農地を持つ人の高齢化により多くの人が体力的な理由で耕すことができなくなって耕作放棄地になると、今野菜などを作っている農地に戻るまでかなり時間がかかってしまいます。また耕作放棄地が増えていくと周りの耕作をしている良い農地に悪影響が出てしまったり、鳥獣害と呼ばれる動物による農作物への被害が広がってしまう深刻な社会問題になっています。今までライフアドバイザーという立場ですと耕作放棄地の相談を受けても『みんな困ってますよね』とか『そうですよね』と相槌を打つだけで具体的な解決策を伝えてあげることが出来ず、その場を逃げるようにしていて、そういう自分がすごく悔しいなという想いはありました。

どんなビジネスプランを考えたんですか?

日本の伝統文化である茅葺屋根の原材料であるススキが不足していたので、耕作放棄地にススキを植えて茅を生産するという事業案です。

イノベーターズゲートの様子を教えて下さい。

最初はやっぱりイノベーターズゲートに行くのが怖かったですね。全然進まないとか他がすごいなとか劣等感があったりしたんですけど、増岡さん(ワークハピネス執行役員)だったり江藤さん(ワークハピネス執行役員)に褒めてもらいながら自信をつけて『これなら大丈夫だ』というような感じになってきました。

そんな中訪れたブレイクスルーは?

もちろんメンバーとの信頼関係ができないとこの案というのは出なかったと思うんですけど、いろんなビジネスモデルを見てきたからこそ本当に必要な足りないっていうものを作らなければいけないという発想を得られたことがブレイクスルーに繋がったかなと思います。

今の想い

耕作放棄地で今この瞬間も困っている人がいると思うので、自分たちが事業化を目指して活動して一人でも多く農地を持つ人の悩みを解消していけるように、また多くの人にこのプロジェクトを知ってもらって、あの人たちに頼ればなんとかなるかもしれないというような希望の光になれればと思っています。

どんな人にイノベーターズゲートに参加してほしい?

自分の企業の可能性を知っているけど今の仕事じゃできないっていう人に参加してほしいです。企業の良さを個人でも絶対出せるようになると思うので、俺たちこんなもんじゃないぞって思う人こそ参加して、こんなもんじゃないぞっていうのを証明してほしいです。


プログラム全体像

東三河イノベーターズゲートの全体像

東三河イノベーターズゲートの特徴

①強い使命感の探究

新規事業の成功要因は”勝つまでやめないこと”だと考え、“勝つまで諦めたくなくなる事業テーマ“の発見を最も重要視しています。企業理念構築やモチベーションマネジメントを専門とするワークハピネスが参加者一人一人個別の”Why Me?”と徹底的に向かい合うことで、事業成功の強固な土台づくりを支援します。

②良い事業モデル

想いに加え、新規事業をリードするために必要なリーンスタートアップの考え方や、カスタマーインタビューの手順、世界最先端のビジネスモデルやテクノロジーなど、最低限必要な知識やスキルをトレーニングした上で、経済的に成立する事業モデルを設定します。

③高い実行力

ビジネスアイデアが机上の空論に留まることを避けるため、自分たちが解決したい課題で苦しむ人々の痛みをともに体験し、感じて学ぶことを重視しています。専門家集団の本質的なフィードバックに支援され、プロトタイピングとカスタマーインタビューを通じた事業の立ち上げ方を、理屈ではなく体に染み込ませるように学習します。

新規事業の成功要件

2021年度東三河イノベーターズゲート参加募集開始!

公募対象 :企業/個人どちらでも可
お申込期限:9月13日(月)17:00 (定員に達した時点で締め切りとさせていただきます)

募集までの流れ

概要についての資料は下記ボタンより、ダウンロード可能です。

  • クライアント武蔵精密工業株式会社様
  • 事業内容輸送用機械器具の製造及び販売 連結売上高:204,714百万円 (2021年3月期)
  • 業種製造業
  • 会社規模 3000 名 以上

キーワード

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