日本の若者は、世界一安定志向だという調査結果があります。
コロナ禍を経て、若者の安定思考はますます強化されている模様。
これは困ったことです。
40代、50代と歳を経るにつれて、家族が増え、教育費にお金がかかったり、親の介護の問題等、守るべきものが増えてどんどん思考や行動が保守的になっていくのは仕方ないこと。
でも若者は違います。
失敗したところで、まだ先で取り返せるチャンスがあります。
挑戦しなければ大成功はありません。
挑戦は若者の特権なのです。
私たちの会社が存在しているのは、過去の挑戦者達の遺産があるからです。
若者が挑戦しないならば会社も国も確実に滅びていきます。
かつて日本の企業にはたくさんの挑戦者達がいて、今はその挑戦者が生み出した遺産で食べている状態です。
ただ、その遺産ももうすぐ枯渇してしまいます。
挑戦者を生み出すことは会社にとっても国にとっても喫緊の課題です。
企業内において挑戦する若者をいかにして増やすか?
一般社団法人ベンチャーエンタープライズセンターの調査によれば、起業に対するハードルが下がる条件は「身近に起業家の知り合いがいる」ことだと。
つまり、挑戦者が溢れる条件は身近に挑戦者の知り合いがいることなのです。
「挑戦しろ!」と社長がいくら叫んでも、挑戦者は増えません。
社内に身近な挑戦者が必要なのです。
知らない誰かが挑戦して成功した話を聞いても、それは他人事。
同期入社のAさんやBさんが挑戦して華々しい業績を上げたならばそれは自分事となります。
「一緒に机を並べて研修を受けた彼らにもできるんだから俺にだってできるはずだ!」
そう思えます。
「自分ができる挑戦は何だろう?」
と考え始め、目線が上がり、視野が広がります。
挑戦が溢れる企業文化作りのスタートは、挑戦して成功した人を一人生み出すことなのです。
経営者がやるべき事は、挑戦者に対するスポンサーになることです。
「君ならできる!責任は私が取るから安心して挑戦しなさい!」
「仮に失敗したとしても、挑戦した君の姿を僕はしっかりと見て高く評価する!」
こうした声がけを10人に行えば、少なくとも一人は成功します。
その、一人の成功が会社の未来を切り開きます。
そして、その成功に触発されて次の挑戦者達が現れるのです。
会社レベルではなくて部や課のレベルでも挑戦するカルチャーは大事です。
例えば営業部。
そこに10の課があるのならば、責任感の強い日本人の各課長が考えるのは、「いかに自分の課が与えられた予算を達成するか?」となります。
大幅未達で部に迷惑をかけないために、手堅い保守的な打ち手で戦います。
そんな中、自然災害、経済危機、コロナ禍等の逆風にあい、結局のところ部として未達。
これをくり返して数十年売上を横ばいさせてきたのが日本の会社の現状です。
部長が10人の課長それぞれに挑戦を促したらこの現状は打破できます。
「予算の100%達成なんて考えるな。200%超の達成を考えて挑戦してくれ。挑戦した末に大幅未達だったら責任は俺が取る。そして俺は挑戦した君の姿をしっかり見て評価する。挑戦してくれ!」
10人の課長それぞれと、その課の特徴を活かした200%超に到達するかもしれない戦略ルートを支援できたら営業部や会社の未来が変わります。
100%の達成を考えたら、前例踏襲がベースとなります。ところが、200%超を狙うなら、今までと同じ方法では絶対に無理。
過去にやったことがない、全く新しいことに挑戦しなければなりません。
今までアプローチしたことのなかった顧客、営業ルート、提案規模、プロモーション等々。
場合によっては、商材やサービスを大胆に変えたり。
200%超を目指す戦略は、一人の課長にとってはハイリスク・ハイリターンです。
ところが、10の課全部がこの200%超を目指せば、部にとってはミドルリスク・ハイリターンとなるのです。
そして、ある課が発見した新しいルートで会社の未来が変わります。
翌年は、その新ルートを全ての課が採用して、さらなる挑戦をするのです。
売上のベースが一段引き上がれば、会社のステージが上がり、社員の自尊心が高まります。
挑戦者がたくさんいる職場では、挑戦することへの心理的ハードルが下がるので、社内に挑戦者が溢れ出します。
挑戦者が溢れる企業文化の完成です。
かつてのリクルートや現在好調のIT系企業にはこの挑戦の企業文化があります。
挑戦者がいなくなったら会社も国も滅びます。
自ら挑戦する。
それが無理なら、挑戦者に対するスポンサーになりましょう!
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公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。
現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。