未来に備えてオフィスを捨てよう!
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未来に備えてオフィスを捨てよう!

最近、コロナ感染症の流行が落ち着いて来たところで働き方をコロナ前に戻す動きがあります。

せっかく慣れてきたテレワークをオフィスワークに戻すのはとてももったいないことです。

テレワークで仕事を進めるためには業務プロセスから紙が排除されてデジタル化される必要があります。

仕事の承認も経費精算も全てオンライン上で完結しなければなりません。

テレワークは会社の業務プロセスのデジタル化を促進して日本人の低い労働生産性を高め、長引くデフレから脱却する切り札になります。

さらに、各種調査で多くの労働者はテレワークを望んでいます。

そして、テレワークをスムーズにする様々なITツールの出現、通信速度の向上、やがて来るメタバースはより一層世界の働く人々をテレワークに向かわせるでしょう。

テレワークを働き方の原則とする会社への変革は未来への準備に他ならないのです。

コロナ禍前、デジタルノマドというワークスタイルが脚光を浴びました。エンジニアやデザイナーといった特別なデジタルスキルを持った人々が定住せずに旅をしながら働く最先端のライフスタイルです。

この一部の特別なスキルを持った人々にだけ許されていた特権的な働き方が、テレワークを原則とする働き方を提示する会社の出現で特別なスキルを持たない普通の人でも享受できるようになったのです。

優秀な若者は管理や束縛を嫌い、自由を求めます。

優秀な若者を惹きつけたいならばテレワークを主体とする会社への変革は必須です。

これほど材料が揃っているのに、それでもなおオフィスワークに固執する経営者の意図は何なのでしょうか?

私が多くの経営者と話していて感じるのは以下の3つの理由です。

・従業員がサボっていないか心配

・オフィスで対面しないと良いアイデアは生まれない

・オフィスに出社しないと会社への帰属意識が下がりそうで心配

まず「従業員がサボっていないか心配」という経営者に私が毎回聞くのは、

「では、毎日出社して朝から晩まで机に齧り付いている社員は本当に働いているのでしょうか?」という問いです。

毎朝、元気に「おはようございます!」とあなたに挨拶してくれているAさんやB君は本当に会社にとって生産性の高い仕事をしているのでしょうか?

元気に「おはようございます!」と挨拶して、夕方まで机に座って仕事を真面目にしているような動作をしているだけかもしれないのです。

オフィスワークでは、本人たちの動作を観察できてしまうので、その動作に騙されがちです。

一方で、テレワークで働く社員は、働きぶりが見えないため経営者や上司は仕事の成果でしか彼らを評価できません。

成果でしか評価されないというのはとてもシビアな世界です。

テレワークを主体とする会社の社員は働き方の柔軟性というメリットを得つつも、成果でしか評価されないというシビアな環境にいるのです。

実際、ワークハピネスの若者に聞くと「オフィスワーク時代は、知識が足りないから良いアウトプットなんて出るわけがないのに周囲の目があるから、パワーポイントに向かってひたすら作業をしているふりをしていました。テレワークになってからは知識が足りないと思ったらすぐに本を読んだりYouTubeを見たりしてインプットするので、とても1日の生産性が高いです」とのこと。

オフィスワークで働く人々は不効率と思いながらも周囲の目を気にして無理やり仕事をしている振りをしている可能性が高いのです。

やる気が無くて何のアウトプットも出していないのに真剣な顔をして机に座っていれば「真面目に働いているな」と経営者を安心させてしまうことができるのです。

「オフィスで対面しないと良いアイデアは生まれない」

実際、2年半のオフィス無し生活を続けてきて、どんなミーティングもどんな会議も、オンラインで充分に期待した成果や良いアイデアは出るというのが私の結論です。

付箋やホワイトボードを使ったブレインストーミングもオンラインで同様の作業ができるツールを上手に使えばほぼストレスなく同様の効果が出せます。

「オフィスに出社しないと会社への帰属意識が下がりそうで心配」

確かに何も対策を施さなかったら会社や同僚に対する愛着は下がるでしょう。

テレワークでは意識的にコミュニケーションの時間を設けないと同僚との会話は生まれません。

毎朝、チームでオンラインの朝礼を行ったり、部門を超えた雑談の時間を設けたり。

実際に、2020年4月から約2年半、100%テレワークをおこなってきた私の実感としては、オフィスワーク時代よりも密なコミュニケーションが増えた印象です。

オフィスワーク時代は、顔を見ての「おはよう!」、「お疲れ様!」の挨拶で満足してしまって一人一人のメンバーと密に対話をしていませんでした。

テレワークになってからは、最近〇〇さんと話していないなと思えばすぐに電話して「最近どう?」でしばらく話してみる。こんな実践の方がよっぽどコミュニケーションが密になります。

オフィスが無いデメリットを皆が知っていればこそ丁寧にコミュニケーションを取ろうとするので、帰属意識の問題は努力で解決できそうです。

逆に、オフィスワークに戻すことは長期的に帰属意識を低下させる危険を感じます。

オフィスワークに固執する会社は現代的に見て明らかに発想が遅れていて将来性を感じません。

人生100年時代で多くの不安を抱えている現代の若者はオフィスワークに固執する会社の古臭さに愛想を尽かして出ていってしまうでしょう。

・従業員がサボっていないか心配

・オフィスで対面しないと良いアイデアは生まれない

・オフィスに出社しないと会社への帰属意識が下がりそうで心配

テレワークをめぐる上記の心配は全て過去の体験が生み出した既成概念。

思い切ってオフィスを捨てれば、全ては杞憂であったことがわかるでしょう。

総合すれば、オフィスを無くすことはメリットだらけで、取り上げるべきデメリットは見つかりません。

会社としてオフィスを無くした最大のメリットは以下の二つです。

・デジタル化が進んで仕事のスピードが速くなる

・多様性のある優秀な人材と一緒に働ける

「デジタル化が進んで仕事のスピードが速くなる」

テレワークで仕事を進めるためには、メンバー個々人のスケジュールから始まって、仕事で使う全ての資料がデジタル化されている必要があります。

ちょっとした依頼や相談も、相手がオフィスで目の前に座っているわけではありませんから、ビジネスチャットツールを使ってテキストでお願いすることになります。

全てのチームの会話がチャットツールにテキストで残っていて全員が閲覧可能なので、必要な情報共有が即時に進みます。

また、チャットは非同期コミュニケーションなので、相手の集中を途切れさせることなく、こっちの都合で投げ込むことができます。

オフィス時代は「今度会ったときに相談しよう」、「今度会ったときに依頼しよう」と遅れがちだったアクションが、テレワークでは即時に行われます。

この非同期・即時のコミュニケーションの蓄積が仕事のスピードを向上させます。

「多様性のある優秀な人材と一緒に働ける」

オフィスを無くせば、北海道や沖縄に在住する多様で優秀な人材と距離感を感じることなく協働できます。

また、社外の専門家の方々をビジネスチャットツールにお招きして、タイムリーにアドバイスをもらうことができます。

実際、ワークハピネスのマーケティングやシステム開発は外部の専門家とシームレスに協働して進めています。

オフィスを捨てれば外部人材と協働する垣根が下がってスムーズに連携できます。

最後に、私はオフィスを捨てるからといって人間が対面する親近感や安心感を否定しているわけではありません

先日、20周年記念イベントで全国からメンバーが集まりました。初めて物理的に対面した社員が3名いましたがオンラインで親しく話してきた中なので何の違和感もありませんでした。

それでも一緒にお酒を飲んだらより一層親近感が高まりました。

たまに集まってメンバーと食事をしたりお酒を飲むのは大切な素晴らしい体験です。

ただ、オフィスは必要ありません。

慣れ親しんだオフィスを捨てるのは怖いことですが、それによって未来への準備が進みます。

未来を切り拓くため、勇気を持ってオフィスを捨てることをお勧めします。


WorkHappinessでは、大きく変化する時代の中での組織づくりをサポートしています。
現在、代表吉村によるマンツーマンの無料相談会「カフェワークハピネス」を実施しております。「組織風土を変えていきたいが、どこから手を付けていいかわからない」、「上層部の意識変革を行うにはどうすればいいのか」などお悩みなんでも受け付けております。お気軽に申し込みください。

この記事を書いた人この記事を書いた人

吉村慎吾

公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。

現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。

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