導入事例

組織開発

部長の意識と行動変革が組織を大きく変えた

公益財団法人 日本漢字能力検定協会

以前は協会が多くの問題を抱えていて、特に「部長たちに一体感がない」と思い、まずは部長同士に腹を割って議論してもらうことにしました。最初に私たち協会が「何を大切にしてきたのか」について認識をそろえ、さらにこのコアバリューを共有した結果、「次は協会の新たな使命を定義しよう」と部長たちが一つになって主体的に取り組み始めました。以前抱えていた問題は着実に解決に向かっています。

課題
  • 保身主義が強く、組織が硬直化している
  • 自部門の意識が強く、全社的視点での他部門との連携がない
  • 前例踏襲で新しいことに挑戦する風土になっていない
実施策
  • 危機感の醸成や新しいことに挑戦する意欲を高める
  • 部長同士が本音で語れるような場を設定し、全員で将来像を描く
  • 新しい協会使命を策定
効果
  • 強い一体感を持って、仕事に取り組むようになった
  • 以前よりも自発的に行動できる職員が増えた

(上部写真右)執行役員事務局長 高瀬康雄 様
(上部写真左)総務部人事労務チームリーダー 碇悦子 様
(上部写真中)総務部人事労務チーム 担当リーダー 柴田嘉宏 様

部長の意識と行動変革が、組織を大きく変えた

Q.以前はどのような問題意識を持っていらっしゃったのでしょうか?

高瀬:2013年に協会の問題点をまとめた際、並んでいた言葉は、「上が決めているという雰囲気がある」「保身主義が強い」「前例踏襲ばかりで新しいことに挑戦しない」「自部門の意識が強く、全社的視点での他部門との連携がない」「人事異動がなく組織が硬直化している」・・・組織としてかなり問題を抱えていました。

柴田:他にも、私が職員の話を聞いて回った際、世の中の環境変化・協会の業績変化に直面して職員たちは、将来不安や、組織に対する不透明感があり、くすぶっていることを肌で感じました。そして、中堅男性職員の相次ぐ退職で組織の問題が表面化しました。協会は大変な時期を迎えていたんです。
ですから、必要なのは意識改革、危機感の醸成だと思ったんです。そんなときにたまたまWorkHappinessの北村さんに出会い、単なる研修じゃないものを模索していた私は興味を引かれました。そしてディスカッションを重ねるうちに、この問題を根本解決するなら「まずは上から」やる必要があると北村さんと意見が合致しました。

ただ、そこから導入までは苦労もあったそうですね。

柴田:実は、上司である高瀬がその部長研修の導入に慎重だったんです。なぜなら、高瀬は企画側でありながら、研修の受講者でもあったからです。

高瀬:導入前は、とても違和感がありました。「新しいことに挑戦する意欲に乏しい」という組織課題がありましたが、今思えば私がまさにそうなっていました。WorkHappinessさんからご提案いただいたものは、レベルが高すぎて、うちみたいな会社が耐えられるかどうか、プラスに働くのか不安だったんです。私自身が過去の既成概念をなかなか超えられませんでした。それでもやってみようと思わせたのは、柴田の熱意ですよ。

Q.部長研修にはどんなことを期待されていましたか?

柴田:部長たちに一体感がないと思っていたので、とにかく部長同士に腹を割って議論してもらいたかったんです。それまでは表面上のコミュニケーションと言っても過言ではない状態でしたね。何故ならば9名の部長の内プロパーと呼べるのは3名、残りは他企業からの転職組でしたので異質な文化で育ち、違った価値観を持った人間の集合体だったからです。

部長研修が組織変革のきっかけになった

Q.部長研修はどういう場になりましたか?

高瀬:最も印象的だったのは、コア・バリューの共有です。私たち協会は「何を大切にしてきたのか」についての認識が全員一致したんです。異質な人間の集まりでバラバラだと思っていたけど、一緒だった。それは、ものすごい一体感を感じる瞬間でした。
そして何より、この部長研修が他と違ったのは実施後、研修の場だけでは終わらなかったことです。「コア・バリューを共有したので、次は協会の新たな使命を定義しよう」と部長たちが一つになって主体的に取り組み始めたんです。それから部長たちの想いをカタチにすべく、臨時の部長会議が何度か行われました。とことん話し合って新しい「協会使命」を作ったんです。みんなが共通体験をして同じ温度感を持っていたため、一気に進みましたね。今度はカタチだけではなく、そこに想いが入りました。
また、決めた協会使命を組織全体に周知する際には、部長研修からはじまったそれまでの経緯や想いをしっかり説明しました。そのため「上層部の一部が作った」と思われることはなく、しっかり伝えることができたと思っています。

きっかけから確実に行動に繋げたため、1年半後も組織は変化し続けている

Q.その後、組織はどのように変わっていますか?

高瀬:以前は、人事異動もほとんどありませんでした。組織を硬直させる原因の1つにもなっていたんです。それを改善するために、最近は、人事異動も活発に行っています。

碇:今年度は、本部事務所の移転、漢字ミュージアムのオープン等、協会としても変化がある年になります。以前抱えていた問題は着実に解決に向かっているのではないでしょうか。

柴田:人事制度含めあらゆる面でかなりテコ入れしたこともあり、最近は退職もだいぶ減っています。中堅職員の退職が相次いだときはすごいインパクトでしたが、その頃の不透明感は今はなくなったと感じています。

高瀬:やはり部長研修の後のインパクトは大きかったです。以前は、一匹狼的なところがあり、社内コミュニケーションが少なかったですから。現場からは「上の人間が決めたから、私らはやるだけ」という発言もありました。今は、自発的に行動できる職員が増えてきたように思います

Q.組織変革を実行する上で苦労された(されている)のはどのような点でしょうか?

柴田:「こうすればこうなる」という答えは無いし、研修で受講者全員が変わることはないですよね。次から次に課題が見えてゴールはないため、達成感はまだまだないです。自分たちは少しでも高みを目指してやり続けるしかないです。受講者の反応を気にしていたら、研修なんて出来ないですよ。実際、部長研修を部長に向けて告知したときも、いろいろ言われました。そして、その研修スタート時のアウェイ感と言ったら・・・。場が凍りついていましたね。それでも、たった一人でもいいから変わればいいと期待していました。

高瀬:私は研修を通して「ここまで大きく人間変わるんだな」という人を見ました。今年の2月に実施した中堅社員研修でのことです。彼は大病を患ったあと、「病気のせいで」いろんなことをセーブして生きてきたんです。研修後は、「病気のおかげ」と捉えるようになったんです。彼はすっかり変わりました。これまで病気を理由にセーブしてきたことも、少しずつ踏み出して周囲にも前向きなエネルギーを発しています。彼は55歳で変わりましたよ。

Q.これからの漢検さんの組織課題はなんでしょう?

高瀬: うちは人が全て。現在のメイン事業も永遠には続かないでしょう。永続的に新たな価値を生み出していかなければなりません。協会の理念を体現し新たな価値を生み出していく人を育てていくこと。それが私たちの使命だと思っています。

柴田:「協会を普通の会社にする」ことを個人的な使命と思っています。ここは職員たちの組織使命に対する共感度がとても高いんです。それはとても良いところだと思っています。個々の役割を前向きに全うしていく力をさらに伸ばしていきたいです。

Q.今後WorkHappinessに期待すること(貢献)は何でしょうか?

柴田:昨年に引き続き今年度も別の階層にも導入予定のため、これでほぼ全階層に導入することになります。つまり、北村さんにはこれで協会全体を知ってもらえることになるんです。これからも課題はどんどん出てきます。客観的に協会の全体を見てくれているので、問題提起や課題提案をしてほしいです。

碇:北村さんは、人事が把握していないことも把握してくれることになるでしょう。そこから課題を見つけて、新しい切り口で教えてもらいたいです。

編集後記

漢検さんは、私にとって想い入れの強いクライアント。部長研修では、関係性や組織課題にアタックできるのかというチャレンジでした。また、柴田さんというチェンジ・エージェントにも会えたことは私にとっても大きなことでした。
これまで漢検さんでは課題にフォーカスして取り組んできましたので、今後は強みにもフォーカスしてさらに協会職員さんの可能性を引き出すお手伝いをしていきたいと思っています。(北村健一)

  • クライアント公益財団法人 日本漢字能力検定協会様
  • 事業内容日本語・漢字に関する普及啓発・支援、調査及び研究、能力育成 等
  • 業種公益財団法人
  • 会社規模 101 ~ 300 名

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