
エンゲージメントを上げる方法とは? 下がる要因とともに解説
婚約、誓約、約束、契約などを意味する言葉であるエンゲージですが、昨今ではビジネスの領域において、「従業員エンゲージメント」や「顧客エンゲージメント」など、企業と従業員、企業と顧客などの信頼関係を意味する言葉として使われています。
本記事では、ビジネスにおいてエンゲージメントが重要視される背景や、エンゲージメントが下がる要因などを解説するので、ビジネスにおけるエンゲージメントについて知りたい方は参考にしてみてください。
エンゲージメントが重視される背景
エンゲージメントが重視されるようになった背景には、ビジネスを取り巻く環境の変化があります。
まず挙げられるのが、人口減少による働き手不足により、企業間の人材獲得競争が激化したことです。年功序列の見直しや働き方の多様化により、終身雇用で一つの会社に留まり続ける風潮が薄れてきました。転職や早期退職が盛んになっている中で、企業は自社の人材流出を防ぎつつ定着率を上げる必要があります。
他にも、働き方改革や新型コロナウイルス流行などの社会情勢の変化により、働き手の価値観は多様化しています。給料や安定性だけではなく、企業の理念に共感してもらいエンゲージメントを高め、働く意義のある場所だと認識してもらうことが大切です。
エンゲージメントが下がる要因

エンゲージメントは、さまざまな要因で下がる可能性があります。ここからは、エンゲージメントが下がる要因とそれぞれの詳細を解説するので、参考にしてみてください。
適正ではない人事評価
適正ではない人事評価は、エンゲージメントを下げる要因になります。努力や成果などが正当に評価されないと、従業員は「頑張っても給与や待遇に反映してもらえない」と感じるでしょう。その結果、従業員のモチベーションが下がり、業務の効率や生産性も下がってしまいます。
つまり、適正ではない評価は企業に対するエンゲージメントを下げ、転職や退職などによる人材流出、定着率低下の原因になるということです。業績や利益へ影響を及ぼす可能性があるため、企業は従業員への適正な評価を心掛けましょう。
オーバーコンプライアンス
オーバーコンプライアンスとは、法令遵守を意識するあまり必要以上に規則やルール、手続きや監視などを厳しくする現象とされています。
リスクマネジメントの観点からコンプライアンスを遵守する姿勢は重要ですが、コンプライアンスを優先しすぎると、新たな挑戦や考えが生まれにくい環境となる他、従業員の企業への関心が薄くなってしまいます。
勤務時間制度
勤務時間制度もエンゲージメントが下がる要因です。勤務時間制度は日本企業の多くで採用されており、例えば9時から17時までと時間を定めています。
この状況下では、業務を早く進めるために効率の良い手段を模索する、実際に業務改善を行って早い時間で仕事を完了させるといった工夫をしても、結局定められた時間まで拘束されるのは変わりません。
効率や生産性を上げる、能力やスキルを磨いても評価や働き方に反映されにくい環境では、従業員のモチベーションは下がりエンゲージメントの低下に直結してしまいます。
職能型人事制度
年功序列や終身雇用を前提としている職能型人事制度では、人事異動を繰り返してさまざまな業務を経験させ、徐々に序列を上げて給与を増やしていくケースが多く見られます。
多くの日本企業では職能型人事制度が普及していることで、「専門性は高いが範囲の狭い仕事」よりも「専門性は低いが広い範囲の仕事」ができる方が評価されやすい傾向です。
しかし、専門性の低い仕事はプロ意識を持ちにくく、職場や企業に対しても愛着が湧きにくいためエンゲージメント低下につながります。
価値観のミスマッチ
エンゲージメントを高めるには、企業の経営理念への共感や社風と従業員自身の価値観の一致が重要です。そのため、価値観のミスマッチもエンゲージメントを下げる要因になります。
チームや部署、会社全体などグループにおける共通の目標を持たず、目的に向かって進む気力がないと、愛社精神や思い入れを持つのは難しく、業務の効率や生産性は落ちてしまいます。
組織の複雑化・仕事の細分化
組織が大きくなると仕事の規模も大きくなり、それぞれの仕事に対応するために組織形態は複雑化して縦割りになっていきます。
しかし、組織が複雑になると各種手続きや連絡が煩雑になり手間がかかる、業務上必要な手順やルールが増えるなど、従業員の負担が大きくなりがちです。
また、配属された部署の仕事が自分には合わない、能力やスキルがあるのにそれらを活かせない等の状況になると、エンゲージメントが下がる原因になります。
社員のエンゲージメントを上げる方法

社員のエンゲージメントを上げるためには、適切な方法を知ることが大切です。ここでは、エンゲージメントを上げるための8つの方法とそれぞれの詳細を解説します。
チームの存在意義の探究と言語化
チームの存在意義を探求して明確にし、言語化によってメンバーに伝えて共有することで、エンゲージメント向上を目指しましょう。
複数の人間が相互に関わりつつ、目的や目標を達成するために進む集団がチームであるため、逆説的に存在意義や役割が存在しないチームはありません。
達成するべき目的や目標、メンバーそれぞれの役割や仕事などが明確だと一体感が生まれ、エンゲージメントも上がりやすいでしょう。
コミュニケーションを重視した関係性の質の向上
エンゲージメントを上げるための方法の一つが、コミュニケーションを重視した関係性の質の向上であり、成長循環モデルが用いられるケースが多くあります。
チームで出した成果や結果を重視すると、成果が出なかったり結果が悪かった際にメンバー間での責任転嫁や対立が発生しやすくなってしまい、関係性が悪化して効率や生産性が低下、さらに良い成果や結果を出しにくくなるサイクルに陥ります。
しかし、コミュニケーションを重視してメンバーの関係性を築ければ、情報の共有や同じ目的に向かって動きやすくなり、良い成果や結果につながりやすくなるでしょう。
メンバー一人一人の貢献意欲を引き出す
メンバーそれぞれの貢献意欲を引き出すことも、エンゲージメントを上げる方法の一つです。
チームに所属するメンバーは、内容は異なるもののそれぞれが意味や役割を持っているため、企業がそれらの意味や役割を理解して支えることが大切です。
例えば、今後ステップアップしていくための道筋や、スキルアップ可能な制度や研修の設定、それぞれの理想とするキャリアの後押しなどが挙げられます。
企業のビジョン・ミッションを従業員と共有する
企業のビジョンやミッションなどを、従業員に伝えて共有するとエンゲージメントを上げられる可能性があります。
しかし、通り一遍の説明をしただけでは、従業員の理解や共感は得られません。直接的、間接的問わず、さまざまな方向から繰り返し伝え、浸透させる努力が必要です。
また、同じ方向を目指して進む意識を持つことにもつながり、チームや組織の結束が強まり結果や成果を出しやすくなります。
ワークライフバランス・心と体の健康を支援する
個人の価値観や家庭事情に合わせた働き方ができるようになれば、従業員それぞれが自身の能力を充分に発揮して働けるようになります。そのため、ワークライフバランスや従業員の心と体の健康を支援することは大切です。
健康や家庭の問題を支援できる制度や体勢を整え、従業員にとって働きやすい環境になれば、転職や退職などが減って人材の流出も抑えられるでしょう。
サーバントリーダーシップを取る
サーバントリーダーシップとは、上司が部下の働きやすさを考慮して業務に取り組み、部下を中心とした組織運営を行えるように支援する方式です。
従来のリーダーシップは支配型といわれ、強い権限を持って部下に命令を出して組織を運営します。しかし、部下が委縮してしまう、上司が誤った判断をしたときに修正しにくい、などの欠点がありました。
サーバントリーダーシップなら、部下に対して命令するのではなく支援する形でリーダーシップを取るため、部下が実力を発揮できるような組織やチームになりやすく、やりがいや充実感を得やすいでしょう。
従業員の成果を認め評価する
努力や取り組みが正当に評価されないと、エンゲージメントが下がりやすくなります。逆に、従業員の成果を認めて正当に評価すれば、エンゲージメントの向上が見込めます。
ただし、従業員の実力や成果を適切に評価するためには、上長による主観ではなく客観的に判断できる仕組みが必要です。公平で納得感のある指標をもとに、従業員それぞれの成果を認めて人事評価につなげましょう。
適切な評価がされる環境になれば、従業員に積極性や主体性が生まれやすくなり、業務の効率や生産性の向上にもつながります。
個人の強みを考慮した配置にする
個人の特長や強みを考慮し、スキルや能力を発揮しやすい配置を取ることもエンゲージメント向上につながります。特に、専門性の高いスキルや経験を持っている従業員は、それらが活かせる部署やチームに配置することでエンゲージメントが上がる可能性が高いです。
他にも、今の部署やチームでやりがいや主体性を持ってもらえるように努める、別の部署やチームの方が強みやスキルを発揮できそうなら、従業員に対して理由を説明した上で異動を提案するなども検討しましょう。
まとめ
エンゲージメントの度合いは、従業員の仕事に対する考え方で変わります。そのため、従業員自身の働く目的と会社のビジョンが紐づく、自身が活躍できるイメージが湧いてくれば、自然と主体性を持ち企業へ貢献しようとしてくれるでしょう。
しかし、従業員の考え方を良い方向に持っていくのは、ノウハウや長い時間が必要です。自社だけで対応するのが難しいケースもあるため、ワークハピネスが提供している「ワクワク冒険島」をご検討ください。
主体性を引き出すマインドセット研修で、働く意味を見出して組織へのエンゲージメントを高める効果が期待できます。
従業員のエンゲージメントを上げたいと考えている企業の担当者の方は、ぜひワークハピネスにご相談ください。貴社の課題に、一緒に取り組んでいきましょう。

人材アウトソーシングのベンチャー企業㈱エスプール(ワークハピネスの親会社)の創立3年目に新卒にて入社。新規現場、プロジェクトの立ち上げから不採算支店を売上日本一の支店に再生するなど、同社の株式上場に貢献してきた。
多数のプロジェクトを通じ、多くのスタッフと携わる中で「人間の無限の可能性」を知り、「人の強みを活かすマネジメント」を広めるべく、2006年よりワークハピネスに参画。
中小企業を中心とした人材開発、組織風土変革コンサルティングPJを推進している。























