CEO BLOG

「老いては”コスパ”重視の子に従え」

経営を始めて30年近くが経とうとしています。

毎年のように新人を採用して育てるという事を繰り返してきて感じるのは、若者の気質は確実に変化しているというコトです。

・お酒を飲まなくなった

・車を買わなくなった

・出世を望まなくなった

・仕事よりもプライベートを重視する

等々。

育ってきた環境が違うのだから気質や価値観が違うのは当然です。

わかっちゃいるけど、「昭和」生まれの多くの経営者が「平成」生まれの若者の取り扱いで大変な違和感を覚えています。

違和感を突き詰めると、根本的な違いは若者に「気合と根性」が通じなくなったことに行き着く気がします。

私自身30年前「気合と根性で結果は変わる!」とメンバーに檄を飛ばして、全メンバーから

”Yes!”

を取り付けて経営していました。

今、ワークハピネスの若者に「気合と根性で結果は変わる!」なんて発言したら、野蛮人を見るような白い目で見られること必至です。

現代の若者に「気合と根性」はナンセンス。

「石の上にも三年」という諺は若者の辞書にはありません。

大切なのは「コスパ」です。

ニーズや才能の適性がマッチしていて、プロセスが適切ならば「気合と根性」など出さなくても「コスパ」良く楽に結果が出るはずなんです。

若者理論によれば商品は「気合と根性」で売るものではなく、ニーズがマッチするお客様に適切にアプローチすれば自ずと売れるものなのです。

昭和生まれの「気合と根性」アプローチ vs 平成生まれの「コスパ」アプローチ

オカルトと 科学ほどの隔たりがあります。

なぜ、こんなに違うのでしょう。

ジェネレーションギャップから来る分断を乗り越えるために必要なのは、「昭和」生まれの経営者が自分の生い立ちを振り返り、同時に若者の生きてきた「平成」という時代を理解する必要があります。

「昭和」という時代は量的な拡大の時代でして。

世界中でモノが不足していたので良いものを作れば売れました。

量的な拡大を実現するために必要な人材は「気合と根性」で勤勉に働くサラリーマン。

私も含め、昭和生まれの経営者が子供の頃に見聞きしてきたヒーローはすべからく「気合と根性」で成功をつかみました。

畑仕事をしながら勉学に励んだ二宮金次郎から始まり、アニメ「巨人の星」の星飛雄馬や「明日のジョー」の矢吹ジョーまで、共通するのは非科学的な「気合と根性」物語です。

社会人になってから学んだビジネスでの偉大な成功者たちの逸話も「気合と根性」。

・正月の午前中以外、休むことなく働いた

・数十回断られても諦めることなく通い続けて受注をもらった

・三日三晩、寝ずに考え続けたら新技術のアイデアが天から降ってきた

等々の逸話。

さらに、私が教わった営業の真理は

「営業とは”モノを売る”のではなく、”自分を売る”」ことである。

この真理によれば、怪しい壺であっても売れるはずで、売れない理由は「気合と根性」不足ということになります。

今思えば「コスパ」無視で、非科学的かつ野蛮な思想なのですが、当時の私はこれらの言説を真面目に信じていました。

一方で、「平成」生まれの若者が見聞きしてきた成功物語はこれとは全く異なります。

「平成」生まれのミレニアル世代やZ世代と呼ばれる若者が生きてきたのは、バブル崩壊後の日本の失われた30年です。

「気合と根性」出して勤勉に働いていたのに突然リストラされる親世代。

一度も右肩上がりの経済を見たことがありません。

「勤勉に働けば、今日より良い明日が待っている」保証もなし。

そして、多感な時期に体験したリーマンショックと震災。

不確かな未来に備えて賢く貯金に励みます。

無駄は悪。

「コスパ」が大事。

検索して、評判確認して、自分に一番マッチしたモノやコトをお得に手に入れるのが賢い生き方です。

仕事も「マッチングと適切なプロセス」を大切にしないと「コスパ」が悪いです。

平成生まれの若者が教わった代表的成功者は、元メジャーリーガーのイチロー選手やサッカーの本田圭佑、

そしてユーチューバーのヒカキンやはじめしゃちょーです。

才能がマッチして、適切なプロセスで努力したから彼らは「コスパ」よく成功したのです。

数年前、寿司職人養成講座を卒業して半年の若者がミシュランの星を取って話題になりました。

若者はこの手の話が大好きです。

昭和の常識では、一人前の寿司職人になるには10年以上の修行が必要でした。

でも本来、才能がマッチして適切なプロセスでアプローチすれば、「コスパ」よく、キャリア半年でミシュランの星が取れるのです。

昭和の「気合と根性」vs 平成の「コスパ」

勝者は”平成”で決まり!

なのでしょうか?

否。

正解はハイブリッドです。

「コスパ」を意識して「マッチングと適切なプロセス」があって、さらに「気合と根性」を出せば大きく結果が変わります。

現代のベンチャー企業の成功物語。

そのミクロの現場で行われていたことは、「マッチングと適切なプロセス」を発見するための「気合と根性」の改善サイクルです。

イチロー選手もヒカキンも、ミシュランの星を取った寿司屋も「マッチングと適切なプロセス」

のもとで「気合と根性」を出し続けたのです。

昭和生まれの経営者と平成生まれの若者の間でジェネレーションギャップが生じるのは、思考における力点の違いに過ぎません。

昭和生まれの経営者も「マッチングと適切なプロセス」という科学が必要なことは十分に理解しています。

でも「気合と根性」というメガネをかけているので、結果が出ない時「気合と根性」不足にイラつきます。

平成生まれの若者も一定の「気合と根性」の必要性を知っています。

でも、「コスパ」というメガネで眺めていると「マッチングと適切なプロセス」が無いことがおバカに見えてイラつきます。

今、結果を出すために必要なのは「昭和」と「平成」の相互理解と相互尊重です。

一方で、「平成」生まれが「昭和」生まれに明らかに優っている資質があります。

それはダイバーシティー&インクルージョン

そして社会問題に対する感受性です。

「平成」生まれはSNSネイティブです。

物心ついた頃からSNSで多様なコミュニティーに参加して、多様性と世界中の問題に触れています。

価値観と視野が「昭和」世代よりも格段に広いのです。

彼らは人種、国籍やLGBTQといったジェンダーの違いを違和感なく受け入れます。

次の10年で、「平成」生まれのミレニアル世代とZ世代が生産と消費の両面で世界のマジョリティーとなります。

「昭和」世代の経営者の選択肢は一択です。

「平成」生まれの若者を活躍させる。

「気合と根性」をわきに置いて、「コスパ」と「マッチングと適切なプロセス」を前面に出す。

ダイバーシティーと社会問題を体得している彼らの感性に頼れば、次の10年の活路も見えてきます。

「石の上にも三年」は時と場合によりますが、

「老いては子に従え」

は、時を超えた真実です。


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この記事を書いた人この記事を書いた人

吉村慎吾

公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。

現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。

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