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オフィスを捨てる勇気

先日、ある経営者と話していて、「吉村さん、オフィス捨てるってメチャクチャ勇気あるね!」と感心されました。彼曰く、毎日にオフィスに来る従業員の顔を見ないと会社が無くなっていくみたいで不安だと。


世界中でベストセラーとなった歴史家のユヴァル・ノア・ハラリ氏が書いた「サピエンス全史」によると、人類は伝説、神話、宗教などの虚構を信じる力によって地球の覇者になったと論じています。虚構を生み出し、共感することで、見知らぬ人同士が協力し社会を継続的に革新してきたと。国家も法律も虚構です。その虚構のストーリーに共感することで見知らぬ人同士が協力して巨大なローマ帝国が完成しました。会社ももちろん虚構です。会社という虚構の柱となるのがミッション、ビジョン、バリューといった価値観体系への共感です。

ここがしっかりしていれば、見知らぬ人同士が協力して偉大な何かを達成できるのです。
人が親近感や連帯感を感じるのは共有物の多さです。親近感や連帯感を強く感じれば感じるほど、その組織への貢献意欲が高まります。家族は生い立ち、家計、住居等多くの物を共有しています。だから、お互い助け合います。国民は領土や歴史文化、法律、防衛、社会保障を共有しています。しっかり連帯感の教育すれば時には戦争で命まで投げ出します。
会社はミッション、ビジョン、バリュー、製品、サービス、そしてオフィスを共有しています。オフィスで親睦を図り、親近感や連帯感を感じれば感じるほど、組織への貢献意欲が引き出せます。
オフィスを捨てるというのは重要な共有物を一つ捨てる事になるわけですから、それは心配です。「勇気あるね!」となるのも頷けます。
でも、ローマ帝国もカトリック教会の巨大な組織もオフィスを共有していない見知らぬ人同士が虚構のストーリーに共感することで完成しました。虚構のストーリーに共感して、献身する。それが人類の偉大な能力なのです。人類を信じるならば、物理的なオフィスを捨てることは些細なことでしかありません。ただ、より一層、ミッション、ビジョン、バリューへの共感を生み出す活動が重要となってきます。


ミッション、ビジョン、バリューへの共感しか社員の献身を引き出す経営手段が無い状態。私は、これは茨の道ではなく、実は純化の道なのではないかと考えました。目的を達成するための機能体としての会社を強くしていく健全化路線に見えたのです。
コロナ前、お洒落なオフィス、食べ放題の社員食堂、気晴らしのフィットネスジムなどを完備した社員に優しい職場をつくる事によって献身を引き出す流れがありました。会社を目的達成の機能体と捉えた時、豪華なオフィスに頼る経営だったならば、それは本質から離れ、組織を堕落へ導く不健全化路線です。


オフィスを捨てた会社は健全化路線しか進めません。豪華なオフィスといったごまかしが効かないのです。オフィスを捨てるとは、経営者にタガをはめ、従業員に不純化防止&健全化路線を約束する素晴らしい仕掛けと言えないでしょうか?


with コロナでもうすぐ冬がやってきます。季節性インフルエンザと新型コロナという二つの感染症との戦いが始まります。テレワークを強いられる場面も増えると思います。テレワークで高いパフォーマンスを出すためにも、機能体としての会社を強くしていくためにも、ミッション、ビジョン、バリューへの共感を生み出す活動を今から意識しておく必要があります。


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この記事を書いた人この記事を書いた人

吉村慎吾

公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。

現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。

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