女性が勇気を持って飛び込むことからダイバーシティは始まる カルビー執行役員 藤原かおりさん
対談インタビュー

女性が勇気を持って飛び込むことからダイバーシティは始まる カルビー執行役員 藤原かおりさん

カルビー株式会社 執行役員 フルグラ事業本部長 藤原かおり

1974年埼玉県生まれ。1997年慶應義塾大学法学部を卒業後、旭硝子株式会社に入社。2001年株式会社マッキャンエリクソンに入社。2007年ダノンウォーターズオブジャパン株式会社に入社。2011年 カルビーに入社、現在に至る

今回のリーダーズインタビューは、「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2016」ベストマーケッター賞を受賞されたカルビー株式会社 マーケティング本部フルグラ事業部事業部長 藤原かおりさんです!2013年からスタートしたダイバーシティリーダーシッププログラム第1期卒業生でもある藤原さんが現在に至るまで考えられたこと、そしてこれからの想いについて語っていただきました!


インタビュアー:ウーマン・オブ・ザ・イヤー2016年『ベストマーケッター賞』受賞本当におめでとうございます!

藤原:純粋に大変栄誉ある賞をもらってうれしいです。と同時に大変身が引き締まっております。受賞を経て改めて決意したことを一言で表すと「自分の目で精査して、確かなものを世の中に出していきたい!」ということです。

インタビュアー:受賞後、ご自身の中で起こった変化はありましたか?

藤原:「将来はどうしていきたいのか?」ということに改めて向き合ったことでした。

将来、会社をどうしていきたいのか?
事業をどうしていきたいのか?
ブランドをどうしていきたいのか?
ストレングス・ファインダーで私は“未来志向”なので、未来のことは考えてきたつもりでいました。

しかし、実は、“自分の将来”についてあまり考えたことがなかったのでは…ということに気づきました。受賞をきっかけに、具体的な将来を考えるようになりました。

インタビュアー:藤原さんの考えるご自身の未来がとても気になりますが、まず藤原さんの過去から現在に至るまでのお話を聞かせてください。女性管理職としてプレッシャーを感じたりすることはなかったのでしょうか?

藤原:私が中途入社した7年前から、会長の松本は、男女関係なく、それぞれの個性を活かすことの大切さ、つまり、ダイバーシティの重要性を常に発信していました。そのような背景もあり、女性管理職が特別でもなく、女性が管理職になるということに対し、あまり違和感はありませんでした。私はたまたま環境に恵まれてきました。もしくは、そういう環境を自ら選択してきた気もします。
女性活躍推進で悩まれている企業が多いとよく聞きます。社員の方からお話を聞いて感じるのは、まずトップがそれを本気で「推進するぞ!」と言って進めないと始まりもしないのではないかということです。その意味では、企業に目標数値を設定し“女性管理職比率を高める”という安倍首相の施策に関しては、私は個人的に賛成です。

管理職になると、決裁範囲が広がることで、やりたいことを具体的に実現できる可能性が見えてきます。私も管理職になってみて、これからできることの可能性が広がったことを実感しています。多くの方々にこの感覚を感じてほしいと思っています。

インタビュアー:ご自身でいろいろな選択をされてきた強さを藤原さんから感じます。藤原さんはもともとそういうお考えだったのですか?

藤原:いえ、実は・・今の事業の部長ポジションを打診される前までは、人の上に立ちたくない!専門性を極めたいと思っていました。ちょうど3年前のことです。

管理職になる自信がない、自分にできることがないと思っていました。そんな時に、実はワークハピネスさんの“ダイバーシティリーダーシップトレーニング”をある方に勧められて参加したんです。そこに集った講師の方、メンバーに後押しされて飛び込むことができました。

カルビーは降格人事も当たり前にある会社です。だから、みんな自分に任されたことに向き合って真剣に取り組む。互いの足の引っ張り合いなどは皆無です。それぞれの事業の成長に向けて、協力的で切磋琢磨する環境があります。この会社の風土も私を後押ししてくれた気がします。

実際に管理職になってみて、責任の重さ、プレッシャーは想像どおりに感じましたが、見えてくる景色が想像以上に良い眺めに変わりました。そうしたら、本当に仕事が楽しくなってしまいました。なってみて思うことは、やってみないとわからないことだらけだ、ということです。やってみる前からあれやこれや考えても、あまり意味がなかったです。

インタビュアー:本質的なダイバーシティが育んだ御社の風土が藤原さんを後押しされたんですね。実際にその風土における女性活躍の現状はいかがですか?

藤原:2015年4月のタイミングで、女性管理職比率は19.8%です。それでも2020年までに30%の女性管理職比率になる目標にはまだまだ至っていません。しかし、多くの女性が管理職について、ロールモデルができることで、女性たちが管理職になる抵抗感が低くなったのは事実です。また、女性社員の出産後の離職はほぼありません。

今回のこちらの賞を受賞させていただけるなど、会社の取り組み自体が世の中で評価していただけるようになってきているということを改めて実感しています。

ただ、ダイバーシティの取り組み、活動は自然なこととして続けていくものだと思います。やり続けることによって、常に新たに必要な取り組みも見えてきますから。

活動はこれで終わり!ということはないですよね。今後も継続的に意識的に取り組んでいくべきだと思っています。

インタビュアー:改めてお伺いいたしますが、藤原さんが考える“ダイバーシティ”とは何ですか?

藤原:「当たり前に世の中に存在するもの」この一言につきます。私たちが生きていくうえで、必要不可欠なものであり、それがあるからこそ私たちが存在している。社会はダイバーシティで構成されていることをみんな知っているのに、なぜ企業においてはそれがうまく進まないのか?個人的にはとても不思議です。

今の時代、高度経済成長期、その企業も右肩上がりの成長に向けた戦略が見えていた時代とは違います。そしてこれからの時代、未来は自分たちで創造していく時代だと思います。
なんとなく皆さんも感じてらっしゃるかもしれない今の“アンバランス”な状態をバランスさせる必要があると思います。そうでなければ、多種多様な人たちのクリエイティビティが発揮されない、新たな創造が起こるわけがないと思います。

マネジメントで大切なことは、メンバーの想いと会社から期待することの接点を見つけること

インタビュアー:“アンバランス”な状態をバランスさせる。とても響きました。そのために藤原さんがマネジャーとして意識されていることは?

藤原:シンプルなことなのですが、「人それぞれに違う!」ということを常に心がけています。私の職場には、様々なワークスタイル、個性、バックグラウンドのメンバーが働いています。

その中で特に大切にしていることは、まず、”メンバーそれぞれが将来何をしたいのか?”

その人にとって一度きりの人生。その人生において今、その人にとって何が大切なのか?これを考えることは絶対に外せないものだと思います。
そして、それを聞いたうえで、“今、彼・彼女にどのような仕事をしてもらうのがよいのか、何年この部署で働いてもらうのがよいのか?”を考え抜く、つまり、本人の想いと会社から期待することの接点を見つけること、バランスさせていくことがマネジメントで最も大切なことだと思っています。

そうすることが、結果的にチームの能力を最大限に引き出すことに繋がり、成果を生み出すことに繋がるということを私自身、身を持って実感できています。

インタビュアー:藤原さんの今までのお話から、御社の風土のすばらしさがビシビシと伝わってきています。藤原さんからみて御社の風土を作り出している価値観は何だと思いますか?

藤原:先程もお伝えしましたが、男女を分ける文化はそもそもありません。カルビーグループの企業理念は「自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して、人々の健やかなくらしに貢献します」です。

この理念にもあるように、人の健やかな暮らしに貢献する食品メーカーですので、最も大切なことは「安全・安心」です。

お客様にご提供する商品が安全・安心であることはもちろんですが、次に大切なのは従業員の安全・安心なのです。カルビーグループ行動規範にもありますが、第一に「お客様本意の徹底」、第二に「従業員の尊重」であり、これが社内にしっかりと浸透しています。

安全・安心が満たされているから、目一杯自分の可能性を発揮できる、果敢に様々なことに挑戦できる。さらに、誰かのチャレンジに惜しまず協力し合える。そして、何かを成し遂げられた時でも皆さんおっしゃるのは「ご協力いただいた方々のおかげです。」と言える謙虚さがある。それがカルビーの組織風土だと思います。

会長がダイバーシティに命を注いでいる理由は、それにより創り上げられたこの風土が永続的に続くことで、必ずそれが売上、利益に結びつくことが見えているからであり、持続的に社会に貢献するために当たり前のことだと確信を持っているからだと思います。

まずは女性が勇気を持って飛び込むこと。これが本質的なダイバーシティの始まり

インタビュアー:“安全・安心”が満たされていない企業が世の中で多くあり、その環境にいらっしゃる皆様が非常に悩まれているのも事実です。ダイバーシティを本質的に進める上で、何が大切だと思いますか?

藤原:正直に申し上げて、トップが本気になっていない企業は、本当に大変だと思います。「女性管理職比率何%を目指して頑張れ〜!」でも、周りを見回すと本当の意味でそれをサポートしてくれる人が誰もいない・・・。そういう状況の方には、正直その中でもがんばれ!と私は言えない・・。ごめんなさい。

でも、少しでも今の環境に可能性があり、それに対して自分たちが何かをしていきたいと思う方がいるのであれば、その方に伝えたいのは「勇気と武器」を持っていただきたいということです。今悩まれる状況におかれることが多いであろう女性の皆様に特にそれをお伝えしたいです。

女性は真面目で、勇気と武器さえ持てば才能を発揮できる人がたくさんいると思います。まずは女性の皆さんが、「今の状況を活かして管理職になっちゃえ!」と、勇気を持って飛び込んでいただきたいです。実際にやってみた時に身につけなければならない武器が自然と沢山見えてきます。

先程もお伝えしましたが、「自分には能力がないから、管理職になれない」と思い込むのはもったいないかもしれません。やってみなきゃ、何が足りないかはわからないんです。私がそうでしたし、それが普通だと思います。

私もワークハピネスさんの研修で自分に向き合い続けました。自分にとことん向き合う。おすすめです。

女性の皆さんが勇気を持って飛び込みはじめること、これがまず本質的なダイバーシティを進めていく始まりだと思います。

インタビュアー:女性が勇気を持って飛び込んでいくことから本質的なダイバーシティがはじまる。“勇気”をもらえる言葉をありがとうございます。では、これからマネジャーとして、またリーダーとして藤原さんはどんなことをされていきたいですか?

藤原:この1年間、早稲田大学のビジネススクールのネクストリーダーシップ講座に通っています。そもそもマネジャーとは?リーダーとは?という基本的なところからいろいろ考える機会をもらっています。そこで、改めて思ったのですが、まだまだ自分を知らなければならないと思ったことです。

マネジメントにもリーダーシップにも、いろんなスタイルがあって、人の真似をしようとしても難しい。
 何が自分らしいリーダーシップなのか?
 何が自分らしいマネジメントか?
を探求し続けることが大事なのではないかと思っています。

 会社が自分に何を求めているのか?
 自分が本当にしたいことは何なのか?
 何をすることで社会、会社に貢献していきたいのか?
 そもそも、大切にしていきたい信念は何なのか?


そんなことを考え抜いてマネジメントスタイルをつくっていきたいと私自身は強く思っています。

インタビュアー:藤原さんの信念とは何ですか?

藤原:個人的な信念とは、ちょっと違いますが、今は、フルグラをもっともっと世の中に広めていきたいと思っています。

朝は忙しくて、どなたにとっても、とても大変ですよね。そのため、朝食を抜いてしまったり、あまり栄養価の高くないもので済ませたり、朝食には、まだまだ沢山の課題があります。時短で、ヘルシーで、おいしい朝食をとることで、“軽やかに“一日を乗り切っていただけるようになってほしい。

この価値を世の中に広く届けていきたいと強く思います。そして、日本のみならず!世界中の人々にフルグラを通じて美味しさと健康を広めていきたいと思っています。

インタビュアー:さすが!ベストマーケッター賞の藤原さん、ブランドに対する愛情と藤原さんの信念が伝わってきました。ところで、藤原さんがマーケティングという仕事を選び続けている理由は何ですか?

藤原:世の中と自分に結びついている感覚をもてる仕事であり、社会に対してもインパクトを出せるし、そのリアクションが返ってくる仕事。「社会とキャッチボールしている感覚」が本当に楽しいんですよね。

また溢れる情報社会の中、その情報に色んな意味で振り回されますよね。その中で、このブランドにとって一番大切なことは何か?一番良いことが何か?
自分の感覚やブレない軸を確認し、正しく判断していくことも楽しいです。

何よりも、私自身が認識した自分自身の強みを活かせている実感もあります。ストレングスファイダーでいうと「未来志向、目標志向、戦略性」。世の中が求めていることを先読みしながら先手を打っていく。未来を描いていっている感覚を楽しんでいると思っています。

「えーー!そっちじゃなかった!!ごめんなさーい!って、失敗する時ももちろん沢山あるんですけどね。

自分の「エネルギーロスをなくす」それだけで仕事が楽しめるようになった

インタビュアー:本当にマーケティングというお仕事を楽しまれていらっしゃるのが伝わってきます! 仕事を楽しむために藤原さんが意識されていることはありますか?

藤原:「嫌なことはすぐ忘れる。終わったことでくよくよしない!」
「ブランドのことを考えて、お客様のことを考えて、自分を信じてただただ考え尽くす」

例えば、売上が思った通りに伸びないときがあると確かに悩みますが、落ちているばかりでは何も生まれない。なぜ目論み通りに行かなかったか振り返り、次はこんなことしてみようと常に前を向いています。

自分の「エネルギーロスをなくす」(これもワークハピネスさんの研修で得た言葉ですが)見切らなければいけないことは早めに決断して見切る。見切ることができるように常に自分の軸を確認しておくこと。これを意識し始めてから本当に仕事を楽しめるようになりました。

最近、私のメンバーから、
「すべての関係者のことを考え尽くし、最終的にその先にあるお客様からフォーカスが絶対にぶれない。」
「(藤原さんがいると)夢を見られる、未来が見えてきて楽しい。」
という言葉をもらいました。

私にとって最高の褒め言葉です。

インタビュアー:藤原さんと同じように次代を担うリーダーたちへメッセージをお願いします!

藤原:先程もお伝えしましたが、正直言って「将来自分は何がしたいのか?」まだまだ見えていないですし、それは当たり前で、これからも探求し続けていくことだと思っています。

でも1つ明確にわかったことは、まずは目の前のことに「やってみよう!」と飛び込み続けていくことが大切だということです。

やってみて、はじめてそれが自分にとって楽しいことなのか?楽しくないことなのか?達成感を感じられることなのか?感じられないことなのか?がわかってくる。この積み重ねで自分のやりたいことが見えてくると思います。

その場その場を楽しみながらも自分の軸を確認していく。ご自身の中にある「しなやかな強さ」を感じながら自分らしさ、自分がしたいことを一緒に探求し続けていきましょう!私自身も自分がまだまだですので、みなさんと共に探求し続けていきたいです。

インタビュアー:そして、ワークハピネスに対する期待をお伺いできますか?

藤原:私がワークハピネスさんのダイバーシティリーダーシップトレーニングで感じた体験を是非多くの方々にしていただきたいと思っています。

もっと軽やかにしなやかに!自分らしく!
今の自分の人生に、仕事にしっかりと向き合うことができるようになるセミナーは本当に唯一なのではないかと思います。

先程もお伝えしましたが、トレーニング受講前の私がそうだったように「勇気を持ちたい!武器を手に入れたい!」と思う方がいらしたら、是非とも是非とも、飛び込んでみていただきたい!と思います。

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株式会社ワークハピネスは人材育成研修・組織開発コンサルティングを通して
人と企業の「変わりたい」を支援し、変化に強い企業文化をつくる支援をしています。 
新入社員〜管理職・役員研修のほか、全社向けチームビルディングまで
貴社の職場課題に合わせたカスタマイズ対応が可能です。

ウェブサイトにはこれまでに弊社が支援させていただいた研修および
組織コンサルティングの事例を掲載しております。ぜひご参考ください。

この記事を書いた人この記事を書いた人

ワークハピネス

株式会社ワークハピネス

「世界中の組織をワークハピネスあふれるチームに変える」をミッションに、人材開発、組織開発、事業創造支援を主に行うコンサルティングファーム。人の意識を変え、行動を変え、組織を変えることに強みを持つ。

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