CEO BLOG

コロナ後の経営戦略

新型コロナ騒動はいつ収束するのか?

現時点で緊急事態宣下の日本の現状を見ると、収束にはまだまだ時間がかかりそうです。

一方で、国民のワクチン摂取率が最も高いイスラエルの状況等を見ると、ワクチン摂取による集団免疫獲得は新型コロナに対して大変に有効な打ち手であることがわかります。

ワクチン摂取が進む欧米は徐々にコロナ禍を脱しつつあります。

各国の先行事例を見れば、日本においても時間と共に新型コロナ騒動は収束に向かいそうです。

そろそろ私たちはアフターコロナに向けた準備を始める時期かもしれません。

さて、コロナ後の社会はどうなるのでしょうか?

元の世界に戻るのでしょうか?

歴史が教えてくれるところによれば、答えは”No”です

コロナ騒動が収束しても、社会はコロナ前には戻りません。

私たちはこの新型コロナ騒動によって多くの学びを得ました。

人間は衝撃的な体験によって学習し、学習によって行動が変容します。

戦争世代は、食糧不足体験からモノの大切さを学び、「もったいない」という行動パターンが身につきました。

食事を残すと「もったいない」から全部食べる。使えるものを捨てるのは「もったいない」ので、なんでも捨てないで取っておく。

バブル世代は、「物質的に豊かになることは楽しい!」という体験をしているので、未だに購買や消費に関して積極的です。

さて、今回のコロナ騒動で、私たちは何を体験し、どんな学びを得たのでしょうか。

最重要な体験は以下の3つです。

1 断捨離

2 デジタルの利便性

3 未来の不確実性

1 断捨離

昨春の緊急事態宣言による外出が自粛で長い時間を家で過ごす様になり、多くの人が断捨離を体験しました。

家の中にある必要なモノと不必要なモノを見極め、不必要なモノはメルカリ等で売り、売れないモノは捨てました。

同時に、家で一人で過ごす時間が増えて、自分を見つめ直す時間が豊富にありました。

未来に対する不安を抱えながら、

「人生において大切なことは何か?」という根本的な問いを考えました。

この一年半に及ぶ、自粛生活の中で、私たちはモノの断捨離と同時に価値観の断捨離も行ったのです。

「健康が1番大切」と気づいた人は緊急事態宣言下の中においても、可能な限り運動を続け、食事と睡眠に気を配りました。

「家族との時間が1番大事」だと気づいた人は、自然が豊かな郊外の広い家に引っ越し、

「友人たちと語らう時間が大事」だと気づいた人はせっせとZoom呑み会を開催しました。

自分にとって大事なコトが何であるかを知った私たちは、コロナ騒動が収束して自粛生活が解除された後も、大事な価値観に沿った行動を続けるでしょう。

周囲の雰囲気に流され、会社帰りに誰かと会食するのを習慣としていた人。

トレンドに流されて、毎シーズン新しい洋服を買い、年に一回、海外旅行に行くのを習慣にしていた人。

こんな惰性の習慣がコロナ騒動でリセットされました。

「健康が大切」だと気づいた人は、外食自粛が解除されても会食の機会を減らし、定期的なトレーニングを行うでしょう。

「家族との時間が1番大事」と気づいた人は、騒動収束後も何一つ行動を変えないでしょう。

今回の断捨離体験を経て、私たちは自分にとって本当な”エッセンシャル(不可欠)”なコトを知りました。

コロナ騒動収束後に待っているのは自分にとって”エッセンシャル”なモノとコトに時間とお金を使う、吟味厳選されたライフスタイルです。

2 デジタルの利便性

外出自粛要請によって国民全体のデジタルリテラシーが急伸しました。

世帯の50%超がネットショピングを体験し、EC市場は空前の伸びを見せました。

多くの人がテレワークを体験し、当初は不慣れでしたが、今では全く支障なく仕事が進んでいます。

満員電車で通勤する不効率な時代には戻れそうにありません。

楽しみにしていたライブがオンラインになってがっかりしましたが、体験してみるとリアルとはまた違った良さがありました。会場までの移動の手間を考えると時にオンラインライブもありです。

オンライン授業、オンライン診療、オンライン旅行、オンライン・スナック等々、およそほとんどのことがデジタルで可能だと知りました。

一度学んだデジタルの利便性はコロナが収束したとしても忘れません。

ほんとに大切なことはリアルで体験するけど、それ以外のことはデジタルで効率化する。

家族や恋人とはリアルに会ってハグをしたい。

でも、会社の会議はオンラインで十分。

自分にとって”エッセンシャル”なコトはリアルで体験するけど、それ以外はデジタルを活用して効率化する。この流れはコロナ騒動収束後も続きます。

3 未来の不確実性

私たちは新型コロナ騒動によって当たり前に期待していた未来を突然奪われました。

楽しみにしていた入学式。楽しみにしていた海外旅行。楽しみにしていたライブ。

振り返れば、数年おきに自然災害やパンデミックがありました。これからも天災は定期的に私たちを襲います。

想定外の出来事が起きる時代。

”不確実性”が新型コロナ騒動によって大衆の記憶に強く刻まれました。

「”未来”のために”今”は我慢しよう」と思っていた未来が突然奪われるのです。

「”いつか”やろう!」と思っていたことは「”今”やろう!」。

”今”やることの重要性に気づきました。

若者から不人気だった「石の上にも3年」という価値観は、コロナ騒動によって絶滅危惧種です。

若者は”今”、やりがいが欲しいし、”今”、生活を楽しみたいのです。

一方で、不確実性の高い未来に備える重要性も学びました。

不確実な未来に備えて、”学習”、”貯蓄”、”投資”すべきと知りました。

昨年のビットコイン価格の急上昇や現在の株高は不確実な未来に備えた若者の”投資”行動の現れです。

自分にとって”エッセンシャル”なコトを”今”追い求め、同時に不確実な未来に備えて”学習”、”貯蓄”、”投資”する人々は時間とお金を吟味厳選して使います。

「断捨離」、「デジタルの利便性」、「未来の不確実性」を体験した人々のライフスタイルのキーワードは”エッセンシャル”&”デジタル”です。

自分にとって”エッセンシャル(不可欠・本質)”なモノやコトに時間とお金を使い、それ以外のモノやコトはデジタルを使って徹底的に効率化する。

周囲に流されて無駄なモノやコトに時間やお金を使ってきた過去を反省しています。

未来は不確実。お金と時間の無駄遣いは禁物。不確実な未来に備えて”学習”、”貯蓄”、”投資”します。

「家族との時間が1番大事」と気づいた人は、”今”即時に郊外の広い家に引っ越しました。テレワークを活用して無駄な満員電車での通勤を排除し、季節毎に習慣で買っていたスーツや洋服を節約します。

「健康が1番大事」と気づいた人は、惰性で付き合っていた呑み会を辞めて毎朝スポーツジムに通います。

何がエッセンシャルかは人によって異なります。

「やっぱり海外旅行が大好き!」と気づいた人は、外食やファッションへの消費を減らしてでも海外旅行へ行くでしょう。

いずれにしてもメリハリの効いた購買&消費行動になります。

さて、コロナ後の経営戦略のキーワードも”エッセンシャル”&”デジタル”です。

人々が”エッセンシャル”&”デジタル”を追及する社会においては企業も”エッセンシャル”&”デジタル”を経営戦略の柱とする必要があります。

コロナ禍においてもユニクロは堅調に業績を伸ばしました。

それはユニクロが提供する”ライフウエア”が人々にとって必要不可欠な”エッセンシャル”なモノで、しかもオンラインで便利に買えたからです。

新型コロナ騒動が収束すれば外食、アパレル、旅行等への需要はリベンジ消費によって一時的に爆発するでしょう。しかし、その勢いが継続することはありません。

まずやるべきことは、自社の製品&サービスが誰にとってどんな”エッセンシャル”を提供しているのか?再考する。

そして、デジタルを徹底的に活用して、顧客の利便性を高め、オペレーションの効率化を進めることです。

また、社内に目を向けても、自社の社員が行っている業務は人間が行うべき”エッセンシャル”な領域なのか?再検討する必要があります。

ロボットやAIに代替できる業務はRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)等のツールを用いて徹底的に効率化し、人間がやるべき”エッセンシャル”な業務に従業員が集中できる様にする。

リアルで集う必要のある”エッセンシャル”な活動にはリアルで集い、その他の活動はテレワーク等を活用して効率化を図る。

人生において”エッセンシャル”を追及する人々は働き方にも”エッセンシャル”を求める様になります。

オンラインで十分だと感じる会議なのに出社を強要したり、RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)して効率化出来そうな作業を相変わらず人に行わせたり。

”エッセンシャル”を追及して人生の質を高めたいと望む人々の期待を裏切るなら、優秀な人材が流出することとなるでしょう。

また、”エッセンシャル”&”デジタル”を追及しない企業の愚鈍な姿勢は、将来性に疑問符が付き、取引先も離れていくでしょう。

顧客、従業員、取引先から継続的に応援されるためには、”エッセンシャル”&”デジタル”の追及が不可欠なのです。

この動きは既に多くの産業で始まっています。

人々の”エッセンシャル”なニーズは「パーソナルな移動」なので、多くの自動車メーカーは”移動サービス業”への転換を宣言しています。

一方で、フェラーリを求める顧客の”エッセンシャル”なニーズは「所有する喜び」なので、相変わらず所有欲を掻き立てるデザインと性能を追求しています。

ネットで何でも買える時代に”百貨店”に出かける人々が求めている”エッセンシャル”なニーズは”物心両面でのラグジャリー体験”です。そこを磨き込まないならば、コロナ後のリベンジ消費で一瞬は潤っても、衰退トレンドから脱することは難しいでしょう。

ほとんどの旅行がオンラインで購入できる時代にわざわざ旅行代理店の店頭に出かける人々の”エッセンシャル”なニーズは、対面による安心感とコンサルティング力です。そこに気づいて人材投資を続ければ、オンライン専業代理店との棲み分けが可能でしょう。

新型コロナ騒動収束後に本格化する”エッセンシャル”&”デジタル”な社会。

今からしっかりと準備しておきましょう。


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この記事を書いた人この記事を書いた人

吉村慎吾

公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。

現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。

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