オーセンティックリーダーシップとは?注目される理由や身につけ方を紹介
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オーセンティックリーダーシップとは?注目される理由や身につけ方を紹介

新しいものが出ては消えていく変化の激しい現代においては、ビジネススタイルの多様性・柔軟性が重要です。そしてそれに伴い人材も新たな価値観が求められます。そんな昨今、注目されているのがオーセンティック・リーダーシップです。

企業としてオーセンティック・リーダーシップに取り組むことにはさまざまなメリットがあります。本記事ではオーセンティック・リーダーシップの概要や必要な能力を解説します。ぜひ参考にしてみてください。

オーセンティック・リーダーシップとは

オーセンティック・リーダーシップとは

オーセンティックとは「本物の」「正真正銘の」という意味です。つまり、オーセンティックリーダーシップとは、本物のリーダーシップ、正真正銘のリーダーシップということとなります。

「本物」とは何か

本物とは「本来のあなたらしさ」ということです。あなたらしくリーダーシップを発揮するとは、あなたの価値観や信念に基づいてリーダーシップを発揮することです。もちろんそこには、多くの人が動いてくれる倫理観がベースとして備わっている必要があります。

価値観とは何か

価値観とは、私たち一人一人の幸せの絶対基準です。自分の大事にしている考え方、行動の基準、軸となるものです。例えば「挑戦」が大事と思っている人は自分が挑戦したり、人に挑戦を勧めたりします。「公平」が大事と思っている人は誰にとっても公平な状況を望んだり、自分自身が周囲の人に公平に接したりします。

これらの価値観は私たちが生きてきた過程で培ってきたものが多いです。小さい頃に挑戦していてみんなが喜んでくれた、かけがえのない体験ができた。そういう経験があると「挑戦は人生を充実させる」という教訓が体に刻まれて、その価値観はその後の挑戦によってより強化されていきます。

こういった人生を充実させてくれる価値観は人それぞれですし、誰にでも存在します。オーセンティックリーダーシップとは、この自分を作り上げている価値観に基づいてリーダーシップを発揮することなのです。

オーセンティック・リーダーシップが注目される背景

私たちは、VUCAと言われる時代に働いており、不確実性が高く変化が早いビジネス環境下において、リーダーの方針、指示、判断を待って動いていては競合との貢献競争を「スピード」という観点で勝ち抜くことはできません。

組織内でリーダーの機能や役割を担っていなかったとしても、リーダーシップを発揮することは求められています。自分の所属する組織のミッションやパーパス、ビジョン、バリューに基づいて自己判断し、顧客への価値提供のために動く必要があります。

私たちは、誰かの指示のもとに動くのではなく、自分の意思で人を動かし、行動していく、その行為自身がオーセンティックリーダーシップを発揮していることです。

自身の「価値観」が「こうした方がいい、こうすることでお客さんに貢献できる」という判断をしているので、私達は自身の価値観に基づき、人を動かしていることとなります。こういった現場での一人一人のアクションが企業の競争力になってきています。

顧客ニーズが多様化し、すぐに変化していくこの時代、メンバー一人ひとりがオーセンティックリーダーシップを発揮できるかどうかは企業の競争力と言っても過言ではないでしょう。

リーダーシップ論の変遷

そもそもリーダーシップの研究は「偉人」は他の人よりも何か優れた資質があるのではないかという仮説から始まったと言われています。様々な研究によって、100年以上前から理想のリーダーシップは時代と共に変わってきました。

特性理論

最初は「特性理論」というものでした。リーダーの特性を研究することで解明されるはず。外見から性格、ソーシャルスキルといった様々な観点から研究がなされましたが、それらはかなり抽象的なものであり、特性からリーダーシップの有効性を見出すことができませんでした。

行動理論

次に注目されたのは「行動理論」というものです。リーダーは先天的なものではなく、どのような行動をとっているのか、の研究が進みました。成果創出、かつ組織メンバーの心理や関係の両方に関心を持って行動するリーダーがおおよそ成果を出すものの、必ず、どの場面でもということでもなかったのです。

状況適合理論

組織内外の環境によって有効なリーダーシップは異なるのではないかという「状況適合理論」といったビジネス環境やメンバーの状況に着目したリーダーシップの研究が進みます。

以下の図はロバート・ハウス氏が提唱した「パス・ゴール理論」です。リーダーがゴールに向けて有効なパス(道筋)を示す時には環境要因とメンバー/部下要因の掛け合わせによって変えていくものであるとしています。

こういったリーダーが行動を選択するという考え方は今でも支持されていています。

1980年代:変革型リーダーシップ

これらの理論が提唱された後の1980年代以降、米国の経済が低迷したタイミングで「変革」が様々な企業で必要となりました。そこで生まれたのが「変革型リーダーシップ」であり、ビジョンで人を動かすというものです。メンバーとビジョンや危機感を共有して組織を導くスタイルです。

1990年代:サーバントリーダーシップ

1990年代になり、ビジネスのグローバル化やインターネットを中心としたテクノロジーの発展によって経営に更なるスピードが求められるようになりました。限られたリーダーが組織をコントロールして動かすことが難しくなり、新たなリーダーシップの形が求められるようになりました。一人ひとりに権限を与え、持っている能力を最大限発揮してもらい、モチベーションを高める。そのリーダーシップスタイルが「サーバントリーダーシップ」です。トップを頂点としたピラミッド型組織を180度逆さまにした「逆三角形のような組織」にしていく、まさにメンバーに奉仕するリーダーシップスタイルです。

2000年代:オーセンティック・リーダーシップ

そして2000年代となり、エンロン事件をはじめとした株式市場の厳しいプレッシャーに対して粉飾決算をしたり、自分自身の富を追い求め続けたりする企業のトップの倫理観や道徳観に危機感を抱いた米メドトロニック社の元CEOのビル・ジョージ氏が本物のリーダー像が必要だと主張しました。それが「オーセンティック・リーダーシップ」です。

オーセンティック・リーダーシップを導入するメリット

オーセンティック・リーダーシップを導入することでどのようなメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。

コンプライアンスを強化できる

まず一つ目にコンプライアンスの強化が期待できます。コンプライアンスとは「法令順守」を意味していますが、企業におけるコンプライアンスには法令だけでなく「就業規則」「企業倫理」「社会規範」も含まれます。

「コンプライアンスに対する知識がない」「ノルマが過剰」「防止する仕組みがない」などチームに欠陥があるとコンプライアンス違反が発生してしまう可能性も拭えません。自己を律し高い倫理観を持つオーセンティック・リーダーシップを用いることで、チーム・社内にコンプライアンスに対する意識を高めることができます。

社員同士のコミュニケーションが円滑になる

自分らしさを尊重しそれを活かすのがオーセンティック・リーダーシップです。それは同時に自分自身でなく、チームメンバーそれぞれの個性も尊重するということでもあります。つまりオーセンティック・リーダーシップでは、周囲の人との関係性を大切にする能力が求められるということです。

オーセンティック・リーダーシップによって良好な人間関係が構築されると、社員同士のコミュニケーションが円滑になります。コミュニケーションが円滑になることで、情報や意見の交換がスムーズになり組織全体のパフォーマンスの向上につながります。

社員のエンゲージメントが向上する

社員のエンゲージメント向上が期待できます。エンゲージメントとは英語で「婚約」「誓約」「約束」「契約」などを意味する単語です。ビジネス・企業におけるエンゲージメントは社内のチームメンバー・従業員との関係性やクライアント・エンドユーザーとのつながりを指します。

先にオーセンティック・リーダーシップの特徴の一つに「真心を込めて人をリードする要素がある」と述べました。この真心を持ったリーダーシップが社員の下につく部下のモチベーションを向上させることにつながり、結果として社員エンゲージメント向上を促します。

オーセンティックリーダーに求められること

オーセンティック・リーダーシップに必要な能力とは

オーセンティックリーダーになるために必要なことは「自己認識力を高める」ことと「一貫性」です。

20世紀最高の経営者とも言われるジャック・ウェルチ氏が引退会見でメディアから、なぜ偉大な経営者になれたのか?の問いにたった一言、「自己認識力(セルフアウェアネス)」と答えました。

また、先述のビル・ジョージ氏はその著「Authentic Leadership」にてオーセンティックリーダーには以下の特性が備わっていると書いています。

1.自らの目的をしっかり理解している
2.しっかりした価値観に基づいて行動する
3.真心をこめてリードする
4.しっかりした人間関係を気づく
5.しっかり自己を律する

ビル・ジョージ著「Authentic Leadership」

1.に書いてある「自らの目的」を理解するということも含めての「自己認識」となります。オーセンティックリーダーには自分自身が生きる目的、働く意味、これらが明確であるということです。

そして、リーダーシップとは「影響力」であり、他者との関わり合い、コミュニケーションによって人を動かし目標を達成をするので、自分はどんな人間で、善悪醜美を何をもって判断しているのか、が理解していないと他者との関わり合いで無自覚に様々な反応をしてしまい、その影響力を失ってしまう可能性があります。

一貫性がないリーダー、昨日と今日の言動が違うリーダーのもとではメンバーは安心してチャレンジすることができません。

あの人らしいよな、と周囲のメンバーからその「らしさ」をブレずに体現することが、周囲のメンバーに安心して目標に向けてチャレンジしてもらうためにも必要なことなのです。

オーセンティックリーダーシップを育てる方法(実践編)

オーセンティックリーダーシップは新たに身につけるというよりも、自分らしくリーダーシップを発揮していたあの小さい頃の自分に戻るということなのです。

そのためにも自分の半生を振り返り、本来の自分らしいリーダー像、途中で身につけたプログラムの存在とそのきっかけと再会することが必要なのです。

それでは、オーセンティックリーダーシップを身につけるためにはどうすれば良いのか。ここからは、弊社ワークハピネスが提供している研修で行う内容をご紹介します。

①一旦、自身の職責を横に置く

弊社は研修の内で受講者にこう問いかけます。「あなたの課題はどのようなものと認識していますか?」多くの方が「私の職責上の課題は・・・」と答えます。

もちろんこれは自然なことです。オーセンティックリーダーシップを自分のものにしたいのであれば、上記のような思考回路を一度横に置く必要があります。職責上の課題ということは、そもそも職責上のあるべき姿があって、そこに対して届いていない部分が課題であるということです。なので、職責が変わればその課題は課題でなくなるということになります。

②自身の幼少期を思い出す

みなさんには幼少期にタイムスリップしてもらいます。

  • あなたは幼稚園や小学校に通っていた時どんな少年や少女でしたか?
  • 今のあなたと同じキャラクターでしたか?

弊社の研修で上記の質問をすると、みなさん「主体性に溢れた自分」を思い出します。

リスクを顧みないチャレンジばかりしていた。「とても高いところから飛び降りて周りをあっと驚かしていた少年」「曲がったことが大嫌いでした。いじめっ子のガキ大将に立ち向かっていく少女」などなど、各自が信念に基づいたリーダーだったのにも関わらず、その頃の自分のリーダーシップはなぜか今社会で発揮できていないことを再認識します。

リーダーシップを発揮できなくなってしまった理由

いつ頃、どこでそのリーダーであるあなたと別れて来てしまったのでしょうか。その原因は、私たちが成長をしてきた過程での教育や躾にあります。

「そんな危ないところから飛び降りたらダメ!」「そんなガキ大将に立ち向かっていって逆にいじめられたらどうするの!」といった親御さんをはじめとした人生の諸先輩たちからの指導が「チャレンジ=危ない」「正義感を振りかざす=返り討ちに合う」といったプログラムとして私たちに刻まれていきます。それがあなたらしいリーダーシップの発揮を阻害してしまうのです。

人によっては、あまり良い思い出となっていない過去の経験、記憶を自分のものと思いたくないものです。

オーセンティックリーダーは、そういう自分の過去を受け入れているため、メンバーへの共感力が高いのです。

ぜひ、自分らしくリーダーシップを発揮していた「小さい頃の自分」を思い出し職場でオーセンティックリーダーシップを発揮してみてください

まとめ

これからも私たちは、予想以上に激しい時代の変化に対応していくことが求められます。そのような時代に求められるのが、今回紹介したオーセンティック・リーダーシップです。

ワークハピネスでは、そんな時代を乗り切ることができる人材を育てるための人材育成トレーニングサービスを提供しています。

マネジメント研修 人間力を高める「マネジメントクエスト」
人間力を高める研修「マネジメントクエスト」

リーダーとしてのブレない軸を明確化することができるプログラム、それが弊社の人間力強化研修です。

この研修では「自分自身の影響力向上の課題」「自分自身が人生かけてやりたいこと」「自社で成し遂げたいこと」について徹底して内省を繰り返します。ビジネスコーチとしての講師やグループの仲間からの繰り返される問いが私たちの深層心理に働きかけます。

各テーマについてWHATやHOWではなく、「WHY」が明確になるまで問いかけが続きます。自社や肩書きとは関係ない、あなたという人間としての価値観や信念、人生の目的が明確となります。

株式会社ワークハピネスは人材育成研修・組織開発コンサルティングを通して
人と企業の「変わりたい」を支援し、変化に強い企業文化をつくる支援をしています。 
新入社員〜管理職・役員研修のほか、全社向けチームビルディングまで
貴社の職場課題に合わせたカスタマイズ対応が可能です。

ウェブサイトにはこれまでに弊社が支援させていただいた研修および
組織コンサルティングの事例を掲載しております。ぜひご参考ください。

この記事を書いた人この記事を書いた人

滝澤 正教

人材アウトソーシングのベンチャー企業㈱エスプール(ワークハピネスの親会社)の創立3年目に新卒にて入社。新規現場、プロジェクトの立ち上げから不採算支店を売上日本一の支店に再生するなど、同社の株式上場に貢献してきた。

多数のプロジェクトを通じ、多くのスタッフと携わる中で「人間の無限の可能性」を知り、「人の強みを活かすマネジメント」を広めるべく、2006年よりワークハピネスに参画。

中小企業を中心とした人材開発、組織風土変革コンサルティングPJを推進している。

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