危機時のリーダーシップ 経営者がやるべき4つの行動
ナイトクラブやライブハウスで火災が発生すると大変な惨事になります。パニックとなった群衆が一斉の出口に向かい、誰かが転んで下敷きになり、そこにつまづいてまた倒れ、出口が塞がり、でも出口に押し寄せ全員が煙に巻かれた一酸化炭素中毒で全滅。
では問題です。どうすれば全員を助けることができるでしょうか?
いま組織に求められる危機時のリーダーシップ
仮に私が体育会アメフト部だったとしましょう。リーグ優勝記念で部員全員数100名でライブハウスを貸し切ってパーティー中。火災が発生!キャプテンでクォーターバック(司令塔)の4年生がステージに駆け上がりマイクを掴み、「止まれ、静かに俺の話をきけ。」と伝える。
その後、「このライブハウスには出口が二つある。正面玄関とステージ裏。オフェンスチームはマネージャーのヒロミちゃんを先頭に1年から4年まで、年次順に1列。ディフェンスチームはマネージャーのレイナちゃんを先頭に 1年から順次、一列になること」
「脱出後の集合場所は西口駅前ローターリー。以上」と言って脱出開始することです。
これが、危機時のリーダーシップの正解です。つまり、「迅速に脱出経路を示すこと!」です。カオスになったら全滅です。
最悪なのは平時と同様に「みんなどう思う?」と人当たりの良い包容力のあるリーダーを続けることです。
「うちの社長、本当にいつもニコニコしてて可愛いよね♪」は危機に際しては危険です。社員がパニックになってカオスで全滅。
危機時は全員で統一行動を取る事で生き残る確率があがります。
危機に経営者がやるべき4つのこと
現在、コロナ禍によって多くの会社が危機にあるかと思います。今、経営者がやるべきことは次の4つです。
- 延命のための資金確保
- 脱出経路を発見するためのエリートチームの編成
- リストラプランの編成と実行
- 既存クライアントのつなぎ止め
「指示命令型のリーダーシップスタイルは私の性格ではちょっと・・」と思うかもしれませんが、リーダーシップは資質や性格とは無関係です。単なる知識(スキル)です。
私は結婚25年、妻と一度も喧嘩したことがありません。社員を叱ったことも20年前が最後です。多分性格温厚でニコニコタイプです。でも今は明確な指示命令を出しています。
最新のリーダーシップの研究成果は、リーダーシップスタイルは状況適応。状況に応じて必要な行動が変わる。私は34歳の時に100年の歴史ある老舗ホテルのV字再建を1年で達成しました。その時の教科書は日産をV字再生させたカルロスゴーンの手記「ルネッサンス」一冊です。
リーダーシップは年齢や経験でもありません。知識(スキル)です。(ホテル再生の詳しい話はまた別の回でお話します) 危機時のリーダーシップのスキルはここで学べます。
なぜ、危機時にアメフト部は脱出できたのか?それは、リーダーとの”信頼関係”があったからです。逆にいうと、個々人の欲望渦巻く一般営業中のナイトクラブは災害対応不能です。日頃から組織の信頼関係残高を積み上げておくことが必要です。
株式会社ワークハピネスは人材育成研修・組織開発コンサルティングを通して
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公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。
現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。