和して同ぜず
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和して同ぜず

”You are different”「あなたは人と違う」と聞いて皆さんはどう感じます?
アメリカではこれは褒め言葉。”You are special”「あなたは特別な人」と同義なんですね。

ところが「あなたは人と違う」は、日本では「あなたは間違っている」と同義。子供の頃から日本人は親や先生から「あなたは何で人と同じことができないの?」「せめて人並みに!」と言われて育ってきました。

「ありのままのあなたは間違っている!」「あなたは変わる必要がある!」というメッセージを受け続けてきたのです。

日本人の同質性と協調性とは

日本人のこの同質性と協調性は、震災時の助け合いやコロナ禍におけるマスク着用や自粛という面で世界的に高い評価を受けています。

一方で大きくマイナスの側面も。内閣府の調査によれば日本の若者の自己肯定感は世界最低レベルでアメリカの約半分。若者の半数以上が自己肯定感が低いという調査結果が出ているのです。これは由々しき事態です。

自己肯定感とは、「ありのままの自分を自分で価値があると認めている状態」です。自己肯定感が高いと、ポジティブで主体的になり、様々なことに挑戦して仕事や恋愛等の人生の様々な側面で良い結果をもたらします。

自己肯定感が低いと、ネガティブで他者依存的になります。変化を好まず、困難な場面で諦めやすく、メンタルも不安定になりがちです。

今、世界中がテレワークに移行しています。自己肯定感が強く、ジョブ型雇用のアメリカではスムーズにテレワークに移行して生産性を向上させています。

一方で日本においては「テレワークは孤独」「テレワークは不安」といった問題が浮上し、オフィスワークへと回帰する企業も出ています。

これは日本企業のマネージメント力の低さもありますが、日本人の自己肯定感の低さも大きな原因ではないかと推測しています。

テレワークでジョブ型雇用が当たり前の社会になった時、人々は主体的に働くことが求められます。主体的に働くためには高い自己肯定感が必要です。

仕事上の困難にぶつかった時、オフィスワークなら困った顔をしているあなたを見兼ねて誰かが「大丈夫?」と声をかけてくれるかもしれません。しかし、テレワークでは主体的に困難な状況を打開しなければなりません。

自己肯定感が高い人は、仕事で難しい問題に直面したら「すいません。わかりません。教えてくれますか?」と素直に訊ねることができます。自己肯定感が低い人は「できない人は嫌われる」との思いから助けを求められず、ドツボに嵌っていきます。

論語に「和して同ぜず」とあります。仲良くするけど安易に同調してはいけないと。
協調は大切だが、しっかりと自分の意見を持って独立独歩で行きなさいと諭しています。

これが、日本人の武士道の精神であり、明治維新の文明開化において福沢諭吉が「学問のすすめ」で市井に説いた人間の気構えです。災害に際しての協調性と日頃の個人の高い主体性や自律は、両立可能なのです。

同質性を善とする考えは戦後の高度経済成長期に良質な労働力を大量生産するために文部省が推し進めた教育の成果に過ぎません。

良い学校を出て良い会社に入れば、物質的に豊かな生活を手に入れられた時代。全員が同じレールに乗っていれば良かった時代に同質性を追求するのは正解でした。

でも、レールなき時代、一人ひとりが独立独歩で自分の人生のレールを敷くしかない時代に自己肯定感の低さは将来に対する漠然とした不安を生み出しメンタル不調の原因となります。

これからの日本では家庭や学校、職場で一人ひとりの自己肯定感を高める教育が重要になってきます。そのためには両親や先生、上司がスポンサーシップのメッセージを発することです。

スポンサーシップのメッセージとは次の通りです。
・あなたはありのままで素晴らしい
・人と違っていることは価値

これを言葉だけでなく、眼差しや態度で示すことです。

そして、「あなたはどう思う?」「なぜ、そう思うの?」「うん、素晴らしい!やってみよう!」と主体的な行動を促す。
成功しても失敗しても、「何を感じた?」「何を学んだ?」と問いかける。

子育て中の方や部下を持っている方は是非、意識してみてください。


株式会社ワークハピネスは人材育成研修・組織開発コンサルティングを通して
人と企業の「変わりたい」を支援し、変化に強い企業文化をつくる支援をしています。 
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この記事を書いた人この記事を書いた人

吉村慎吾

公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。

現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。

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