営業は、会社の売り上げを左右する重要なポジション。効果的な営業研修を行うためには、研修の目的に加え、市場や顧客が求めるものを理解することも大切です。今、どのような営業スタイルが求められ、そのためにどのような研修内容が必要なのか考えてみましょう。
営業研修の目的
売り上げに直接関わる営業力を上げることは、会社として最も重要なことのひとつです。営業研修は、その重要な役割を担う営業担当者のスキルやモチベーションを高めることで、会社全体の業績をアップさせることが目的です。
ただし、受講者の層は新人からベテランまで幅広く、また求められるスキルも基本マナーやコミュニケーション能力、説得力などさまざまです。そのため、受講者のレベルに合わせて目的を明確に決め、目標を細かく設定していくことが大切になります。
変化する理想の営業像
研修の目的を明確化するためには、目指すべき理想の営業像を描く必要があります。少し前なら、対話力や説得力、行動力を発揮して、活発に顧客のもとへ足しげく通う営業マンの姿を思い浮かべていたかもしれません。しかし近年では、その姿はやや変化しています。
科学的なアプローチが必要
ITの導入により、市場は急激な勢いで多様化しています。これを背景に、営業には科学的なアプローチやデータを重視した対応が求められるようになりました。「KKDからKDDへ」という表現が、マーケティング業界で聞かれます。KKDは「勘(KAN)・経験(KEIKEN)・度胸(DOKYO)」の頭文字を取ったもので、長年の経験やそれによって培われた感覚、心構えを持って物事を進めていくことです。「営業は足で稼ぐ」といった言葉もよく使われていました。
対するKDDは「Knowledge Discovery in Database(データベースからの知識発見)」のことで、集めたデータを分析して、これまで気づかなかった新しい知識を見つけることを意味します。例えば、統計やデータを基に顧客に提案する企画のプレゼンテーションを行う、あるいは顧客のデータに基づき営業戦略を練るといったことです。
これを「新KKD」として「仮説、検証、データ分析」の必要性を唱える組織も多いですが、いずれにせよ、あいまいな直感や偏った経験値よりも、事実に基づいたブレない戦略やアイデアを提案していくことが重要視されつつあると言えます。また、顧客とのコミュニケーションや営業活動に用いる、最新のITツールを使いこなせることも必須となってきます。
「御用聞き営業」から「提案型(ソリューション)営業」へ
では、なぜそういったアプローチが求められているかと言えば、市場の多様化により、商品やサービスが複雑・多様化し、顧客側の業務もまた多様化しているため、多くの課題が発生するからです。つまり、ただ商品・サービスの紹介をするだけ、注文を待つだけの「御用聞き営業」では顧客の満足は得られず、顧客の課題を見極めて提案していく「提案型(ソリューション)営業」が必要な時代となっているのです。
営業研修の内容
多彩なカリキュラムが存在する営業研修
求められる営業像は、新人とマネージャーでは違います。また営業スタイルも業種によってさまざまです。そのため営業研修の内容も、受講者のレベル別、営業スタイル別、商品や市場の変化に対する課題別など多彩なカリキュラムが数多く存在します。大まかに整理すると以下のようになります。
1.”受講者レベル別”で見る
新人、中堅、マネージャーなど。新人は基本となるマインドや、マナーやスキルなどを学び、中堅、マネージャークラスはチームメイトや部下をリードしていく方法などを学ぶ。
2.”営業スタイル別”で見る
ルート、新規開拓、ソリューション、コンサルティングなど、顧客との関係性や状況で異なる営業スタイルに合わせた内容。
3.”課題別”で見る
マーケティング、プレゼンテーション、クレーム対応など、営業を進めるうえで直面する課題に焦点を当てた内容。
効果的に行うための注意点
では営業研修をより効果的に行うためには、どのような点に注意するべきでしょうか。
目的を明確に
研修の冒頭で、研修を行う目的、営業がいかに自社にとって重要であるかを話し、受講者のモチベーションをアップさせましょう。その際は、先に説明したデータや数値を用いた科学的な視点を盛り込むと効果的です。
具体的な成功事例、顧客の声を共有する
抽象的な言葉よりも、実例や経験談を話すと具体的にイメージできるため、受講者は行動に移しやすくなります。実際の成功事例や、顧客の喜びの声などを紹介し共有しましょう。研修内容も印象に残りやすくなります。
実践的なロールプレイングの活用
「わかる」と「できる」は違います。基本的な知識やスキルを教え込むことは必要ですが、それを実際に営業現場で活用できなければ意味がありません。その意味で、ロールプレイングは最も重要で効果的でしょう。緊張し過ぎたり、逆にふざけた雰囲気になったりしないような工夫や、現実味のある場面設定など、いかに体で覚え、実践に応用できるロールプレイングを行えるかがカギとなります。
営業研修は、目的に応じて内容を吟味し、実践に使えるような内容にすることが大切です。まずは、何のために研修を行うか、どのような営業力を付けたいのか明確にすることから始めましょう。
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