「ご近所」探索からはじまる社会貢献?
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「ご近所」探索からはじまる社会貢献?

最近、ご近所の素晴らしさと奥深さを痛感しています。

コロナ前、寝不足でふらふらしながら駅に向かい、毎朝満員電車に揺られてれ都心に出社。

夜は、繁華街で誰かとお酒を呑んで深夜に帰宅。

翌日、また寝不足で駅に向かう。

この繰り返し。

家は寝る場所。

「ご近所」は通過点。

毎日目にする飲食店や商店街に立ち寄る余裕も必要もありませんでした。

でも、今は「ご近所」に救われている毎日です。

「ご近所」に、お気に入りの天ぷら屋さんがあります。

ご主人は、銀座の名店で修行を積み、28歳の時に独立。この地で50年。御年78歳。

旬の食材のお話から始まり、かつて常連さんだった、今は亡き著名な財界人や文人さんのエピソードなど。

興味深い話の数々。

「50年って、すごい歴史ですね」

「いや、あっという間ですよ」

人生の大先輩の言葉を噛みしめながらいただく天麩羅のお味は格別です。

お気に入りのお寿司屋さんもあります。

こちらのご主人もこの地で30年。

日帰り温泉が趣味で、東京近郊の隠れた名湯を教えてくれます。

ワーケーションと称して教わった日帰り温泉をめぐり、その論評をご主人と交わしながら頂くお寿司と冷酒は最高です。

ご近所で楽しいのは飲食店だけではありません。

おばちゃん四人で切り盛りしている「ご近所」のお肉屋さんも素敵な場所です。

カニクリームコロッケとメンチカツが絶品なのですが、一番の売りは気さくなおばちゃん衆。

ご近所マダムに、

「あら、その日傘かわいいわ〜。どこで買ったの?」とか、

「お兄さん、そのエコバック、素敵ね〜」等、誰に対しても必ず一言声をかけます。

地元ならではのアットホームな会話を見ているだけで気分は昭和へトリップ。

「サザエさん」で見た世界が広がっています。

そして、緊急事態宣言が明けてから始まったのが、「ご近所」呑み会。

テレワークが続いて毎日家にいるとちょっと刺激が欲しくなります。

だからといって友達を誘ってわざわざ都心まで呑みに出かけていくのも億劫。

「ちょっと刺激が欲しい」

「ちょっと人恋しい」

「でも出かけるのは億劫」

そんなお互いのニーズが合致したのか?

サンダルばきで集まるという約束で始まったのが「ご近所」呑み。

「ご近所」に住む、作家、デザイナー、経営者等々と夕方から誰かの家に集まって、簡単なおつまみでお酒を呑むのです。

毎日テレワークで社内の人間やお客様とは話をしますが、全く関係のない業界の人々との会話はやはり刺激的。

「ご近所」さんがまた面白い「ご近所」さんを連れてきて、「ご近所」はまだまだ楽しくなりそうです。

コロナ禍で「ご近所」の価値が再考されています。

今まで「ご近所」はベッドタウン。「寝る場所」でしかありませんでした。

でも、withコロナ社会で「ご近所」はリアルに「人と交わる場所」となりました。

「人と交わる場所」で思い出されるのが、イギリスのパブです。

若い時分に短期留学したとき、イギリスの田舎町でパブ文化に触れて驚きました。

パブはお酒を呑む場所ですが、日本の居酒屋は全く成り立ちが違います。

パブとは”Public House”の略称。まさに、地域住民の公共施設なのです。

閑静な住宅街の中なのに交差点には必ずぽつりと看板に明かりが灯るパブがあります。

ほとんど50mおきにパブがあって、こんなにたくさんあって経営は成り立つのか?と思うのですが、どの店にもしっかりお客が入っています。

田舎のイギリス人にとってパブは生活の一部。

ご近所のパブでランチを食べ、独り身なら仕事終わりにパブで夕食も食べます。

家族持ちの人は家で夕飯を食べ終わると、そそくさとお気に入りのパブに向かいます。

階層や職業毎に行きつけのパブが違っていて、そこは地域の社交場。

夜な夜なスポーツ、政治、経済の話で盛り上がるのです。

パブが地域コミュニティーのハブとなって地域の信頼関係や規範を生み出しています。

かっこ良い言葉で言えば「ソーシャル・キャピタル」

研究によれば、「ソーシャル・キャピタル」が豊かな地域は、地域課題が速やかに解決され、子供の教育成果が高まり、治安がよく地域住民の健康状態が良好など、経済・社会面で良い効果が出ます。

緊急事態宣言が明けて、飲食店でのお酒の提供や営業時間の制限が解除されましたが、繁華街への客の戻りはイマイチとのこと。

きっと、私のように「ご近所」を探求して楽しみを発掘してしまった人が多いのでしょう。

あらゆる業界の産業化が進んで、多くの日本人が勤め人となって都会へと通勤するようになりました。

その影で衰退していった「ご近所」の商店街や飲食店ですが、withコロナ社会で「ご近所」の重要性が再考されています。

「ご近所」が活性化して、生まれる地域の「ソーシャル・キャピタル」は必ず地域課題の解決につながります。

「ご近所」探索、皆さんも始めてはいかがすか?

楽しい社会貢献ですよ!

この記事を書いた人この記事を書いた人

吉村慎吾

公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。

現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。

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