経営理念を発見する旅
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経営理念を発見する旅

働く意義を見失ってしまった

2000年、私が31歳の時にエスプール(東証2471)を創業し、2006年に上場を経験しました。

ですが、心の中にぽっかり穴が開いたように突然やる気を失いました。

上場すると言って投資家から何億円もの資金を集めたので、その責任を果たすべく6年間必死で働いてきました。

その責任を果たしてしまったとき

「何のために働いてるんだろう?」

「何のために生きているんだろう?」

という、とっても根本的な疑問が湧き上がってきたのです。

源泉を見つけたとき

考えても考えても答えが出ません。もやもやして全くやる気が出ません。

ある日突然、自分の通った小学校に行きたくなりました。1日中、小学校の周りをうろちょろしてよく遊んだ公園に行ったり、駄菓子屋で駄菓子を買ったり。

親の都合で何度か転校をしていたので、毎朝起きると違う小学校へと車を走らせ、1日中その辺りをうろちょろ歩いて子供の頃の記憶を辿っていました。

小学校をめぐる旅が終わったら、次に自分の通った中学校へ出かけていきました。また同じように記憶を呼び覚ましながらうろちょろ歩いて回る日々。仲の良かった友達の家を訪ねて回り、酒を飲んで昔話もしました。

ひとしきり記憶を辿る旅をして、当時学校をサボってよく訪れていた河原の土手に座っていた時、ふと自分がやりたいことが見えてきました。

毎日が文化祭の様に過ごしたい。

幼少期を通して一番楽しかった思い出は文化祭でした。

極め付けは文化祭の前夜。

雑多なクラスメイトたち全員が参加して演劇やイベントをワイワイ騒ぎながら作り上げていく。色々ハプニングも起きるけどそれもみんなの知恵と汗で乗り越える。

多様な仲間とワイワイガヤガヤ騒ぎながら何かを作り上げるのが自分の最も幸福な時間だと確信したのです。

起業してからも、みんなとワイワイガヤガヤ知恵と汗を出しながら事業を作り上げていく、その過程が好きでした。

この先の人生も、手を変え品を変えてこのワイワイガヤガヤをやり続ければよいのだ。

そう腹に落ちると、内側からメラメラとやる気が湧いてきたのです。

この時の想いがやがて、ワークハピネスというコンセプトにまとめられて、ワークハピネスという会社へと発展していくのですが、それにはさらに数年を要します。

なぜならこの時、私はまだ経営理念を言語化して仲間と共有することの価値を知りませんでした。

気づきを得た強烈な体験

2004年、会社として100年の伝統を誇る老舗ホテルの事業再生に取り組みました。

私が社長をやりホテルの主要部門のトップに信頼できるメンバーを配置しました。

幸運にも1年後、この老舗ホテルの業績は見事にV字回復を遂げました。

エスプール社の上場が目前とあり、同時に2つの会社の社長を兼務するわけにいかないので、私は円満にこの老舗ホテルの社長を退任することとなりました。

ホテルの従業員たちが盛大な退任パーティーを開いてくれて最後にベテランの女性社員が大きな花束を渡してくれました。

「社長にはほんとにたくさんのことを教わりました。その中でも一番大切な教えは『働くって楽しい!』ということです」

そう語ってポロポロと涙を流すのです。

とても強烈な体験でした。

34歳の私を筆頭とした若輩者チームが平均年齢50歳に近い老舗ホテルのベテラン従業員たちの幸福を増やしていたのです。

大人になったら人生の多くの時間を働いて過ごします。その時間が苦痛ならば人生は苦痛。その時間が楽しいならば、それは人生の幸福に違いありません。

知恵と汗を絞って利益を増やしたと思っていましたが、私たちはその働く背中で人々の幸福を増やしていたのです。

楽しければ続けられます。楽しければ笑顔が出ます。継続的な努力と笑顔がお客様を惹きつけ、業績を向上させます。

私たちのチームに明文化された経営理念はありませんでしたが、無意識の選択が「働くって楽しい!」を体現していたのです。

カルチャーが変わっていく

ホテル再生に取り組んだ日々は本当に毎日が文化祭前夜です。

チームで必死に知恵と汗を絞ってお客様の笑顔を増やすための業務改善やサービス開発を行う。

私の最も大好きな時間。毎日が楽しくて楽しくて仕方ありませんでした。

集客のために私は毎朝地下鉄の出口に立ってイベント告知のティッシュペーパー配りを続けていました。

生活の糧を得るためにティッシュ配りをしていたらそれは苦役です。

でも、ホテルにたくさんのお客様が来て館内に笑顔が溢れている姿を想像するとティッシュ配りが楽しくなるのです。文化祭の集客と同じです。

最初の頃は要領が悪くて中々ティシュを受け取ってもらえないのですが、やがてスキルアップが始まります。地下鉄の階段を登ってくる先頭の人がポイントです。

先頭の人がティシュを受け取ると雪崩を打ったように次々と人々がティシュを受け取ってくれるのです。

階段を上がってくる人は目線を階段に下ろして足を運びます。

そして地上に出る時、目線が上がります。その時、満面の笑みの私と目が合います。同時に「おはようございます!」と声をかけてティシュを差し出すと条件反射のようにすっとティシュを受け取るのです。

私が見出した学び。それは、人は「虚をつかれる」と受け取る。

単純に見える仕事の中にも日々の発見や成長のタイミングがあります。

仕事にワクワクする意味を見出し、新たな発見を続け、成長を実感すればどんな仕事でも楽しくなってしまいます。

リーダーのそんな背中はメンバーに伝播し、そのメンバーの背中がホテルの従業員たちにまた伝播していく。

そうやってカルチャーは変わっていくのです。

でも、この「仕事を楽しむ」と言う素晴らしい経営理念も文章として明示していないと簡単に壊れてしまいます。

経営理念を言語化し、明文化していく

従業員の生活を守るためにいかにして利益を上げるか、経営者は常に悩んでいます。

経営が危機的になると余裕を失って従業員にちゃんとした説明を行わずにただ苦役な作業を無理強いしたりします。

目の前の仕事の真の意味を知らずに辛い作業を続けたら仕事は苦痛になります。経営者の専横は従業員の心理的安全性を破壊し、組織から挑戦や協力を奪います。

従業員のモチベーションは下がり、継続的な改善も笑顔も消え、人も顧客も離れていきます。

順風満帆な時には経営理念はいらないかもしれません。

でも、常に順風満帆な経営はないから明文化された経営理念が必要なのです。

経営者は生身の人間。

生身の人間には欲もあれば恐れもあります。

良い時は善人でいられても苦境に陥れば悪人になってしまうのは仕方ないこと。

そんな弱い経営者に一本の強い芯を与えてくれるのが明文化された経営理念です。

「仕事を楽しむ」という理念をしっかりと文章として掲げて経営者が従業員に約束すれば、生身の人間でブレやすい経営者に一貫性が生まれます。一貫性は信頼を生み出します。

経営者の一貫性を感じれば職場に心理的安全性がもたらされ、心理的安全性は従業員の挑戦や協力を引き出します。現場での継続的な改善や笑顔は顧客を惹きつけ、業績を向上させます。

経営理念をしっかりと言語化して掲げることは、経営者をはじめとした多くの人々の幸福を増やすと同時に利益も増やすのです。

経営理念は経営者や経営メンバーの身体に刻まれています。

「三つ子の魂百まで」と言いますが、私たちの善悪、醜美、快、不快といった価値観は全て幼少期の体験を通じて確立されているのです。

経営理念を発見したかったら幼少期の記憶を辿る旅に出るのが最短ルートです。

ワークハピネスでは、皆さんの身体に刻まれている経営理念を身体を使ったワークショップを通じて言語化するお手伝いをしています。

経営理念を言語化するワークショップについて 詳しくはこちら>>

この記事を書いた人この記事を書いた人

吉村慎吾

公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。

現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。

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