「心理的安全性」から「身体的安全性」へ:パフォーマンスが発揮できない人や組織の“仕事の取り組み方”を変える
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「心理的安全性」から「身体的安全性」へ:パフォーマンスが発揮できない人や組織の“仕事の取り組み方”を変える

昨今、人事領域では「心理的安全性」の重要性が問われ始めています。心理的安全性とは「チームで自分の素直な想いを自由に発言できる状態」のことですが、一昔前は強いリーダーが恐怖を乗り越えるために、メンバーに手本を見せることが求められていました。しかし、これからはリーダーやメンバーがチームを安心安全な状況にどのように導いていくかが求められています。

「人は安心安全を求める生き物」であるということは紛れも無い人が持つ原則なのですが、実はその「心理的安全性」のみにフォーカスすることでは不十分なのです。本稿では「心理的な安心安全」を満たし、「身体的安全性」を高めることの重要性について解説していきたいと思います。

1.心理的安全性とは?

「心理的安全性」とは、英語のサイコロジカル・セーフティー(Psychological Safety)を和訳した心理学用語で、「チームのメンバー一人ひとりが、そのチームに対して気兼ねなく発言できる本来の自分を安心してさらけ出せる場の状態や雰囲気」のことを意味しています。

米グーグルが2012年から取り組んできた労働改革プロジェクトの結果が16年に公表され、この「心理的安全性」をチーム内に担保できるか否かが、生産性向上のカギと報告されたことから、にわかに注目を集め始めました。

参考HP:心理的安全性とは?(日本の人事部より)

【ヒトの原理原則~安心安全~】

ヒトの原理原則として「人は安心安全を求める生き物」であり、この状態が担保されていないと「変化」や「挑戦」できません。ヒトは安全な結果に対する行動や環境を記憶し、パターン化し、生き残りのための確率をあげてきました。これはヒトが生き残るために身につけてきた「生存本能」です。

2.身体が満たされないと、心理的安全性は生まれない

心理的安全性」と「身体」との関係について、脳という観点から考えてみたいと思います。

人の脳は中心から「脳幹」「大脳辺縁系」「大脳新皮質」と大きく3層に分かれています。それぞれの主な役割として、

「脳幹」は基本的な生命維持(心拍、呼吸、体温、血圧など)などの身体の状態を調整する働き

「大脳辺縁系」は快・不快に結びついた本能的情動や感情に関与

「大脳新皮質」は言語機能や想像的思考、論理的思考の理性を司る

「マクリーンの脳三位一体説」では、エネルギーは3つの層の中でも、中心にある「脳幹」から優先的に使われていると言われています。

◆「脳の3層構造」

  • 理性=大脳新皮質
  • 感情=大脳辺縁系
  • 身体=脳幹

要するに、身体の状態が安心安全(=身体的安全性)で無いと感情や理性にエネルギーを使えないのです。

身体的安全性とは、「身体に余計な負荷がかかっていない、安定した状態」と言えます。

木に例えると脳幹「幹」大脳辺縁系「枝」大脳新皮質「葉」に例えられるかもしれません。木の幹(身体)がしっかりしていないと枝(感情)も、葉(理性)もスムーズに成長できないのです。

心理的安全性(感情)を満たす前提として、まずは身体の安全性身体に余計な負荷がかかっていない、安定した状態を確保しなければいけません。

身体的安全性が担保されていないと、「なんかモヤモヤする」「怒りの感情が湧きやすい」などの状態に陥りやすくなります。身体が疲れている時、感情を安定させ、思考のパフォーマンスを上げることが難しいのは、皆さんも、少なからず経験したことがあるのではないでしょうか。

3.身体的安全性を高めよう!

身体的安全性を高めるにはどうすれば良いでしょうか?

簡単な例としては、身体を休める、睡眠をよくとるなどありますが、もっと深いレベルでの「身体的安全性」を高めるには、「自分の自然な身体の状態に戻すこと」が重要です。

せわしなく進むビジネス環境で、思考はよりスピードを求められ、感情は焦りや恐怖を多く感じることが増えています。そのため、身体は「呼吸が浅くなる」「筋肉が緊張する」ことが常態化してしまうことがあります。

この「呼吸」や「筋肉」を自然な状態に戻すことで、本来の自分らしいパフォーマンスを発揮することができるようになるのです。

本当の意味でのスキルの定着や、根本的なマインドの変容には、身体へのアプローチが不可欠で、ワークハピネスでは、「身体にアプローチして個人のパフォーマンスをより高める」ことに新しく取り組んでおり、そのプログラムを提供させていただいています。ご関心がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人この記事を書いた人

鈴木泰平

千葉県鎌ケ谷市出身。東京理科大学・生物工学科に入学。分子生物学やタンパク質工学、エピジェネティックスなど生命科学を幅広く学ぶ。「研究者になりたい」という志を持って入学したが、研究室の雰囲気の悪さから研究へのモチベーションが無くなる。また同大学アメフト部での活動の中、チームの雰囲気の良さによって個人のパフォーマンスやチームのモメンタム(流れや勢い)が大きく変わることを体感。
「人は場の雰囲気や風土に大きく影響される」ということを強く実感し、組織開発に興味を持つ。その後ワークハピネスに参画。自身のテーマは「生命の原理原則に基づいた人材育成」「場に命を与える組織開発」であり、実践のために日々探求している。現在、心(マインド)、頭(スキル)、体(フィジカル)を総合的に育成する新規プロジェクト「心技体開発」を立ち上げ、活動中。

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