自由地獄がやってきた
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自由地獄がやってきた

人生のおすすめパッケージがなくなりました。

昭和の時代、人生はパッケージ商品でした。

どこに生まれたか、そしてどれぐらい勉強したか、どの会社に入ったか、これで人生の重大な選択はそれほど苦労することなく世間が決めてくれました。

日本のどこに生まれようが、第一に考えるおすすめ人生パッケージは、良い大学に入って、安定した大企業に就職するか、公務員になる、でした。

地方で生まれて、勉強頑張って東京の大企業に入社したら、どこに住むのか?

どこに住むかは人生の重大事のはずですが、パッケージで選べる選択肢はわずかです。

会社から1時間程度で通えて、給料から払えるリーズナブルな家賃。この制約から考えると自ずと東京近郊の千葉や埼玉に住むことになります。

満員電車で毎日都心に通うという苦行に耐えると、週末に行うこともある程度決まってきます。

日々、ビルとアスファルトに囲まれた生活は異常ですから、バランスを取るために近郊の海や山に出かけることになります。

そして、夏になればグアム、サイパン、ハワイといった海外旅行。冬は雪山でスキーかスノボ。

多少のバリエーションがあるかもしれませんが、ほとんどみんな変わらない昭和世代のパッケージライフ。

近年、小泉進次郎氏が「レールからの解放」を訴えて、多様な人生設計が必要な時代であることを訴えましたが、多くの親世代は変わらず子供たちに昭和型のパッケージライフをお薦めしてきました。

ところがコロナ禍、テレワークがニューノーマルとなってこのパッケージライフが崩壊しました。

人生の重大事である「どこに住むか?」という選択が自由になってしまったのです。

海辺に住んで、毎朝、サーフィンを楽しんでからゆっくりと仕事を始める人や、畑仕事の合間に仕事をする人が出現しました。

地に足つけて、自然と調和して暮らしながら、オンラインで資本主義社会にも参加する。

家族と過ごす時間。趣味や教養の時間。運動や自然と戯れる時間。そして仕事の時間。

日常生活の中で人生にとって必須な時間が適度に混在。

理想的な「ワークインライフ」です。

日常のストレスを解放する必要がないので、週末だからといっていそいそと郊外の自然環境に出掛けて行く必要もありません。

仕事の無い週末は、毎日行っていることをちょっとゆったり行ったり、副業に当てたり。

今は、先進的な人々が行っている都会から離れたフルオーダーメイドなライフスタイルですが、近い将来にはこれが当たり前となるでしょう。

なぜなら、将来的にはほとんどの会社がテレワークを取り入れることになるからです。

同じ給料で、勤務形態の違う二つの会社があります。

あなたはどちらを選びますか?

週5日間の出社を求める会社、もう一つは週一日の出社で可な会社。

週5日間、出社するためには、毎日の通勤に耐えるエリアに住むしかありません。会社が都心にあるならば、その近郊に住む。家賃は高いので、可処分所得は下がります。

そして、通勤の往復と準備で毎日数時間奪われるのに、その時間は給料が払われません。

一方で、週一日の出社で済むならば、家賃が都内近郊の数分の一で済む田舎に住むことができます。家賃だけでなく食材等の物価も安いので可処分所得が大幅に増えます。

通勤時間という無休労働の時間もありませんから、時給換算すると大変にお得です。

コストパフォーマンスで考えたらテレワーク可能な会社は労働者にとっては圧倒的に経済合理性が高いのです。

少子高齢化で人手不足が加速している日本で一番貴重な資源は若くて元気な労働者です。

貴重資源の奪い合いが予想される近未来で企業が生き抜くためには、テレワークを主流としたワークスタイルを取り入れるしか選択肢が無いのです。

自然豊かな田舎での子育ては理想的です。一方で進学等を考えると学習環境が貧弱で大都市を離れられないという家族もいました。

コロナによってこの状況も一変しました。

今、私の娘は大学受験を控えて予備校に通っていますが、授業は全てオンライン。

一流講師の授業をオンラインで受講して、活発にディスカッションに参加しています。

学校法人角川ドワンゴ学園 が運営するN高はオンライン主体の高校で、授業にはVRを活用するなど先進的な取り組みを行っています。生徒数はなんと2万名を超え、卒業生は早慶東大からプロゲーマーまで多様。

また、ハーバード大学よりも卒業生の評価が高いと言われるミネルバ大学は全寮制の大学で、4年間にロスアンジェルス、ベルリン、ブエノスアイレス等の7つの都市をクラスメートと移動しながら、世界中に住む一流教授たちによるオンラインかつインタラクティブな授業で学びます。

ICT技術の高まりによって、学びの地域格差は解消されたのです。

さて、どこに住むか?という人生の一大事を能動的に決められるのは、一見、良い変化に思えますが、多くの人にとってそれは地獄です。

無数の選択肢から合理的に選ぶのは非常に疲れるのです。

職場の食事会の幹事をやることになって、東京都内から適切なお店を選べと言われたら地獄です。

参加者からの「なぜ、この店を選んだの?」という問いに納得のいく説明をつけられる店を選ぼうと思ったら、、、相当頭を悩ませることになります。

でも、「会社の近く」という条件が付いたらどうでしょう?

格段に楽です。

昭和世代のパッケージライフは楽でした。

入社した会社を中心にして、選択肢を限定してもらえました。

多くの人にとって、令和世代のフルオーダーライフは自由地獄です。

では、自由地獄を楽しく生き抜く拠り所は何でしょうか?

答えは、直感です。

ひらめいた!ワクワクする!楽しそう!

そんな予感が降りてきたら、その直感に従って行動してみる。

直感は、あなたの持って生まれた才能と人生の経験が生み出したあなたをハッピーに導くお知らせです。

言葉では理屈をうまく説明できないけど、何だか良い予感がしたら、その知らせに素直に従ってみる。

直感を信じるというポリシーを確立すると、人生はとっても楽になります。

直感に優劣はありません。

あなたがワクワクするならば、それは誰も否定できません。

直感はあなたにとっての絶対の真実です。

直感を信じて行動すれば、他人を羨むことも減ります。

たまに直感が外れる時があります。

直感で演劇のチケットを買って席に着き、始まって10分して「つまらない」と思ったら?

静かに席を立って、そこから出ていけば良いのです。

間違えたらと直感が感じたら、即時に修正する。

それだけです。

自分の直感を信じて行動を積み重ねると、どんどん直感は研ぎ澄まされていきます。

やがて、自分をハッピーに導く羅針盤に全幅の信頼を置けるようになります。

人生100年時代。

パッケージライフの消滅。

自由地獄の到来。

直感を鍛えて楽しみましょう。


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この記事を書いた人この記事を書いた人

吉村慎吾

公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。

現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。

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