ライフワークの見つけ方
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ライフワークの見つけ方

前回のブログでは「人生100年時代のキャリア戦略」というテーマで書かせていただきました。

要諦は、ライフワークの発見です。

私の考えるライフワークの定義は、好きで、得意で、意義を感じる活動。

そして、人間は、好きで、得意で、意義を感じる活動を行っていると、心と身体が喜んで元気になます。

社会に出て65歳まで約40年働いても、その後にまだ40年近い人生が続く可能性があるのです。

学生を終えて、社会に出てから約80年間。

心と身体が喜ぶライフワークがあれば晩年まで楽しく過ごせそうです。

でも、そのライフワークが見つからなくて困っているというのが多くの人の実情です。

価値観が多様化し、成功パターンのレールが消えた現在。

子供の頃から「あなたの好きなことをやりなさい」と、親や先生から言われ続けてきたけど、未だに自分の好きなことが見つからない。

メジャーリーガーの大谷翔平選手のように好きなことで成功している一部の人々が輝いて見える。

どうしたら自分の好きで、得意で、意義を感じるライフワークにたどり着けるのでしょうか?

結論、ライフワークにたどり着くまでには時間がかかります。

自分の好きで、得意なことを知りたければ、数多くの嫌いで苦手なことも経験する必要があります。

何が嫌いで苦手かは、一定時間、様々なことに取り組まなければ分かりませんから、右往左往する必要があるのです。

大谷翔平選手のように子供の頃に雷に打たれるようにライフワークを発見する事例は本当に一部の天才だけに与えられた奇跡なのです。

私を含め、多くの凡人は右往左往して、振り返ってライフワークを知るのです。

でも、そんな時間のかかるライフワーク発見までの道のりですが、時間を短縮できる指針はあります。

それは、直感を大切にすることです。

私の事例です。

私は今、人材・組織開発のコンサルタントが自分のライフワークだと確信しています。

今後も、この活動だけをずーっと続けられたら幸せです。

人材・組織開発のコンサルタントとして、クライアントの悩みを聴き、解決策を考える。講演を行ったり、ワークショップでファシリテーターを行う。

そんな活動によって日々クライアントや受講生から元気を貰っています。

でも、この確信にたどりつくまでには長い長い、紆余曲折の旅がありました。

ご多分にもれず、私も学生時代に特にやりたいことはありませんでした。

大学も自分の学力で行ける最も偏差値の高い学校に行っただけ。

夢や目標がありませんから、大学時代は遊んでしまって、いきなり留年です。

就職氷河期だったので、生きていくために資格を取るしかありませんでした。

日経新聞が読めないコンプレックスを解消したくて、何となく公認会計士の資格を目指しました。

苦労して受験勉強して念願かなって公認会計士になったのですが、財務諸表の正しさをチェックする会計監査の仕事が、同僚には申し訳ありませんが、自分にはそれほど価値のある仕事とは感じられませんでした。

なぜ、価値を感じないのか?

そこに創造性や笑いが少ないからだと気づきました。

自分は子供時代、美術が得意でダンボールで独創的なお城をつくって周囲を驚かせたり、文化祭では、コメディータッチの演劇を作って観客を爆笑させていたことを思い出しました。

私は、創造やユニークが好きだったのです。

会計監査業務という創造やユニークという価値観とは真逆な仕事を通して、より自分の価値観を強く意識することとなりました。

やがて、その不快感は耐え難いものとなり、公認会計士の仕事は得意でしたがその職を辞して起業することとなります。

ユニークな事業創造への挑戦です。

人材派遣から始まり、ホテルの再生まで、何でも手がけました。

事業を始めてみて気づいたのが人材育成の重要性。

とりわけリーダー育成が要と感じました。

優れたリーダーがいると人材の定着率も高く、また業務改善も進むのです。

そこで、社内向けのリーダーシップ教育のチームを作りました。

リーダーシップ教育には、会計や監査とは違った特別な奥深さがありました。

所詮、会計学や監査論は人間が構築したもの。そこには理論的な体系があります。一方で人間は複雑で矛盾の塊。私にとって探究しがいのある未開の大地が広がっていました。

学ぶほどに好奇心が刺激され、気付けば心理学やコミュニケーションスキルを学ぶために

世界中のワークショップを飛び回っていました。

学ぶことが楽しくて、自分には、創造やユニークにプラスして探究、成長といった価値観が強いことも知りました。同時に、コーチングやファシリテーションに関して人並み以上の才能があることにも気づきました。

合理的な考え方が性に合い、論理的な思考が得意で公認会計士として成功していたわけですが、気付けば、創造、ユニーク、探究、成長といったことがそれ以上に好きで、計算力よりもコミュニケーション力の方が自分の本質的な才能だと悟ったのです。

そして、40歳を前にして、人材・組織開発コンサルタントが自分のライフワークだと確信しました。

仕事が楽しくて、月曜日が待ち遠しいのです。

忙しく仕事を終えた夜なのに、朝よりも元気なのです。

クライアントや受講生を元気にしようと思ってエネルギーを出すのですが、私が出す以上のエネルギーを彼らからもらってることに気づいてしまいました。

それを知ってからは、クライアントや受講生に対して感謝しかありません。

違和感を放っておかず、直感を信じて様々なことにチャレンジしたおかげで、比較的早くライフワークにたどり着けたのではないでしょうか。

公認会計士として成功していた時に心が感じていた違和感を放置していたなら、もっと時間がかかっていたことでしょう。

ライフワークを大層に捉えてはライフワークからは遠ざかります。

すでにあなたはライフワークにたどり着いているかもしれないのです。

タクシーに乗るたびに私は運転手さんに「なんでタクシードライバーになったのですか?」と尋ねます。

こんな人がいました。

「私は以前、外車ディーラーでベンツを売っていてトップセールスでした。でも、親の介護が必要で勤務時間の自由がきくタクシードライバーになりました。セールスが天職だと思っていましたけど、タクシードライバーも天職です。毎日、いろいろなお客様と楽しい会話ができますし、常に頭を使ってお客様が多そうな場所を流せば売上だって自分次第で増やせます。今はドライバーとしてトップセールスで楽しいですよ」

彼は、信頼、誠実、達成、といった価値観とコミュニケーション力と仮説検証力を使って外車のトップセールスとなり、同じ能力を使ってトップドライバーを楽しんでいます。

以前、取材で「生まれ変わったらやってみたい職業はありますか?」と聞かれて、私の脳裏に最初に浮かんだのは高級寿司店の板前でした。

理由は、楽しそうだから。

高級寿司店に行くたびに感じるのは、板前さんたちは、独創的なおつまみや、美味しいにぎり鮨の探究に余念がありませんが、同時にカウンター全体に目を配り、お客様全体を会話で盛り上げているエンターテナーとしてのあり方です。

そこに垣間見えるのは創造、探究、ユニークといった価値観とコミュニケーション力です。

人材・組織開発コンサルタントを楽しいでいる私と全く同じ価値観と発揮能力。

ライフワークを具体的な職業で探索すると選択肢が少なく見えます。

でも、価値観と能力とのマッチングという観点で探索すれば、そこには無限の可能性が見えてくるのです。

創造、探究、ユニークといった価値観とコミュニケーション力を使って、独創的なカクテルを作り、日々、仕事に疲れたお客様を洒脱な会話によって元気にするバーテンダーもありだと思います。

同じ価値観と能力を使って、施主の夢を叶える建築家になるのも楽しそうです。

皆さんの好きで得意なことは何ですか?

具体的な価値観や能力まで分解して考えると、マッチする職業はたくさんあることに気づくはずです。

違和感を放置しないでください。

何か違うと感じたら、その違和感を追求する。

楽しそうだと思ったらその直感を信じて始めの一歩を踏み出す。

最後に故ステーブ・ジョブズ氏の言葉です。

私は毎朝鏡を見て自分にこう問い掛けるのを日課としてきました。「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを私は本当にやりたいだろうか?」。

それに対する答えが“NO”の日が幾日も続くなら、そろそろ何かを変えろというサインです。

人生100年時代。

直感を信じてライフワークにたどり着きましょう。


WorkHappinessでは、大きく変化する時代の中での組織づくりをサポートしています。
現在、代表吉村によるマンツーマンの無料相談会「カフェワークハピネス」を実施しております。「組織風土を変えていきたいが、どこから手を付けていいかわからない」、「上層部の意識変革を行うにはどうすればいいのか」などお悩みなんでも受け付けております。お気軽に申し込みください。

この記事を書いた人この記事を書いた人

吉村慎吾

公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。

現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。

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