7Sで考える強い組織の創り方〜なぜ組織は良い仕組みを作ってもうまくいかないのか?
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7Sで考える強い組織の創り方〜なぜ組織は良い仕組みを作ってもうまくいかないのか?

経営の環境変化が激しい昨今、企業は生産性の高い組織であることが求められいます。そこで、「強い組織をどう作り上げていくか」という組織開発(Organization Devleopment)が改めて注目されています。

では「強い組織」というのはどんな組織でしょうか。それは「社会や個人に対して、持続的に価値を与え続けられる組織」です。この記事では、組織づくりに必要なポイントについてお伝えします。


組織に必要な3つの条件は?

長期的に組織が成り立つための必要条件とは何でしょうか。
アメリカの経営学者チェスター・バーナードは、組織が成り立つ3つの条件を挙げています。

組織が成り立つ3つの条件は

共通の目的(組織目的)

●協働意思(貢献意欲)

●コミュニケーション(意思疎通)

●「共通の目的」は、私たちは何のために存在しているのか(存在意義)をあらわすものです。 企業によってはそれが組織のミッションだったり、企業理念だったりします。その”共通の目的”があって初めて、組織が何を目指していくかが明確になるのです。

●「協働意思」は、複数のメンバーが協力しながら、仕事を進め、成果を出していこうとすることです。 組織は、メンバーそれそれが個人の能力や実現したいことを活かしながら、どう周囲に貢献するかを考えながら仕事に取り組みます。

●「コミュニケーション」は、メンバーがお互いに意見を出し合い、意思決定するプロセスのことです。 文字データだけの伝達なら、メールや電話でも可能です。しかし、ここでいうコミュニケーションとは直接対話をしながら、メンバーで意見や意思を交わし合うことなのです。
 
これらの3つの条件を意識して業務に取り組むことで、自分たちの目的や目標が共有され、メンバー間に一体感が生まれ、理想の組織に一歩近づいていくのです。では、私達はどのように強い組織を作っていけば良いのでしょうか。自社の組織の現状や改善策のものさしとしてよく使われる指標に「7S」があります。

7Sで組織の健康状態を知る

7Sは企業の戦略を考える際に必要とされる7つの要素といわれています。組織の戦略を考えるツールの1つがこの7Sというフレームワークです。これは戦略コンサルティングファームのマッキンゼー・アンド・カンパニーが提唱したものです。この組織の7Sは、それぞれが相互に関係しあっているもので、組織の戦略を実行していくために必要とされています。企業の7Sには、組織のソフト面をあらわす4つのSと、ハード面をあらわす3つのSがあります。

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「組織の7S」とは?7つのSであなたの企業を診断しよう

組織のソフトの4Sとは?

一方、ソフトの4Sは、組織の従業員など「人に関する経営資源」のことです。組織のソフト面には代表的な4つのSがあります。
組織の社風や慣習や、社員がもつ価値観にあたります。しかし、抽象的で目に見えにくいため、組織で作り上げていくためには時間がかかり、容易には変更できないとされています。

【ソフトの4S】
 ①Shared value (共通の価値観・理念)
 ②Style(経営スタイル・社風)
 ③Staff(人材)
 ④Skill(スキル・能力)

組織のハードの3Sとは?

ハードの3Sは組織を構成している「構造や仕組み」のことです。組織のハード面として3つのSがあります。
このハードの3Sは経営判断だけではなく、現場の意思決定に使われる判断軸として使われやすいものです。つまりハードの3Sは、変化が目に見えやすく、比較的容易に変更が可能なものです。

【ハードの3S】
 ⑤Strategy(戦略)
 ⑥Structure(組織構造)
 ⑦System(システム・制度)

組織開発がうまくいかない組織の特徴

組織の状態をはかる7Sですが、うまくいかない組織にはいくつかの特徴があります。
それは以下のような陥りやすいワナが考えられます。

1.組織のハード面だけを変える

組織のハードはルールや仕組みで作られるものなので、少人数の判断で改善可能です。そのため、その決まりごとにいきなりヒトを合わせていこうとしがちです。例えば新たな販売管理システム(⑦System)を導入したとします。そのシステムに合わせるために、重管理が発生したり、効率化どころか逆に煩雑化してしまい、現場の不満がたまり、正確にシステムが使われず、失敗に終わることがあります。

2.効率優先で意思決定をする

結果をすぐ求めるがあまり、効率的なやり方や、大きな成果が得られるやり方が選択されがちです。結果、実現困難なものや自社の風土(②Style)に合わないものが選ばれ、途中で実行が頓挫してしまうことがあります。

3.決めたことが実行されない

上から事務的に書類を渡されたり、書かれたことを説明するだけでは、現場に決めごとがおりてきてもなかなか実行されません。その組織の方針やルール(⑦System)がなぜ必要なのかをメンバーに正しく理解されなければ、その方針やルールは徹底されないのです。

7Sで組織開発を進める3つのポイント

ではどのようにすれば成果の出る7Sを使った組織開発ができるのでしょうか。その主なポイントは3つあります。

1.ソフトの4Sから始める

ソフトの3Sが大事なのは、組織のハードを改善する意思決定にはソフトの意思決定が先に必要だからです。
例えば組織で会社の理念(①Shared value)を話し合うとき、今までの組織の慣習や価値観だけで考えるのではなく、社員一人ひとりの声、個が持つ価値観も踏まえた組織の価値観や理念を確認することが大事です。

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2.自社の組織開発の優先順位を決める

あれもこれもやってみるのではなく、「自分たちにとって大事なものは何か」を明確にすることです。
組織として、どんな価値を提供したいかを明らかにし、全体を設計していきます。ただ、新しいものを取り入れるのではなく、「なぜ変えるのか」「何を変えて、何を残していくのか」ということを社内で共有していくことが重要となります。

3.改善のマネジメントサイクルを回す

組織の7Sが互いに整合するように、ハードとソフトをつなげて、デザインしていくことです。
これらの組織の構成要素は相互に影響しあっています。そのため、各要素が不整合を起こすと、生産性やモチベーションの低下、戦略実行力の低下といった負の影響があります。そこで、例えば組織の価値観や理念(①Shared Value)について社内で話し合い、社風(②Style)にあった戦略(⑤Strategy)を考えた後に、実行する組織構造(⑥Structure)から、システムや制度(⑦System)をつくり、それが定着するための人材(③Staff)の配置や、能力(④Skill)を高めるプランをつくることです。

以上のように7Sをベースに、組織の「風土変革」と社員個々の「意識変革」を再設計していくことが組織づくりのカギとなるのです。

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