未来予測の鍵
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未来予測の鍵

私は、未来を予測することが大好きです。変化の激しい時代に、漠然とした不安を抱えるよりも、自ら変化を予測して備えておいた方が精神衛生面で健全だからです。不意打ちを食いたくありません。

散々考えておけば、自社のビジネスに取って不利な未来が現実になっても、備あれば憂いなしです。

未来を予測して備える

未来を予測する1番の鍵は、テクノロジーの進歩です。歴史を紐解くと私たちの生活はテクノロジーの進歩とともに変化してきました。テクノロジーが進歩して、ライフスタイルや価値観が変化する。ライフスタイルや価値観が変化するとそれを後押しするように更に新しいテクノロジーが生まれる。

スタートはいつもテクノロジーの進歩です。農耕というテクノロジーが生まれて、定住というライフスタイルの変化がありました。そして、農耕の生産性を高めるために鉄製農具などのテクノロジーが進化しました。

蒸気機関の発明と鉄道網の発達によって、大都市に集まって暮らすというライフスタイルの変化が起きました。大都市住民の快適性を高めるために、上下水道の整備技術や高層ビルを立てる建築技術が進化しました。

最近のわかりやすい事例では、2007年のIphoneというスマートフォンの出現です。一人に一台、常に携帯できる情報通信端末が手に入ったことによって一人ひとりが常時世界と繋がったリソースとなりました。これが所有から利用へというライフスタイルの変化をもたらしました。

ライドシェア、カーシェア、ルームシェア、ファッションシェア、スキルシェア等々、世界中で一人が一台スマホを持つことによって可能となった新しいライフスタイルです。

若者の車離れもスマホの出現と大いに関係があります。かつて若者が車を欲しがった理由は、車があれば好きな場所に行けて、ドライブプレジャーや音楽というエンタメを楽しめ、仲間と繋がることができたからです。

都会に住む若者にとって車は、移動手段というよりもエンタメツールでした。仲間と繋がる、楽しむというエンタメはスマホによって安価に代替されてしまいました。

未来を予測する場合にその眼力を濁らせるのが、業界特有のメンタルモデルです。コダックは「人は銀塩フィルムを愛している。デジタルが銀塩フィルムの解像度を超える日はこない!」と信じていたため、倒産しました。

IBMは「コンピューターとはメインフレームのことだ。パソコンはおもちゃだ!」と信じていたために、大リストラを余儀なくされました。ちょっと前まで、自動車メーカーの幹部はこう強く主張していました。

「人には所有欲がある。車はまだまだ売れる」
「人はドライビングプレジャーを求める。自動運転を望まない人は多い」

既存の自動車メーカー幹部のこうしたメンタルモデルが、移動サービスや自動運転開発への取り組みを遅らせました。

現在起きているAI、ロボット、5G高速通信といったテクノロジーの進化も確実に私たちのライフスタイルを変化させます。どちらの方向に進むのか?それは若者のライフスタルや価値観の変化を見ることで予見可能です。「若者の○○離れ」という言葉があります。

「若者の車離れ」はそのまま日本全体の新車販売減となって止められない流れとなりました。「若者のお酒、タバコ離れ」もやがて「健康ブーム」となって社会全体に広がっていました。若者ほどテレワークを望んでいるという事実は、今後社会全体がテレワーク前提となっていくことの確かな予兆なのです。

あなたの属する産業に今後どんな変化が起きるか?業界のメンタルモデルから抜け出して澄んだ瞳で覗いてみてください。


株式会社ワークハピネスは人材育成研修・組織開発コンサルティングを通して
人と企業の「変わりたい」を支援し、変化に強い企業文化をつくる支援をしています。 
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ウェブサイトにはこれまでに弊社が支援させていただいた研修および
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この記事を書いた人この記事を書いた人

吉村慎吾

公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。

現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。

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