対談インタビュー

2020.02.04

【WORK HAPPINESSお悩み相談室】人と組織の課題をコンサルティング!第2回「営業パーソンの高齢化で若手営業の育成が課題」

組織で働いていると、「会社でいま何が起きているの?」「なぜこんな問題が発生しているの?」「こんな時どうすればいいの?」など、悩みや疑問を持つときがあるのではないでしょうか。そんな悩みや疑問を解決するためのヒントになるのがこの 「WORK HAPPINESS お悩み相談室」です。
「WORK HAPPINESS お悩み相談室」では実際のクライアント様のお悩みに、弊社人材開発&組織開発のスペシャリストである吉村慎吾によるご相談をさせていただきます。ブログでは皆さんの様々な人や組織に関するお悩みにお答えしていきたいと思います。

◆相談テーマ「営業パーソンの高齢化で若手営業の育成が課題」


■業界:建設会社
■従業員数:約1,000人
■相談者:人事部長


■吉村:今、御社ではどのようなお悩みがありますか?

●相談者:今は建設業界は追い風ですが、東京オリンピック後に、受注を確保するのが難しくなる可能性がある中、 仕事をどうやって確保していくか、不安なところがあります。その中で営業パーソンが高齢化しており、 若い施主さんとも話が合わなくなっているのが現状です。このままいくと、営業が細っていくのを心配しています。

■吉村:毎年、新卒採用はされているのでしょうか?

●相談者:はい。それが採用してもすぐ辞めてしまうんです。
営業パーソンは40〜50歳台が多く、20〜30代が少ないため、古いスタイルの指導に耐えられなくなって、転職してしまうんです。

■吉村:新卒の人が入社しても、思い描いた仕事と違うと辞めてしまい、営業の技術が伝承されない可能性があると?

●相談者:このままだと営業の技術が伝承されず、会社がジリ貧になってしまうのが怖いですね。

■吉村:やはり、御社の仕事の醍醐味や喜びとかを伝えられる社員を増やさないといけないかもしれませんね。

●相談者:そうですね。かつてはあったと思います。「この工業団地は俺たちが作ったんだ」と自分たちの家族にも聞かせていた 世代もあったと思うのですが。

「新人若手社員の仕事の喜びを聞く」

■吉村:「レンガを積んでいるのではない。大聖堂の建設に参加しているんだ」と思うと、人は気持ちよく、素晴らしい精度と スピードで、レンガが積めるんですね。でも、目の前のレンガ積みだけに集中していると、仕事は本当につらいんです。 それで辞めてしまう。

そういう意味で若者たちはレンガ積みをしているんだと思ってしまって辞めてしまう。この仕事はレンガ積みでなくて、大聖堂の建設につながっているはじめの第一歩だと。仕事の喜びを語っている、仕事に対してやりがいを持っている 先輩たちの背中を示していくことが御社の場合大事かもしれません。

●相談者:仕事の愚痴や自慢話はよく聞かされているかもしれませんが、仕事の価値を伝える場はあまりないかもしれません。

■吉村:先輩たちが夢を語る、それと同時に、若者たちに質問してあげる。 例えば、「今日はどういうところが勉強になった?」とか、「この仕事をしていてどういうところが嬉しかった?」など、ネガティブな面ではなく、ポジティブな面を質問してあげることも必要かもしれませんね。

●相談者:「仕事はどこまで進んだ?」とか「あのお客さんどうだった?」とか進捗管理の質問はしていましたが、ポジティブな質問をするのは少ないかもしれません。

■吉村:あと最近の若者はゆとり教育で、「自分らしくありなさい」「好きなことをやりなさい」と言われることが多いので、彼らの人生の目標は、「すばらしい仲間と一緒に、価値ある仕事に自分らしい貢献をしたい」なんですね。そういう意味で、仲間との信頼関係の構築も大事になるかもしれませんね。

仲間は同期だけではなく、上司や先輩も。ちゃんと理解し合っている、ちゃんと理解されているし、自分の強みとか特性を理解してくれている。そして、誰でもできる仕事ではなくて、君はこういうところが得意だから、この仕事を任せたいんだと いうふうに資質を理解して、彼に仕事を任せていくことですね。

●相談者:今の中高年のときは営業現場でも建設現場でもチームでした。いまはコンプライアンスも厳しくなって、マネージャーもビビってしまっていて、どこまで個人に関わっていいのか・・・。

「若手社員とベテラン社員の仕事の価値観の違いを理解する」

■吉村:飲み会など社内のイベントも減ったり、参加する人も少なくなっていますから、インフォーマルなコミュニケーションではなく、会社の目標をみんなで共有する、仕事の進め方の理想を語り合う時間など、フォーマルなコミュニケーションで対応する時間を用意する必要があります。

 確かに昔よりもマネジメントが難しくなっています。昔は「つらくても3年は我慢する」という価値観がありましたが、今は才能 がマッチすればすぐ活躍できると思っているので、3年も待ってくれないんですね。そのため、丁寧に接する必要があります。

●相談者:今のマネージャーたちは何を甘えているんだと我慢できず、つい出てしまうのでは?

■吉村:そこで生い立ちが違うことを理解させる必要があります。皆さんは飢餓を知っている世代の親たちに育てられた世代で、今は飢餓の経験がない世代に育てれている。働かざるもの食うべからずのことわざが通用しない。仕事はたくさんあるし、食べていくのは大変でないと考えています。

昔から人間が働く目標は大きく2つ。自分の仕事が「やりがいのある目標であること」と「仲間のためになること」です。いい仲間たちと喜びを分かち合いたい(迷惑をかけたくない)と人間関係を創ること、やりがいのある価値ある仕事をやっていること、 我々はレンガを積んでいるのではなく、大聖堂を建設することに参加しているんだと、この両面を常にわかってもらうためのフォーマルなコミュニケーションの場を設ける必要があります。

●相談者:若者に話を聞くと、彼らの仲間は、社外のサークルの仲間のことであって、社内の仲間に対する強いキズナが感じられなかったです。

「若者は仲間に情報を発信して、人を動かすチカラを持っている」

■吉村:それは職場の上司や先輩が、頭ごなしに「最近の若者は●●だ」という目で見ているから。そうではなく、彼らは最も時代に適応している。SNS時代の発信力もあるし、情報収集力もある。おじさんたちよりも、よっぽど世の中の情報をたくさん仕入れることができるし、仲間に情報を発信して大衆を動かす力もある。

強いリーダーは一人もいないのに、大きな力になって政府に圧力をかけることすらできる。あれはSNSを使う力も強いし、つながっている力も強い。だから、彼らを会社の中にうまく取り込めたら、会社としてのブランドを発信していく力も、お客さんを獲得する力もあるので、足で稼いで営業していくのではないイノベーティブな営業手法を生み出す可能性もあります。

●相談者:昔と違い、ネットを使うことが多いので、人間力が足りないと思っていたのですが、そのように考えない方がいいのでしょうか?

「若者の時代への適応力を活かす」

■吉村:リアルなコミュニケーションは弱いかもしれませんが、ネットを介した全世界への情報発信力やつながる力が彼らにはあります。若者はエネルギーがあり、変えていく力がある。いつの時代にも変えていくイノベーション力があるのは、「若者」「バカ者」「よそ者」と言われています。ベテラン社員と違い、若者は失敗をしても何度もチャンスがあります。また古い社員は既成概念にまみれていますし、若者は既成概念がないです。

彼らのやりがいの火を消さないことです。間違っているのではなく、異なっているのは価値なんだとマネジメント層や先輩層たちが理解することが大事なのです。

●相談者:そうですね。まだまだやらないといけないことがたくさんあることに気づきました。早速、新人や若手社員に対するマネジメントの考え方をもう一度整理してみたいと思います。ありがとうございました。

ワークハピネスお悩み相談室では、人や組織に関する皆様のお悩みや疑問を 募集しています。ぜひ、悩み事など、気軽にお寄せください!

この記事を書いた人この記事を書いた人

吉村 慎吾

世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて公認会計士として活躍し、世界最年少マネージャー記録を更新。上場審査官として世界初の日米同時株式公開という金融業界のイノベーションを起こす。
2000年、企業変革支援アウトソーサーである株式会社エスプールを創業。100年の伝統ある老舗ホテルを1年でV字回復させ、栽培農業を活用した障がい者雇用支援サービスを立ち上げるなど、サービス業界にも数々のイノベーションを起こす。同社2006年2月に株式上場。
2006年、組織・人材開発コンサルティングサービスを行う株式会社ワークハピネスを設立。人材と組織の変革によって、大企業からのイノベーションの創出を支援を行う。年間、数十の事業立ち上げを支援。
同時に多数のベンチャー企業の育成や事業戦略コンサルティングを手がける等、ベンチャーの育成にも豊富な実績を有する。著書『イノベーターズ~革新的価値創造者たち~』は、日経新聞ビジネス書ランキング1位、図書館協会選定図書に選ばれ、多数の企業で「次世代幹部育成の課題図書」として扱われている。
 
著書:イノベーターズ~革新的価値創造者たち~、日本流イノベーション、AI時代に輝く経営の教科書

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