老害よさらば。アンラーンして活躍し続けよう。
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老害よさらば。アンラーンして活躍し続けよう。

「最近の若者は…」と大人が若者を嘆くのは、古今東西の常。

一方で、「あの頑固じーさん、老害だよね」と若者が中高年を嘆くのも古今東西の常。

そして、中高年を「老害だ」と文句言っている若者も、そのほとんどはやがて老害化していきます。

なぜ、人は必ず老害化していくのか?

答えは、諸行無常。

環境が常に変わり続けるからです。

若者は慣れ親しんだ成功体験がないので最新のテクノロジーとカルチャーに柔軟に適応します。

やがて社会人になるとカルチャーショックを体験します。

学生時代に通用していたいくつかのパターンが通用しないのです。

中高年が支配する会社においては、中高年の思考・行動パターンがスタンダードです。

若者は四苦八苦しながら、ビジネス界の常識を習得し、成功体験を積み上げて30代を迎えます。

30代は、今までに獲得した成功パターンの繰り返しです。

仕事のコツも掴み、要領良く大量の仕事をこなしていきます。

築き上げたパターンは本人の中ではビジネス界の永遠の真実の如き輝きを発しはじめます。

ところが、成功を積み重ねてく間にも世間の環境は時事刻々と変化を続けています。

テクノロジーも価値観も何もかもが変わっているのに、相変わらず過去に習得した同じパターンの思考と行動を繰り返せばやがて結果は出なくなります。

でも、それは自分の問題ではなくて、経済環境の問題。己を省みる必要はありません。

若手社員に昔の武勇伝を語ってご満悦。

老害の入り口です。

新しいテクノロジーと価値観に適応している若者から見ると、過去の成功パターンを頑なに繰り返す中高年ビジネスパーソンは時代遅れの煙たい存在。

やがて、彼らが巨大な権力を持てば、老害の完成です。

私も、若手社員の頃、様々な老害を目にしてきましたが、今や、若者から「老害」と言われかねない中高年。

今日は、老害とならないための大切な習慣に関して説明したいと思います。

私の新入社員の頃、ビジネスの世界に電子メールが登場した時期でした。

会食のお礼をメールで出そうとしたら、口うるさい先輩社員に、電話で直接話してお礼を伝えるのが最低限の礼儀で、

自筆でしたためたお礼状を書くのが一番正しいと諭されました。

何回かかけても相手が出なかったりすると結構面倒で、煩わしいと思いましたが、それが常識と言われたので電話でお礼を述べることを習慣としました。

今、ビジネス界で電話は絶滅危惧種です。

電話は集中して仕事に取り組んでいる相手の事情を無視してベルが鳴ります。

ビジネスマナーを欠いたコミュニケーション手段だと考える人までいます。

現在、若いビジネスパーソンの間では、LINEやフェイスブックメッセンジャーによるDMでの連絡が当たりまえ。メールでさえも古臭いツールになっています。

この30年間で、電話からチャットへと、コミュニケーション手段は激変です。

でも、この変化に多くの中高年は対応していません。

そして、価値観にも激変が見られます。

30年前、ビジネス界を支配していた価値観は「気合と根性で結果は変わる」でした。

深夜残業と休日出勤を厭わないビジネスパーソンが気合と根性で大きな成果を上げていました。

営業現場では、突然のコールドコールと飛び込み営業は当たりません。

「量は質を凌駕する」というスローガンのもと、断られても断られても電話と訪問を続けることが成功の王道と教わりました。

ターゲット顧客を”夜討ち朝駆け”で口説き落とした武勇伝が賞賛されました。

今、同じことをやったら完全ブラック企業です。

スマホネイティブでコスパを重視するZ世代の若者に、大量飛び込みを指示したらすかさず転職活動を始めることでしょう。

デジタルを使ってもっと効率よくマーケティングするのが現代の常識です。

若者の価値観変化に鈍感な中高年は、様々な場面で軋轢を生み、時に事件となります。

象徴的な出来事がセクハラとパワハラです。

30年前にはセクハラという概念はありませんでした。女性社員にお茶を入れてもらうのも宴会でお酌させるのも世間の常識でした。

若者に無茶振りするのは愛のムチ。世間的に合意された人材育成の手法でした。

30年かけて、白からグレーとなり、今、セクハラとパワハラは世間的に黒へと変化しました。

ビジネスパーソンとして第一線で活躍し続けるためには、テクノロジーや価値観の変化に常に気を配り続ける必要があります。

家庭においても若者と中高年の親との軋轢が見られます。

「最近の子供はゲームして、YouTubeばかり見て、、、もっと本を読まなければだめだ」と嘆く親がいます。

果たしてそれは正しいのでしょうか?

AIやロボットが人間の仕事を代替わりし、今後ますます余暇が増えていくことが予想されています。増えすぎた余暇をどのように過ごすのか?これは未来においてはとても重要な社会課題です。ゲーム産業はこの社会課題を解く重要な位置づけにあります。

子供時代に自分がゲームにはまって、その楽しさや中毒性を知っているからこそ、彼らが大人になった時に、社会に有用な良いゲームが作れるのです。

私の息子も中学生でよくゲームをしているのですが、その姿を観察していると、学校のクラスの友人たちとスマホで繋がって会話をしながらチームワークで戦っています。

彼らにとってゲームは友達と一緒に楽しめる楽しい遊びなのです。

私たちが子供時代、公園に集まって缶蹴りやドロケイをやって楽しんでいた、その代わりがオンラインゲームに変わったわけです。

環境が変わって学校帰りに空き地に集まって遊べなくなった現代の子供たちはオンラインで集まって楽しくワイワイ遊びます。

本を読まなくなったのも、子供の知的好奇心が足りないわけではなく、単なる環境適応です。

先日の東京オリンピックのスケートボードのメダリストとなった若者は、特定のコーチにつくことなく、全ての技術をYouTubeで習得しました。

最近の若者は、本ではなくYouTube等の動画から学ぶのです。

私たちの時代は本しか無かったから、本を読み、本から学びました。

現代は、本よりも情報量も表現力も豊富な動画があるのです。

効率とインパクトの両面で、彼らがYouTubeを通して、さまざまな情報を入手して学ぶのは正しい環境適応です。

パワフルで効率的な学習ツールがあるのに、本を読め!と強要するのは、これも一つの老害です。

職場でも家庭でも見られる中高年の老害化。

どうやったら防げるのでしょうか?

答えは学習棄却、アンラーニングです。

学習棄却と言っても、一度、覚えた知識やスキルを捨てるのではありません。

捨てるべきは、「電話が礼儀」、「ゲームは悪」、「本を読むべし」といった古い思考・行動パターンです。

では、どうやって、自分の古い思考・行動パターンに気づくのか?

まずは、前提として、自分の思考・行動パターンは常に陳腐化すると認めることです。

世間や若者の言動に違和感を感じたら、間違っているのは相手ではなくて自分であると思う。

人は、過去の成功パターンに安住して楽に生きようとします。

でも、世界は諸行無常。

若者は、最新の世間に適応しています。

遅れているのは必ず自分の方なのです。

世間や若者の言動に違和感を感じたら、よく観察し、その背景をじっくりと考察する。

言動の背景には価値観があり、価値観の背景には必ず体験があります。

若者はなんでスマホが手放せず、SNSにたくさんの時間を使うのか?

思春期に初めて手にした携帯がスマホで、すでにそこにSNSがあったのです。

友達と常時繋がれるスマホは若者の身体の一部。

物理世界のリアルワールドよりも、友人がたくさんいるスマホの向こう側のデジタルワールドの方が断然重要です。

リアルワールドで目の前にいる親よりもスマホの方に集中します。

彼らは、スマホで学び、スマホで遊び、スマホで全世界とつながります。

スマホを取り上げられたら、、、世界から抹消され、人生の可能性が消えるのです。

子供のこの事情が理解できたら、もっとコミュニケーションは円滑になります。

なぜ、最近の若者はガツガツと競いあって上を目指さないのか?

生まれてから、一度も経済が上向いた経験をしたことが無いのです。

頑張れば、今日よりも豊かな未来が待っていると言われても信じられません。

勤勉に働いて、リストラされて経済的に困窮する親世代を見てきました。

そして、学校ではゆとり教育。

ナンバーワンよりもオンリーワンを目指しなさいと言われ続けました。

自分らしさは追求しますが、人と競争する事には価値を見出せないのです。

違和感を感じたら、彼らが経てきた体験に思いを馳せてください。

女性活躍推進やダイバーシティーの問題も、マイノリティーの人々が経てきた体験や苦しみに共感すれば、自ずと自分の言動が変わってきます。

好奇心を持って世界を観察しましょう。

他人の言動に、違和感を感じたら、彼らが経てきた体験を探りましょう。

調べるにつれて、違和感は納得感に変わっていきます。

自分の方が間違っている。だから違和感を感じたら常に、アンラーン。

周囲に分かり合えない人は皆無となり、末長く活躍できますよ。


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この記事を書いた人この記事を書いた人

吉村慎吾

公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。

現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。

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