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アンガーマネジメントはなぜ必要?ビジネスシーンでの重要性について

アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで生まれた「怒り」の感情と上手につきあうトレーニングのことです。かつてはDVの加害者や暴行事件を起こした人向けの構成プログラムでしたが、やがてビジネスの場で活用されるようになりました。

この記事では、アンガーマネジメントをビジネスの場で行うメリットや必要性、アンガーマネジメントのやり方まで詳しく解説します。アンガーマネジメントとはどういうものかを知れば、ビジネスシーンに役立つ理由や必要性も分かることでしょう。

アンガーマネジメントとは?

アンガーマネジメントとは?

アンガーマネジメントとは、「怒り」の感情をコントロールし、うまくつきあっていく方法です。人間関係にはさまざまな感情が伴いますが、その中でも「怒り」は激しくて厄介なものです。

「部下を感情的に叱りつけてしまい、後悔した」という経験がある人も多いことでしょう。感情の赴くままに怒れば人間関係が悪くなるばかりでなく、パワハラにも発展します。近年、ニュースなどにもよく取り上げられる「ブラック企業問題」では、上司が部下に異様な怒り方をして、部下が心を病んでしまう例も報告されています。

つまり、正当な理由があったとしても感情のままに怒ってしまうと、組織そのものが崩壊する危険もあるということです。そのため、現在はアンガーマネジメントの研修を取り入れる企業も増えています。

アンガーマネジメントを企業が行うメリットは?

「怒り」は、決して悪いものではなく、正当な怒りは自分を守るために必要です。問題は「怒り」の感情をコントロールできなくなることです。

2018年に発覚したスルガ銀行不正融資事件では、上司が部下にどう喝とも取れる怒り方をしていることが明るみになり、問題となりました。

アンガーマネジメントで怒りがコントロールできるようになれば、部下を「怒る」のではなく「叱る」ことができるようになります。感情的に怒鳴り散らして部下を恐怖で支配するのではなく、会話による意思の疎通ができるようになれば、お互いの気持ちをスムーズに伝えられるようになるでしょう。同時に、「なんでこんなことも分からないのか」と苛立つことも、怒りが湧く頻度も減ります。

上司が「怒り」で部下を押さえつけなければ、職場の雰囲気も明るくなり従業員のモチベーションも上がります。

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アンガーマネジメントが必要な社員とは?

アンガーマネジメントが必要な社員とは?

では、アンガーマネジメントはどのような社員に効果的なのでしょうか?以下に、アンガーマネジメントが必要な社員の特徴を紹介していきます。

日常的に怒りの度合いが強い社員

怒りっぽいといわれる人や、ちょっとしたことですぐ怒ったり、いつまでも怒りが収まりにくかったりする人は、周りだけでなく本人もつらいものです。怒りをコントロールすることができれば不快な思いをする時間が減り、本人も楽になります。

周囲の人も相手がいつ怒り出すかとビクビクしないで済むので、職場の雰囲気も明るくなるでしょう。

ストレスを溜めがちな社員

怒りっぽい人とは反対に、怒りを我慢しがちな人もまたアンガーマネジメントが必要な社員といえるでしょう。

我慢した怒りは次第に心身を蝕んでいくこともあります。また、ため込んだ怒りはある日急に爆発することもあるでしょう。アンガーマネジメントを行なうことで、怒りを正しく発露できるようになれば、ストレスで体調を崩すこともなくなるでしょう。

リーダーや管理職の社員

リーダーや管理職は、部下を叱ることも仕事の1つです。部下によっては一度や二度言っても分かってもらえないこともあるでしょう。また、人間同士ですからどうしても好き嫌いがあります。

昔は、厳しいことを言って部下を奮い立たせることが立派な指導方法としてもてはやされたこともありました。しかし、相手が過度な負荷を感じていればそれはパワハラになります。叱ることが仕事だからこそ、正しい怒り方や感情をコントロールすることが大切です。

アンガーマネジメントでは感情を分けて考える

では、アンガーマネジメントは具体的にどのような方法で行うのでしょうか?ここでは、最初に行う「感情を分けて考える」という工程を詳しく解説していきます。

第1次感情について

アンガーマネジメントでは、怒りを形成する感情のことを1次感情と呼びます。

怒りの根っこには不安や怖れ、つらいといった負の感情があります。仕事がうまくいかないとつらく感じたり、不安を覚えたりする人も多いことでしょう。

管理職の場合、そのつらさや不安が「部下が一生懸命仕事をしないせいだ」という怒りに転じることは決して珍しくありません。

第2次感情について

第2次感情とは、第1次感情が自分の許容範囲を超えたときに発露する感情です。

前述したように、不安やつらさが蓄積して許容できなくなった結果、発露するのが怒りです。怒りは自分を守るために必要な感情ですが、どんな第1次感情を元に発露しているかを理解することが大切になります。

例えばお客様がいるのに部下が接客をせずに同僚としゃべっていた場合、お客様からクレームが来るかもという不安や怖れが怒りに転じ、部下を怒ることもあります。この場合、部下の直接的な行動が怒りの原因です。

一方、たびたび失敗を繰り返す部下がいた場合、部下が目の前にいるだけで「いつか失敗するかも」という怖れや不安から怒りが発露することもあります。この場合、怒りの原因は部下ではなく、自分の記憶です。

このように、怒りの発露となるきっかけはさまざまで、これをコントロールするのがアンガーマネジメントといわれています。

アンガーマネジメントで対処すべき怒りの種類

怒りの元は1次感情であり、それを発露するきっかけはさまざまであると説明しましたが、発露のきっかけにより、怒りはいくつかの種類に分けられます。

以下に、怒りの種類について解説していきます。

継続してしまう怒り

継続する怒りとは、古い記憶を元に発露する怒りです。

例えば、部下の顔を見て、その人が過去にした失敗が思い出されて怒りがこみ上げてきた場合、それは「継続する怒り」です。過去の怒りをいつまでも収められないと、自分が苦しいだけでなく相手とのコミュニケーションが難しくなります。

表現の激しい怒り

表現の激しい怒りとは、抑制できない状態のことを指します。

例えば失敗をした人に「殺す」「死んでしまえ」といったどう喝に近い言葉を躊躇なく投げかける状態が該当します。

怒るとどうしても表現がきつくなりがちです。しかし、大人ならば理性で表現を抑制しなければなりません。たとえ怒りに正当な理由があっても、極端に相手を傷つけるような言動は理解を得られないでしょう。

頻度の高い怒り

不安や怖れといった1次感情を常に抱えていると、ちょっとしたことでも激しく怒るようになります。

時には、部下が誤字のある書類を提出しただけで、人格を否定するような激しい言葉を使って怒るようになってしまいます。怒りっぽい人、いつもイライラしている人と周りから評価され、自分自身もつらくなってしまうでしょう。

相手やモノに向かう怒り

怒ると口より先に手が出るという人もいるのではないでしょうか。これが相手やモノに矛先が向かう怒りです。

部下が失敗したら殴ったり蹴ったりしてしまう、壁を殴る、書類ケースを投げつけるなどの行為はすべて該当します。

このような怒りの発露はエスカレートして事件につながることもあるので、コントロールが必須です。

社員は「何に怒りを感じるタイプ」なのか

アンガーマネジメントをする際、「何に怒りを感じやすいのか」を知るのが重要なポイントです。以下に、怒りを感じやすいポイントを種類別にまとめました。

公明正大タイプ

公明正大な人は、ルールを厳守する傾向があり、ルールを曲げることが許せません。真面目さや厳格さは社会において求められるスキルではありますが、それが過度になれば「融通がきかない人」というデメリットになります。

そして、働くことに関して優先順位が高く、仕事は大切なものというルールを定めている人は、どんな事情があっても仕事を休んだり遅刻早退を繰り返したりする人を非難し、怒る傾向があります。

博学多才タイプ

博学多才タイプは、言い換えると向上心があり、常に成長したいと頑張っている人とも言えます。努力至上主義の傾向があり、頑張ってもうまくできなかった人や適当に物事をやろうとする人に激しい怒りを抱くことがあります。

このタイプの人は、仕事より趣味が大切と公言して残業をしない人や、家庭を優先して仕事を先延ばしにする人を非難したり、相手ができないことを強く責めたりします。

威風堂々タイプ

プライドが高く、行動を咎められたり意見を言われたりすると激しく怒りを感じるタイプです。一代で事業を成功させた人や、組織の中で高い地位に就いている人に多いかもしれません。

たとえ正しいことを言われても、自分の考え方を否定されたというだけで怒るため、周りから人が離れていきがちです。

天真爛漫タイプ

自分の気持ちを第一に考え、時と場合を考えずに発露してしまうタイプです。

人との和を大切にし、あまり自分の意見を言わない人をみるだけでイライラが溜まるケースもあります。相手がうじうじしているから、つい怒ってしまった、などのように八つ当たりに近い怒り方をすることもあるでしょう。

外柔内剛タイプ

意見は聞くけれど従わないタイプは、自分の考えが絶対で、一度決めたら聞く耳を持つことが難しく、周りとの摩擦が起きやすいです。

納得のできないことを心の中に溜めてしまいがちで、いろいろ言われると怒りを爆発させやすいでしょう。

用心堅固タイプ

人見知りをしやすく、周囲と馴染むまでに長い時間がかかってしまうタイプです。

人とお付き合いすること自体がストレスとなり、我慢した結果怒りとして爆発することもあるでしょう。

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アンガーマネジメントの実践で怒りを抑える方法

アンガーマネジメントはどのように実践していけばいいのでしょうか?以下に、アンガーマネジメントの簡単な流れを紹介します。

思考停止させる(ストップシンキング)

一度怒りを覚えると、さまざまなことが記憶の中からよみがえります。

例えば部下が失敗して怒りを覚えたら、その部下が過去に行った失敗がよみがえり怒りを増幅させてしまうような状態です。

このような状態になると怒りが膨れ上がり、自分でも手が付けられなくなります。ストップシンキングは、そうなる前に一度考えることをやめてみる方法です。

怒りが収まる言葉を心の中で唱える(コーピングマントラ)

「落ち着け」「大丈夫」などのような怒りを落ち着かせる言葉を見つけ、心の中で唱えることで怒りを静めていきます。お経でも歌でもかまいません。自分にとって心が落ち着くものを唱えることで怒りを抑えます。

怒りを10段階で数値化する(スケールテクニック)

自分がどのくらい怒っているのか客観的に数値化することで、怒りを静めることができます。

例えば、お得意様にお詫びに行かなければならないほど大きな失敗をした部下に対する怒りを10と設定し、それに比べてこの怒りはどのくらいだ、と考えます。2,3くらいであれば「こんなことで怒らなくてもいいだろう」と自分を律することができるでしょう。ささいな事で激しく怒ることを減らせます。

怒りから別のものに意識を向ける(グラウンディング)

怒りで頭が一杯になると、他のことが考えられなくなります。グラウンディングは怒りを覚えた時に、別のことに意識を切り替えることで、心を落ちつかせる方法です。

意識を切り替える先は好きなこと、自分の集中できることでかまいません。晩御飯のことを考える、好きな音楽のことを思い出すといった意識的な切り替えでも、一度コーヒーを飲む、外に出てリフレッシュをするといった行動も伴う切り替えでもいいでしょう。一度意識を他のことに向けることで気持ちを落ち着けられます。

時間を置いて仕切り直す(タイムアウト)

怒りは覚えた直後が最も激しく、徐々に沈静化していきます。そのため、怒りを覚えたらすぐに言動に出すのではなく、最低でも5~10秒間を置きましょう。

例えば部下が失敗したらまずは深呼吸する、水を一杯飲んでから叱るなど、間を置く方法を決めます。心の中でカウントダウンをしてもいいでしょう。感情の赴くままに怒らなくてもすむように切り替えましょう。

ビジネスシーンではアンガーマネジメントが重要

今回は、ビジネスシーンにおけるアンガーマネジメントの重要性やメリット、具体的なやり方を紹介しました。

怒りが支配する職場は誰もが働きにくく、怒られないようにといった意識に固執してしまいがちになり、結果として不正隠しなどに繋がりかねません。仕事の効率も下がるでしょう。

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この記事を書いた人この記事を書いた人

藤岡 征太郎

大学卒業後、外資系医療機器メーカーで営業に従事。
6年間で8人の上司のマネジメントを経験し、「マネジャー次第で組織は変わる」と確信し、キャリアチェンジを決意する。
2009年にワークハピネスに参画し、チェンジ・エージェントとなる。

医療メーカーや住宅メーカーをはじめ、主に大企業の案件を得意とする。また、新人から管理職まで幅広い研修に対応。
営業、営業企画、新人コンサルタント教育を担当後、マーケティング責任者となる。
一度ワークハピネスを退職したが、2021年から復帰し、当社初の出戻り社員となる。現在は、執行役員 マーケティング本部長。

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