【完全解説】MVVとは?企業が成長し続けるためのミッション・ビジョン・バリューの実践法
組織開発

【完全解説】MVVとは?企業が成長し続けるためのミッション・ビジョン・バリューの実践法

MVVとは?変化の時代を生き抜く企業の羅針盤

マネジメント研修の種類を解説

企業を取り巻く環境は、デジタル化・グローバル化・人材流動化といった大きな変化の中にあります。
さらに、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営や人的資本経営といった新しい潮流が進む今、企業は「何のために存在するのか」「どこへ向かうのか」「どのように行動するのか」を明確に示すことが求められています。

その答えとなるのが、MVV(Mission・Vision・Value)=ミッション・ビジョン・バリューです。
MVVは企業の存在意義・未来像・価値観を定義するものであり、組織の一体感を生む「経営の北極星」と言えます。

MVVの基本概要:定義・歴史・重要性

MVVとは

  • Mission(ミッション):企業が「なぜ存在するのか」「何を成し遂げるのか」を表す存在意義。
  • Vision(ビジョン):ミッションを実現した未来の理想像。「どんな社会・姿を目指すのか」。
  • Value(バリュー):ミッション・ビジョンを実現するための価値観・行動指針。

この三要素が連動することで、組織の方向性と行動の一貫性を生み出します。

MVVが重視されるようになった背景

1990年代以降、グローバル競争や技術革新により、企業が「理念経営」を重視する動きが広がりました。
近年では、人的資本開示・サステナビリティ経営などを背景に、MVVが経営戦略と人材育成の中心に位置づけられています。

MVVの重要性

MVVを明確にすることで、次のような効果が期待できます。

  • 意思決定の基準が統一され、組織の軸がぶれない
  • 従業員のエンゲージメント(仕事への没入・共感)が高まる
  • 採用・育成・評価が一貫し、組織文化が強化される
  • 社外へのブランドメッセージが明確になる

MVVの構成要素と関係性

要素内容役割
Mission(ミッション)存在意義・目的「なぜ存在するのか」
Vision(ビジョン)目指す未来像「どこへ向かうのか」
Value(バリュー)行動基準・価値観「どう行動するか」

この3つは階層的に結びつき、組織の目的から日々の行動までを一貫させます。

MVV策定プロセス

MVVは経営陣だけで決めるものではなく、組織全体の共創プロセスが重要です。

一般的な策定ステップ

  1. 自己分析:創業理念・経営者の想い・企業の歴史を振り返る
  2. 現状分析:組織文化・強み・外部環境を整理
  3. 共創ワークショップ:社員の価値観や理想を言語化
  4. 言語化・草案化:簡潔で共感できる言葉にまとめる
  5. 最終化・発表:社内外に公表し、発信する
  6. 浸透・定着:制度・行動・評価に落とし込む

このプロセスを通じて、作って終わり”ではなく“生きるMVV”が生まれます。

MVVのビジネス活用と効果

活用場面

  • 採用活動:価値観に共感する人材を採用できる
  • 人材育成:研修・評価基準をMVVに沿って設計
  • 組織変革:M&Aや事業転換時に共通の旗印を示す
  • 内部広報:社員が誇りを持ち、自律的に行動する文化を醸成

効果

  • 意思決定が迅速で一貫する
  • 従業員の自律性・創造性が高まる
  • 離職率の低下、エンゲージメントスコアの上昇
  • 企業ブランド・対外信頼性の向上

MVV導入の実践ステップ(チェックリスト)

フェーズ実施内容
① 準備経営層ヒアリング、社内アンケート、現状分析
② 共創ワークショップで価値観共有、草案作成
③ 公表経営メッセージ・イントラ・動画等で発信
④ 浸透研修・制度・評価に組み込み
⑤ 定着成果指標モニタリング、成功事例共有
⑥ 見直し環境変化に応じた更新(3年サイクル推奨)

中小企業の場合は、シンプルな言葉選びとトップのメッセージ発信が最も効果的です。

成功事例とポイント

事例1:製造業(大企業)

経営理念とMVVを再定義し、全社員向けワークショップを実施。
結果、組織横断プロジェクトが倍増し、意思決定スピードが向上。

事例2:サービス業(中堅企業)

「お客様とともに成長する」をミッションに設定。
行動評価制度にバリューを反映させ、1年で離職率が20%改善。

共通の成功要因

  • 経営トップが率先して体現
  • 社員が“共創”に関与
  • 行動・制度・評価と一体化
  • 成果を測定し、改善を継続

MVV浸透の測定と評価方法

主なKPI指標

  • エンゲージメントスコア
  • 離職率・定着率
  • バリュー体現事例数
  • 社員アンケートによる認知度
  • 採用時の共感度・定着率

評価段階

  1. 浸透段階:社員の理解・共感度
  2. 実践段階:行動変容の有無
  3. 成果段階:組織成果との関連(定着・業績・顧客満足)

測定結果を定期的にフィードバックし、MVVの進化を継続します。

よくある課題と解決策

課題解決策
言葉だけで終わるトップが体現・制度連動・行動表彰を実施
浸透にばらつき部門別ワークショップで補完
効果が見えないKPI設定・データ可視化・定性事例共有
時代変化で古くなる3年ごとの見直し・現場巻き込み型再定義

まとめ:MVVは「理念」ではなく「行動文化」

MVVとは、単なるスローガンではなく、組織文化を形成する基盤です。
策定だけでなく、浸透・実践・測定・見直しというサイクルを継続的に回すことで、
社員一人ひとりが「自ら考え、行動する組織文化」を育てることができます。

株式会社ワークハピネスでは、MVVを組織開発・人材育成の土台として位置づけ、
経営理念の策定から浸透施策までを実践的に支援しています。

ワークハピネスのマネジメント研修メニュー

ワークハピネスの研修メニューの全体像や実績はこちら

組織風土変革コンサルティング
経営理念再構築・浸透コンサルティング
エンゲージメント向上コンサルティング

この記事を書いた人この記事を書いた人

藤岡 征太郎

大学卒業後、外資系医療機器メーカーで営業に従事。
6年間で8人の上司のマネジメントを経験し、「マネジャー次第で組織は変わる」と確信し、キャリアチェンジを決意する。
2009年にワークハピネスに参画し、チェンジ・エージェントとなる。

医療メーカーや住宅メーカーをはじめ、主に大企業の案件を得意とする。また、新人から管理職まで幅広い研修に対応。
営業、営業企画、新人コンサルタント教育を担当後、マーケティング責任者となる。
一度ワークハピネスを退職したが、2021年から復帰し、当社初の出戻り社員となる。現在は、執行役員 マーケティング本部長。

人材・組織開発に携わる方必見!サービス資料や、お役立ち資料をダウンロードはこちら
ONLINE セミナーダイジェスト 人気のセミナーを3分程度の無料動画にまとめダイジェスト版をご用意致しました。セミナー受講の参考に、ぜひご覧ください。SEE ALL DIGEST MOVIE

INDEX

新着記事

サービス資料・お役立ち情報満載!

資料ダウンロード

まずはお気軽にご相談ください!

フォームから問い合わせる