【TREND COMPANY】 従業員のエンゲージメント向上で最高の顧客サービスを提供する〜ディンタイフォン

世界中の証券取引所に上場している企業数を足すと、約５万社あるといわれています。非上場企業も含めると、世界には数多くの企業が存在しています。しかし、その企業の中にも、組織経営に役立つ企業があります。

TREND COMPANYの記事では、国内外問わず、新たな価値を創造したり、挑戦し続けたりする 注目の企業をピックアップして紹介したいと思います。

今回ご紹介する企業は「Din Tai Fung（ディンタイフォン）」です。

世界10大レストラン「Din Tai Fung」

スタッフの育成を通して成長し続けるリーディングカンパニーとは

ディンタイフォンは、台湾に本社を置く小籠包を看板料理とした上海料理のレストランチェーンです。
1993年には、アメリカのニューヨーク・タイムズ紙で「世界の10大レストラン」に選ばれ、世界中に店舗を開店しており、現在店舗あります。日本においても２０店舗運営しています。

顧客満足(CS)と従業員満足(ES)を同時に高める

そのディンタイフォンの楊紀華社長は「喜びを感じている従業員がいるからこそ、温もりのあるサービスが生まれる」という信条を大切にしています。楊紀華社長は、レストラン経営を始めたとき、お客様に良いサービスを提供するスタッフは何が違うのかを疑問に思いました。早速そのスタッフと話をしてみると、そのスタッフが目を輝かせながら、お客様とのエピソードを語っていたそうです。そこで、改めて仕事に喜びを感じるスタッフはその喜びがお客様へのサービスに循環していくということに気づきました。

顧客満足（CS）を大事にするのと同時に、従業員へのケア（従業員満足（ES））を高める取り組みを行っています。その顧客満足を高めるために、従業員満足を高める仕組みや社員教育にも力を入れているのです。

「主な社内研修プログラム」
　・言葉表現力コース
　・財務管理コース
　・社長の人生経験の共有会
　・自分を探索するコース

例えば、「言葉表現力コース」。楊社長は、入社前研修の最後に新入社員が自己紹介をする場面で苦労をしているのを見て、コースを開設、お客さんとのコミュニケーションの重要性を考え、取り組み始めました。

「社長の人生経験の共有会」では、社長の学生時代に会社立ち上げ時の話を伝えることで、社長や企業の理念を伝えています。

他にも、毎朝２時間のリモート会議があり、常に自分たちの店舗の状況を把握し、改善するための対策を行っています。その会議の具体的な内容は、身だしなみの指導（エプロンのシワなど）、店舗運営状況の報告、改善策のディスカッションなど、全体でナレッジを共有しているのです。

また、従業員の健康面も重んじ、従業員専用のスポーツセンターをつくり、身体の健康を支援するコンサルタントも常駐させています。

【参考事例】仕事の意義を明らかにして接客サービスを高めた事例「イオンペット株式会社様」はこちら！

他社との５つの差別化ポイント

人気のあるレストランチェーンの「Din Tai Fung（ディンタイフォン）」ですが、他店と違うポイントがあります。

１．店員の反応が早い

　　お水やお茶などをお願いすると、店のスタッフがすぐに対応してくれる

２．外国語でも対応

　　外国語のメニューを用意しているお店はたくさんあるが、口頭による外国語でも対応してくれる

３．店内は常に清潔

　　客席の回転率が早いが、常に清潔に店内が保たれている

４．場所を問わず安定した味

　　国を問わず、どの支店で食べても味が安定して提供されている

５．笑顔にあれているサービス

　　スタッフの接客が良く、安心して食事ができる雰囲気がある

以上のように、Din Tai Fungの魅力は、小籠包の不変的な味だけではなく、質の高いサービス、優れた食事環境の絶妙な組み合わせがあることなのです。だから、Din Tai Fungは小籠包の業界でトップの位置を保つことができているのです。

（表紙画像：Din Tai Fung　信義店より）