日本企業の戦後の復興を支えたのは、「終身雇用」「年功序列」「企業内労働組合」の3種の神器でした。
戦後の焼け野原、需要は旺盛、さらに朝鮮戦争特需で供給不足。作れば作っただけ売れた時代。未曾有の人手不足で、地方の農村から大勢の若者が、夜行列車に揺られて上野駅に到着。町の工場へと吸収されていきました。
変革の3つの成功条件
長く働いてもらい、熟練工、熟練社員となってもらうために生まれた制度が、「終身雇用」を柱とした3種の神器でした。
労働者の面倒を一生涯見る代わりに、企業に忠誠心を求め、経営者の命令一つで北海道でもインドでも転勤する滅私奉公の仕組みが出来上がりました。
「2階層上の立場で考え、1階層下のつもりで汗を流す」という、外国人には理解不能なミステリアスな働き方の美学まで生まれました。日本企業の忖度(そんたく)文化の始まりです。従業員はキャリア形成の主導権を手放す代わりに会社依存を深めました。
一方で、従業員の高いロイヤリティーや忖度文化は経営者を無能にしました。
日本の経営者は神輿(みこし)に担がれる人。明確にミッション、ビジョン、戦略、価値観を示さなくても、忠誠心高く優秀なミドルの従業員が忖度して経営を回してくれる。それが高度経済成長期を支えた日本的経営でした。
ところが、バブル崩壊から30年。かつて有効だった日本的経営が、日本経済の足を引っ張り続けています。バブル崩壊によって、経済は長期にわたって需要不足。企業内でのポストが増えない中で、多くのミドルはやる気を失って久しいです。
日本企業に勤める従業員のエンゲージメントは、OECD加盟国中長きに渡って、最下位です。かつて日本の高度成長を支えた「終身雇用」「年功序列」「企業内労働組合」の3種の神器は、今や日本企業の足を引っ張る3悪なのです。
従業員の依存体質。ミッション、ビジョン、戦略、価値観を明示しない経営者。グローバルスタンダードでアウトです。世界と戦えません。両者の問題を「いつか何とかしないとね」と思って、バブル崩壊から30年、だらだらと先延ばしにしてきました。
もう先延ばしはできません。コロナショックによって、今や変革は待ったなしです。依存体質の従業員と、組織の「ミッション」「ビジョン」「戦略」「価値観」を明示しない経営では、テレワークは機能しません。
外圧でしか変われない日本人。コロナショックをチャンスと捉えて、勇気を持って改革を断行する時です。
<変革の成功条件>は次の三つです。
1.危機感
2.変革ビジョン
3.有能感(教育&成功体験)
コロナショックによって、危機感はバッチリです。このタイミングで、経営者として変革ビジョンを示さなければなりません。
そこで、最後に必要なのが、従業員の「有能感(教育&成功体験)」です。
手売りの旅行代理店、広告代理店、証券会社において、共通の生き残りできる「変革ビジョン」は「コンサルタント」となることです。
全ての企業がわかっているのに、変革に成功した会社は多くはありません。それは教育による成功体験を疎かにしているからです。
バブル崩壊から30年、先延ばししてきた日本企業の悪を一掃する変革のラストチャンス到来です。
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公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。
現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。