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「動物脳」と「人間脳」

なぜ、私たちは人から「馬鹿にされる」ことに「怒り」を感じ、周囲の「評価が下がること」に「恐怖」を感じるのでしょうか?
それについては、ホモサピエンスの長い進化の歴史を通して、説明することができます。

「恐怖」と「怒り」の感情がうまれるメカニズム

人が森で「熊」に出会い、「生命の危機」を感じたとき、脳内からは「コルチゾール」や「ノルアドレナリン」といったホルモン物質が放出されます。
そして、心臓の鼓動が早くなり、瞳孔が開き、毛細血管が収縮することで、「逃げる」「戦う」といった準備が整います。

それによって反射神経が高まり、傷を負っても血が流れづらくなり、サバイバルする可能性を高めます。私たち人間は「生命の危機」を察知し、「恐怖」を感じることで生き残ってきた種の子孫なのです。

ビジネスにおいても、森で「熊」に出会ったのと同様の「恐怖」を感じる瞬間があります。
ビジネスでは「生命の危機」まで感じる場面はないにも関わらず、私たちは脳内からコルチゾールやノルアドレナリンを出して極度の緊張状態に陥ります。この状態が長引くと、免疫力は下がって病気になります。

ホモサピエンスは、20数万年前に誕生してから、ほとんどの期間を狩猟採集生活として過ごしました。この期間を24時間時計にたとえると、産業革命からの人類の経済活動期間は、たったの1分ほどしか経っていないのです。
そのため、私たちは「生命の危険」が少ない現代社会に生きながら、DNAは狩猟採集生活のままといった、チグハグな状態なのです。

私たちは馬鹿にされると「恐怖」と「怒り」が湧きます。狩猟採集民の時代には、馬鹿にされることは群れの中での順位が下がる「危機」であり、イコール餓死を意味しました。つまり、「恐怖」や「怒り」の反応をすることは、サバイバルの上で重要だったのです。

しかし、現代においては、たとえ馬鹿にされても、全く「生命の危機」はありません。だから、「恐怖」や「怒り」は不必要な感情なのです。 人間が「恐怖」や「怒り」を感じる部分は「動物脳」と呼ばれ、「快」や「痛み」を司る「大脳辺縁系」なのです。

人間脳を鍛える思考習慣

周囲の評価が気になる。周りの目が気になり、ついつい自分を表現することを躊躇してしまう。失敗することが極度に怖い。これら全てが「動物脳」の反応です。

狩猟採集民の頃には、正しかった反応ですが、現代では不必要な反応です。「恐怖」や「怒り」にとらわれると、人は視野が狭くなり、創造性や挑戦意欲が失われます。さらに長引けば、免疫力が下がって病気になります。

ビジネスで成功するためにも、イノベーションを起こすためにも、「恐怖」にとらわれないことが重要です。では、どうすればこの不必要な「恐怖」や「怒り」から自由になれるか? それは思考の力です。「人間脳」と呼ばれ「知性」を司る「大脳新皮質」を鍛えることです。「人間脳」で「動物脳」を制御する習慣を身につけるのです。

「人間脳」で「動物脳」を制御する習慣

・ザワザワする「恐怖」の感覚を感じたら、思考の力で「何を恐れているのか?」キャッチして「別に死ぬわけじゃない」「大した話ではない」と勘違いの「恐怖」を捨てる

・イライラザワザワした感覚を放置せず、その感情に向き合って「なぜ、今イライラしたのか?」「どんな恐怖なのか?」と必ず思考する

などがあります。つまり、自分の体の感覚「体感覚」に敏感になることなのです。
例えば、肩こりは「恐怖」と「怒り」のサインの1つです。

でも、「恐怖」や「怒り」は、モチベーションの原動力になるのでは?
その通りです。しかし「人間脳」が機能せず、無意識な「動物脳」に振り回されているだけならば、やがてストレスで病気になります。
自分で意識できる「人間脳」で、無意識の「動物脳」を上手にコントロールして、人間らしい人生を手に入れましょう。


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この記事を書いた人この記事を書いた人

吉村慎吾

公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。

現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。

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