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会議は長い方がいい?

意思決定は早いほうがいいといます。でも意思決定を検討する会議は長い方が良い時もあります。

パナソニックの創業者で経営の神様と言われた松下幸之助。ある企業を買収をすることになり、その買収金額を決定する会議でのこと。
幸之助は「額面金額50円で設立された会社の株式をその数十倍の価格で買わなければならないことが私には全くわかないのです」と発言。幹部社員や証券会社の担当者は慌てました。
買収価格がどのように決定されるのか、理論とともに事例などを交えながら幸之助に対して説明を尽くすのですが、なかなか首を縦に振ってくれません。議論は膠着し、朝となりました。
みんながヘトヘトになって困り果てていたその時、松下幸之助は「どうもありがとう。みんな、お疲れさん。」と言ってその高い買収金額に合意したのです。

話はこれで以上なのですが、ここからが私の解釈。経営の神様である幸之助が買収価格の決定方法を理解できないはずはありません。
彼は、買収を決めることよりも、買収価格に見合った価値を買収後の経営でどう実現するのか?を考えてもらいたかったのではないのでしょうか。
「わからない」と言う幸之助を説得しているうちに、経営幹部の中に買収後の迅速な行動の重要性が心に深く刻まれたことは想像に難くありません。
武田信玄の軍議も非常に長かったと言われています。
戦の作戦について武田家の重臣たちが各々の持論を展開。やがて作戦案はA案とB案の2案に集約されました。重臣たちが2手に分かれて大論争。その間、総大将である武田信玄は一言も発せず、各人の意見をただ目を瞑って聞いているだけ。

とことん議論を戦わせると、A案とB案のそれぞれに長所もあれば短所もあることがわかってきました。恒例の長い軍議の末、A案とB案はいずれも甲乙つけがい良案であることを全員が理解したその時、総大将である武田信玄が結論を述べます。

「B案で行く」

すると、A案を押していた重臣たちも、「了解!」となって軍議はめでたく解散。
正解の作戦があるのではなく、家臣団が一致団結して同じ作戦を採ることが正解なのです。

もし、十分な議論を尽くさずに信玄が「B案で行く」と言ったら何が起きるのでしょうか?A案を推していた重臣は納得していないからモチベーションが上がりません。B案を推していた重臣たちも、実はB案のメリットとデメリットを十分理解していないので、現場での予定外の出来事に対する咄嗟の対処ができません。これでは戦に勝てません。
作戦は深い理解と一致団結した実行力が全てです。

そろそろ年度末。来年の戦略を立案する時期です。
意思決定を急がず、仲間とじっくり「長い議論」、お奨めです。


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この記事を書いた人この記事を書いた人

吉村慎吾

公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。

現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。

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