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「テレワークうつ」の対処法

緊急事態宣言を受けてテレワークを実施している方も多いことでしょう。

国民のワクチン接種率が高いイスラエル等で再び新型コロナ感染者数が増加している事例を見ると、この新型コロナ騒動はまだまだ続きそうです。

withコロナ社会でニューノーマルとなったテレワーク。

「通勤時間や移動時間が皆無なので時間効率が高い」「子育てや介護との両立がやりやすい」「好きな場所に住める」等々良いことが多いのですが、最近気になるのはメンタルヘルスの問題。

・身体がだるい

・寝付きが悪い

・食欲が湧かない

という身体的な症状や、

・やる気が出ない

・人と話すのが億劫

といった精神的な症状が出る人が増え「テレワークうつ」などと呼ばれはじめています。

なぜ、テレワークがメンタルヘルス問題をもたらすのか?

本日はこのテーマを、先日ワークハピネスの若手メンバーである鈴木泰平が上梓した「科学的に正しいチームメソッド30」を参考に生命科学的に解明してみたいと思います。

テレワークのメンタルヘルス:焦点は

テレワークのメンタルヘルス問題は、ホルモンバランスと自律神経で説明できそうです。

まず、重要となるのが「生きがいホルモン」と呼ばれる、セロトニン、ドーパミン、オキシトシン。

そして、ストレス状態からの回復をもたらす副交感神経の働きです。

まず「生きがいホルモン」。

セロトニンは日光を浴びたり、リズム運動をしていると分泌され心を安定させます。

ドーパミンは目標を達成すると分泌され、快感をもたらします。

そしてオキシトシンは「人とのつながり(精神的つながり&身体的つながり)」を感じた時に分泌され、幸福感をもたらします。

そして「副交感神経」。

人はストレスを受けた時、交感神経を活性化させて対処し、副交感神経によって回復するという過程を経ます。この仕組みによってホメオスタシス(恒常性)を維持して環境に適応します。

そしてストレス耐性をもたらす副交感神経は、他者との交流やあそび(軽いスポーツ、ヨガ、ダンス等)によって活性化することがわかっています。

コロナ禍以前、私たちは毎日の通勤で意図せずとも日光を浴び、歩行というリズム運動をして心を安定させるセロトニンを分泌させ、さらに副交感神経を活性化させていました。

満員電車に耐えて通勤し、定時に出社することは一つの目標の達成。

ドーパミンが分泌されて気持ちよくなります。

そして同僚と目を合わせて「おはよう!」と挨拶すると、人との「身体的つながり」を感じてオキシトシンが分泌されて優しい気持ちになります。

お昼になりました。気の合う同僚と連れ立ってランチに行き、週末に見た映画の話を共有したり、最近のニュースの話題で意見を交わしたり。

そんな他愛ない雑談で同僚との「精神的なつながり」を感じてまたオキシトシンが分泌されます。

さあ、5時になりました。

今日も定時まで頑張りました。

どんな成果を出したかは別として、満員電車に耐えて出社して、定時まで勤めあげたことは、これまた一つの達成感。

ドーパミン噴出です。

アフター5は、スポーツジム、ヨガ教室、ダンス教室、等々に出向けば副交感神経が活性化してストレス耐性が高まり、心身の健康に寄与します。

呑み会だって悪くありません。

学生時代の友人たちと談笑して旧交を温めれば「人とのつながり」を感じてオキシトシンを分泌します。

カラオケで発散すれば副交感神経が活性化します。

朝の満員電車通勤から深夜のカラオケまで。

今日もヘトヘト。

よく眠れます。

どうでしょう?

コロナ禍前、不健康そうな満員電車の通勤も、呑み会も、生命科学的に見ると「生きがいホルモン」の分泌と「副交感神経」活性化に寄与していたのです。

さて、「生きがいホルモン」の分泌と「副交感神経」の活性化。

テレワークではどうでしょう?

テレワークでは、通勤がもたらす日光を浴びるリズム運動も満員電車に耐えて定時出社する達成感もありません。

画面越しのコミュニケーションでは同僚との「身体的なつながり」も希薄です。

具体的な成果物を出して、上司等からポジティブなフィードバックを貰わなかった日はドーパミンの分泌も少ないかもしれません。

緊急事態宣言で、スポーツジムもヨガ教室も閉鎖。

酒類提供禁止で、同僚や友人とお酒を呑みながら身体的かつ精神的なつながりを感じる機会も皆無。

つまりテレワークでは、通勤時代と比較して相対的に「生きがいホルモン」の分泌と「副交感神経」を活性化させる機会が減っているのです。

この傾向は仕事に不慣れで、一人暮らしの若者ほど顕著に出ているようです。

パーソル総合研究所が2021年6月8日に公表した「はたらく人の幸せに関する調査【続報版】」によると「テレワークの幸福度、20代のみが低下」とのこと。

上の世代ではテレワークで満員電車での通勤がなくなり、時間の自由度が上がったことが幸福度の向上につながる一方で、20代ではマイナスに働いているようです。

上の世代は、仕事処理の習熟度も高いので、テレワークによって余った時間を家族と過ごす時間を増やす、運動時間を増やす等、心身の健康に上手に使って「生きがいホルモン」を分泌させ、「副交感神経」を活性化させている。

一方で20代の若者はテレワークで身近に相談できる人も少ない中、慣れない仕事でストレスを抱え、一人暮らしで人との会話も減って「生きがいホルモン」の分泌が減り、「副交感神経」が不活性状態と推測されます。

どう対処すればよいか?

「生きがいホルモン」を分泌させ、「副交感神経」を活性化させる習慣を生活に組み込むしかありません。

キーワードは、「日光」「運動」「人との交流」「小さな目標」です。

日光を浴びながら散歩やラジオ体操をすればセロトニンが分泌されます。

人と交流すれば、オキシトシンが分泌され、副交感神経が活性化します。

目標をクリアすれば、ドーパミンが出ます。

誰にでもできそうな一番簡単で効果的な習慣は、

・毎朝の散歩

・同僚や友人との雑談時間

・毎日の小さな目標設定

withコロナ社会。

テレワークは私たちのニューノーマルです。

心身の健康のために自分に合った良い習慣を確立しましょう。


WorkHappinessでは、大きく変化する時代の中での組織づくりをサポートしています。テレワークを活用する職場の人と組織の生産性向上のための支援を行うサービスの提供や、『組織を変える』ために必要なお役立ち情報の発信、人事・人材育成部門向けのセミナーを行っています。是非チェックしてみてください。

この記事を書いた人この記事を書いた人

吉村慎吾

公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。

現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。

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