
新入社員研修に”チームビルディング”を組み込むと、配属後も継続して主体性を発揮できる理由
近年、新入社員の傾向が大きく変化しており、グループディスカッションやロールプレイングを取り入れた参加型研修を実施していても、新入社員が配属後に研修で学んだことを行動に移すことが少なくなっています。特に、拠点が複数ある規模の企業では、新入社員が配属先で孤立してしまい、せっかく研修で学んだことを活かしきれないケースが目立ちます。
そこで注目されているのが、新入社員研修にチームビルディングを組み込むアプローチです。単なるレクリエーションではなく、参加者が自然に自分を発信する体験を重ねることで、発信に対するハードルを下げるよう設計されたチームビルディングが、多くの企業で成果を上げています。
なぜチームビルディングが効果的なのか、その理由を最近の新入社員の傾向と併せて解説します。
最近の新入社員に見受けられる3つの傾向
リスクを感じる発言を控える
人事担当者の声: 「研修後のアンケートには『もっとこうした方が良いと思う』という意見が書かれているのに、なぜその場で発言してくれなかったのか」
最近の新入社員の研修中の発言パターン:
- ✅ グループディスカッションでは一定の発言をする
- ❌ 批判や反対意見を招きそうな内容は口にしない
- 📝 アンケートには具体的で率直な意見を書く
- 💭 「その場で言えばよかったのに」と人事が感じるケースが増加
背景にある心理: 「空気を壊したくない」「批判的だと思われたくない」という気持ちから、建設的な意見でもネガティブに受け取られる可能性があると感じれば発言を控えてしまう。
配属後への影響: 上司・先輩との上下関係で、より一層「言いにくいこと」を避けるようになり、自分の考えや提案を積極的に伝えることが難しくなる。
面と向かって伝えることを難しく感じる

人事担当者の声: 「退職の意思を直接伝えてくれず、退職代行サービスを使って突然辞めてしまった」
近年話題となっている退職代行サービスの利用パターン:
- ❌ 「辞めたい」気持ちを直接上司に伝えられない
- 🏃 第三者を介して退職の意思を伝える
- 😰 対立や衝突を極端に避けたがる
- 🤐 困った時に相談する相手を見つけることが苦手

背景にある価値観: 学生時代は気の合わない人とは関わらずに済ませることができた環境で育ってきたため、職場のような「選べない人間関係」の中で自分の気持ちや考えを伝えることに強い抵抗を感じている。
配属後への影響: 同期や上司との関係構築ができないまま配属され、職場に居場所を見つけられずに孤立。問題を一人で抱え込んだ結果、突然の退職という極端な選択をしてしまいがち。
安定を重視し、慎重な判断をする
人事担当者の声: 「新しい業務やプロジェクトへの参加を打診しても、『失敗したらどうしよう』という不安が先に立ち、なかなか手を挙げてくれない」
現在の新入社員世代の仕事への取り組み方:
- 🛡️ 「安定」を何よりも重視し、リスクを伴う挑戦を避ける
- 😟 「失敗したらどうしよう」という不安が先に立つ
- 💯 「完璧にできるようになってから取り組みたい」という完璧主義的思考
- 😔 「働く=我慢すること」といったネガティブな固定観念
背景にある経験: リーマンショック後の就職氷河期、コロナ禍での雇用不安などを幼少期から見聞きして育った世代。経済的な不安定さを目の当たりにしてきたため、見切り発車で始めることに強い抵抗を感じている。
配属後への影響: 働くことの楽しさや成長の喜びを実感する機会が少ないまま社会人生活をスタートし、新規提案や積極的な取り組みができない状態が続いてしまう。
新入社員研修で取り組むべき3つのテーマ
これらの傾向を踏まえ、複数部署に配属される規模の新入社員研修では、以下の3つのテーマに取り組むことが重要です。
- テーマ1:新入社員それぞれが「自分の意見」を言い合いながら、協働する
- テーマ2:同期内に悩みを共有・相談できる仲間をつくる
- テーマ3:働くことに対してポジティブなイメージを持つ
テーマ1:新入社員それぞれが「自分の意見」を言い合いながら、協働する
なぜ重要か: リスクを感じる発言を控える傾向への対策
多くの新入社員は「批判されるかもしれない」という不安から発言を控えがちです。しかし、配属後に職場で存在感を示すためには、自分の考えを相手に伝える経験が不可欠です。
研修中に「自分の意見を言っても大丈夫」「むしろ多様な意見があった方がチームは強くなる」という安心感を体験することで、配属後も積極的に発言できるマインドセットを育むことができます。
なぜチームビルディングが必要か: 一般的なグループディスカッションでは「反対意見になりそうな意見」を避けがちですが、チームビルディングでは明確なゴールがあるため、チームの成功のために忌憚なく意見交換ができる環境が自然に生まれます。
テーマ2:同期内に悩みを共有・相談できる仲間をつくる
なぜ重要か: 面と向かって伝えることを難しく感じる傾向への対策
退職代行の利用に象徴されるように、現在の新入社員は困った時に相談する相手を見つけることが苦手です。配属後に孤立してしまい、問題を一人で抱え込んでしまうケースが後を絶ちません。
研修期間中に同期との信頼関係を構築し、「この人になら相談できる」「困った時に声をかけやすい」という関係性を作ることで、配属後の心理的安全性を確保できます。
なぜチームビルディングが必要か: 従来の研修は知識習得が主目的で信頼関係構築を意図していません。チームビルディングでは同じ楽しい体験を共有することで、「一緒に課題を乗り越えた仲間」という特別な関係性を築くことができます。
テーマ3:働くことに対してポジティブなイメージを持つ
なぜ重要か: 安定を重視し、慎重な判断をする傾向への対策
「働く=我慢すること」というネガティブな固定観念を持ちがちな新入社員に対して、「挑戦することの楽しさ」「協働することの喜び」を体験してもらうことが重要です。
失敗を恐れて完璧主義に陥りがちな傾向を、「まずはやってみる」「失敗から学ぶ」という前向きな姿勢に変化させることで、配属後の積極的な取り組みを促進できます。
なぜチームビルディングが必要か: チームビルディングには、ゲーム感覚で楽しみながら個々が主体的に貢献し、現実のビジネスと紐づけて振り返る設計があります。座学では得られない「協働の喜び」と「挑戦の楽しさ」を実体験できるため、働くことへのポジティブなイメージ形成が可能です。
ワークハピネス独自のチームビルディングアプローチ4つの特徴
特徴1:グループで同じ目的のもと、個々が主体的に貢献する設計

ワークハピネスでは、一人ひとりが明確な役割を持ち、チーム全体の成功のために発言・行動が求められる設計になっています。「発言しなくても済む」環境ではなく、自分の考えを伝えなければチームが前に進まない状況を作ることで、自然に発信体験を積むことができます。
また、正解のない課題に取り組むため、「間違いを恐れる」よりも「まずは自分の考えを伝える」ことが重視される環境が生まれます。
特徴2:相互理解・自己理解の促進

ワークハピネスでは、各参加者の個性が自然に発揮される設計になっており、普段見えない同期の一面を知ることができます。お互いにフィードバックし合う機会を通じて、「この人は論理的に考えるのが得意」「この人は場の雰囲気を和ませてくれる」といった特徴を理解し合えます。
この相互理解が「困った時に相談しやすい人」「気軽に声をかけられる人」の発見につながり、配属後の心理的安全性の基盤となります。
特徴3:参加意欲を向上・維持する仕掛け

ワークハピネスのチームビルディングアクティビティでは、グループ間競争やグループを超えた全体協力といった要素が散りばめられ、ゲーム感覚で楽しみながら取り組めます。この「楽しい」という感情が、「働くこと=我慢すること」という固定観念を和らげ、「チームで何かを成し遂げることの喜び」を体験させてくれます。
競争要素があることで自然に熱中し、気づいた時には積極的に行動している自分を発見できるため、「挑戦することへの抵抗感」が薄れていきます。
特徴4:現実のビジネスとの橋渡し機能

アクティビティの振り返りで職場での活用方法を考えることで、体験から学んだことを言語化し、実践につなげることができます。単なる「楽しい体験」で終わらせず、「配属後にどう活かすか」まで考えることで、研修と実務のギャップを埋めます。
チームビルディング中に発揮できた積極性や協働力を、職場でも再現するための具体的な行動計画を立てることができます。
新入社員研修に最適なチームビルディングプログラム4選
全員で一つの絵を描く The Big Picture
巨大な絵を全員で描き上げるクリエイティブアクティビティです。作成するのは組織ビジョンをデザイン反映させたオリジナルアート。分割された絵をチーム単位で分担制作し、協力し合いながら完成させてゆきます。
特徴 | ・アート制作を通じてた組織ビジョンの共有 ・作品完成に向けた共同作業でOneTeamを体感 ・作品の完成披露で湧き上がる感動 |
人数 | 8名〜500名 |
所要時間 | 2〜3時間 |


▶The Big Pictureについて[詳しくはこちら]
コラボレーションが鍵となる謎解き Beat the Box
次々に出される暗号をタイムプレッシャー下で解読していきながら、最後は一つの真実に辿り着く対面型”謎解きチームアクティビティ”です。チームコミュニケーションを通じて、局所的な視点から大局的な視点にシフトする仕掛けが施されています。
特徴 | ・タイムプレッシャーで興奮必至の謎解きゲーム ・仲間との協力が促されるゲーム設計 ・チームの垣根を超えるコラボレーション体験が得られる仕掛け |
人数 | 10名〜250名 |
所要時間 | 2〜3時間 |


▶Beat The Boxについて[詳しくはこちら]
短時間でとにかくワイワイ楽しむ Quickfire Live

頭脳・カラダ・創造性をフル活用した対面型チャレンジアクティビティです。制限時間内にミッションにチャレンジしてポイント獲得を競います。
短時間で一気に盛り上がれるだけではなく、お互いの強みを活かし合うことができるプログラムなので、プロジェクトで集まるタイミングや全社イベント、お互いの相互理解の促進として最適です。
特徴 | ・90分と最短時間で実施可能 ・各々が自分の得意領域でミッションチャレンジ ・発想力を引き出すようなユニークなお題が多数 |
人数 | 12〜250名 |
所要時間 | 1.5~2.5時間 |


▶Quickfire Liveについて[詳しくはこちら]
コミュニケーションの難しさを体感する Need 4 Speed

バラバラになったパーツを組み合わせてクルマを1台ずつ完成させるという、幼い頃に誰もが熱中したようなシンプルなパズルゲームです。そこにチーム対抗でタイムトライアル要素を加えることで、誰もが夢中になり白熱すること間違いなしです。回数を重ねる毎に様々な”制限”が敷かれていくため、コミュニケーションとコラボレーションの質が勝利への大きな鍵となります。
特徴 | ・チーム対抗タイムアタックだから盛り上がる ・手が空く人が生まれない全員参加型ゲーム ・コミュニケーションの重要性と難しさを同時に体感 |
人数 | 12〜250名 |
所要時間 | 2〜4時間 |


▶Need 4 Speedについて[詳しくはこちら]
いずれかのプログラムに少しでもご興味がありましたら、是非お気軽にご相談ください。
各プログラムの詳細資料もダウンロード可能です。
大学卒業後、外資系医療機器メーカーで営業に従事。
6年間で8人の上司のマネジメントを経験し、「マネジャー次第で組織は変わる」と確信し、キャリアチェンジを決意する。
2009年にワークハピネスに参画し、チェンジ・エージェントとなる。
医療メーカーや住宅メーカーをはじめ、主に大企業の案件を得意とする。また、新人から管理職まで幅広い研修に対応。
営業、営業企画、新人コンサルタント教育を担当後、マーケティング責任者となる。
一度ワークハピネスを退職したが、2021年から復帰し、当社初の出戻り社員となる。現在は、執行役員 マーケティング本部長。