従業員エンゲージメントとは?向上させるために必要なポイントを解説
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従業員エンゲージメントとは?向上させるために必要なポイントを解説

働き方が多様化する現代社会において、会社と従業員が良好な関係を築くためには従業員エンゲージメントの向上が重要です。しかし、従業員エンゲージメントを高める必要性や具体的な方法がわからなければ行動に移すことは難しいでしょう。

この記事では従業員エンゲージメントとはそもそもどのようなものを指すのかを紹介し、従業員エンゲージメント向上により得られるメリットや社内で把握する方法について解説します。

従業員エンゲージメントとは

エンゲージメントとは「愛着心・思い入れ・絆」を意味する言葉です。つまり、従業員エンゲージメントは「従業員が会社に対して抱く愛着心や信頼度」と言えます。

終身雇用が当たり前だったこれまでの日本では、定年退職まで同じ会社に勤める社員が多かったため、あえて取り組みを行わなくても従業員エンゲージメントの維持が可能でした。しかし、年々働き方が多様化する現代では、従業員エンゲージメントを向上させるために会社側の努力が求められます。

従業員と良い関係性を築けている、従業員エンゲージメントが高い状態を維持することにより、会社にとってさまざまなメリットがあります。

社員エンゲージメントを高める必要性

社員エンゲージメントを高める必要性

従業員エンゲージメントの向上で会社側が得られる主なメリットは以下の4つです。

  • 離職率の低下
  • サービスや顧客満足度が向上する
  • 会社の業績が上がる
  • 社内の信頼感が強くなる

それぞれのメリットに関して具体的に解説します。

離職率の低下

従業員エンゲージメント向上によるメリットの1つが「離職率の低下」です。人材の入れ替わりが多い企業は、新たな人材確保や教育に手間とコストがかかります。そのため、会社にとって従業員の定着は大きな課題と言えるでしょう。

従業員の多くは、会社や仕事に金銭的価値と心理的価値を求めます。

  • 金銭的価値…給与、ボーナスなど
  • 心理的価値…やりがい、信頼、愛着心など

従業員の離職を防ぐためには給与や待遇を改善するだけでは不十分です。従業員が「働きやすい環境で愛社精神や誇りを持って働けるかどうか」がポイントとなります。金銭的価値だけではなく心理的価値も満たせる会社ほど離職率は低く、人材確保にかかる手間やコストの削減に成功しています。

サービスや顧客満足度が向上

従業員エンゲージメントが高いと「会社に貢献したい」という気持ちが芽生えやすくなります。会社や顧客の利益を考えて自主的に行動できる従業員が増えることで、サービスや顧客満足度の向上につながります。

従業員エンゲージメントの向上とサービスや顧客満足度の向上は常に循環します。そのため、良い循環を作り維持することは「会社・従業員・顧客」のすべてにとって大きなメリットと言えるでしょう。

会社の業績が上がる

会社の業績向上も従業員エンゲージメントを上げることにより期待できるメリットです。前述したように、自主的に行動できる従業員が増えてサービスや顧客満足度が上がることで、会社の業績の向上も期待できるためです。

従業員エンゲージメントの向上 → サービスや顧客満足度の向上 → 業績アップ

経営者は常に「会社の業績を上げたい」と考えていますが、具体的に何を行うべきか判断しかねているケースも少なくありません。会社の業績を上げるためには、製品やサービスの質を上げる必要があります。そのためには従業員の意識を向上するための取り組みが最優先だと言えます。

ただし、従業員エンゲージメントの向上を目指した取り組みはすぐに効果が出るわけではありません。従業員エンゲージメントの効果は従業員・顧客・会社の順に実感できるため、長期的な取り組みを行う必要があります。

社内の信頼感が強くなる

従業員エンゲージメントが高い会社は、従業員同士の信頼感が強いことが特徴です。お互いに助け合う気持ちや同じ方向へ進もうとする考えは、信頼感がなければ抱くことができません。同僚が「行き詰っている」「困っている」などの場面で協力できる人材が多ければ、仕事のパフォーマンスも上がるでしょう。

仕事のパフォーマンス向上のためには「従業員のモチベーション維持」も必要です。ただし、モチベーションはあくまで自分を軸にした考えです。従業員同士や会社との良好な関係性を築くためには、周囲のために行動できる従業員エンゲージメントの向上を同時に目指す必要があります。

従業員エンゲージメントを知る方法

従業員エンゲージメントを知る方法

従業員エンゲージメントは「調査」と「モニタリング」によって把握が可能です。従業員エンゲージメントの実態や変化を分析しながら、取り組むべき課題を見つけましょう。

従業員エンゲージメントの主な把握方法は、主に以下の2つです。

  • パルスサーベイ
  • エンゲージメントサーベイ

測定方法やデータからわかることに違いがあるため、複数の調査を継続して行うとより自社の課題を見つけやすくなります。以下では「パルスサーベイ」と「エンゲージメントサーベイ」の特徴について解説します。

パルスサーベイ

パルスサーベイとは、アンケートによって従業員の意識状態をチェックする調査方法です。以下のような質問で従業員の仕事に対する気持ちを調べます。

<パルスサーベイの質問例>

  • 仕事を終えたときの気持ちは?
  • 現在の職場や上司に対する満足度は?
  • 休息を十分に取れているか?
  • 今後挑戦してみたい部署はあるか?

パルスサーベイで用いる質問は、従業員の負担とならないように2~3分で回答できる簡易的な内容にしましょう。また、設問内容は「一日を振り返って」や「今やっている仕事について」のような現時点における情報に絞り込みます。会社側はその都度アンケート内容の集計やチェックが必要ですが、日常的に従業員エンゲージメントを探るためには効果的な方法です。

エンゲージメントサーベイ

エンゲージメントサーベイによる調査は、会社と従業員の関係性の可視化を目的としています。従業員の心理的充実度を探ることができるエンゲージメントサーベイの活用により、会社と従業員の間でギャップが生じていないかどうか把握することが可能です。

<エンゲージメントサーベイの質問例>

  • 会社で働くことに意義や誇りを感じているか?
  • 会社が描くビジョンや戦略をイメージできているか?
  • 仕事の進捗状況を上司や同僚と共有できているか?
  • 会社や上司から適切に評価されているか?

パルスサーベイと比較すると質問量が多いため、半年に一度や年度ごとに行いましょう。また、設問に関しても仕事全般に関する内容や企業戦略に沿った幅広い内容になります。

パルスサーベイやエンゲージメントサーベイを行う際は、従業員がネガティブな感情を持たないように、調査の目的と必要性を事前に従業員に周知しておくことが大切です。業務の合間に回答する調査は少なからず社員の負担になります。会社と社員の関係性を向上し、より働きやすい環境を整えるために実施することをあらかじめ理解してもらいましょう。

従業員エンゲージメントを高めるには?

従業員エンゲージメントは、従業員の努力だけで向上するものではありません。まずは会社と従業員が同じ方向を向くことが大切です。その上で会社側は従業員が安心かつ快適に働ける職場環境を整えましょう。

従業員エンゲージメントを高めるために会社側が意識すべきポイントは主に5つあります。

従業員エンゲージメントを可視化する

まずは現状の従業員エンゲージメントがどれくらいなのかを知る必要があります。前述したようなパルスサーベイやエンゲージメントサーベイを活用し、社員がどのような考えをもって働いているのかを把握しましょう。自社でアンケートを作成して集計することも可能ですが、サーベイツールを活用すれば、より的確な設問で調査ができ、従業員エンゲージメントの可視化がスムーズになります。

従業員エンゲージメントの向上には「定期的な調査による現状の数値化」と「改善へ向けた取り組み」までのスピード感が求められます。サーベイにより情報を得たらできるだけ早く行動につなげましょう。

サーベイツールはツールの内容によってできることや対応力に差があります。それぞれの特徴やサポート力を比較して、自社に合ったサーベイツールを選びましょう。

会社のビジョンを明確にして共有する

会社と従業員が同じ方向を向くためには、会社の経営理念やビジョンを明確にして共有することが大切です。自分が担当する仕事の意味や目的を理解し、社会への貢献イメージができるようになると、仕事への取り組み方や会社への向き合い方がポジティブになるでしょう。

会社のビジョンの認知度や理解度を高めるためには社内に向けた情報発信が効果的です。例えば、普段使用しているチャットツールや社内報などを活用することで定期的に経営層の声を届けるとよいでしょう。また、経営理念やビジョンについて従業員の声を聞ける場を設ければ、会社と従業員との間に意識のずれがないかどうか確かめることができます。

コミュニケーションを活性化させる

従業員エンゲージメントの向上には従業員同士のコミュニケーションも重要です。一緒に働く上司や同僚との関係性が円滑であれば、困ったときやトラブル発生時に相談し合える環境が生まれ、助け合って乗り越えることができます。

従業員同士のコミュニケーションを活性化させるためには、定期的にイベントを行ったりランチ会を開催したりするのもおすすめです。同僚やチームメンバーとの関係性を良好にすることで社内の風通しが良くなり、働きやすい職場環境を作りやすくなります。

適切な人事評価制度を構築する

適切な人事評価制度の構築は従業員エンゲージメントの向上に必須です。いくら経営理念やビジョンの共有、社内コミュニケーションの円滑化を進めても、努力が適切に評価されなければ会社との信頼関係を築くことは難しいでしょう。

従業員一人ひとりに「プロセスや姿勢も評価される」「成果に対する正当な評価がもらえる」と実感してもらうためには、透明性のある人事評価基準を定めて周知することがポイントです。

また、評価とフィードバックをセットで行うことで、従業員の育成にもつながります。

従業員のワークライフバランスを大切にする

ワークライフバランスとは「仕事と生活の両立」を意味する言葉です。従業員のワークライフバランスが崩れると仕事への意欲やモチベーションが下がり、従業員エンゲージメントも低下します。

ワークライフバランスを保つための主な対策は、以下の通りです。

  • 福利厚生の充実
  • 残業時間の削減
  • 複数の勤務形態の導入

ライフスタイルの変化によって従業員が望む働き方は変化します。従業員が心身の健康を保ちつつ仕事を続けるためには、利用できる制度を充実させたり働き方の選択肢を広げたりすることも大切です。

まとめ

従業員エンゲージメントの向上は、業績アップや社内の信頼感を強められるといったメリットがあります。従業員エンゲージメントはパルスサーベイやエンゲージメントサーベイのような従業員サーベイツールによって把握できます。より効率的に進めるためには、自社に合ったツールを選び従業員エンゲージメント向上に向けた取り組みを始めましょう。

より分かりやすく可視化して従業員エンゲージメントの向上を目指すなら「スクエアホイールサーベイ」の活用がおすすめです。

スクエアホイールサーベイは、既成概念にとらわれた状況を絵で可視化するサーベイツールです。従業員と会社の関係を構築するために、以下の9つの要素を5段階で分析します。

  • ビジョン、ミッション
  • 戦略
  • リーダーシップ
  • 既成概念
  • 能力、意欲
  • 風土、文化
  • 強み
  • 多様性
  • 幸福度

スクエアホイールサーベイは、会社のトップやリーダーだけが問題の解決策を考えるのではなく、従業員も一体となって改善に向けて取り組んでいただきます。当事者意識が高まることで、サーベイを通して従業員エンゲージメントの向上を期待できます。また、絵を用いてチームの状態を客観視できるため、ネガティブな雰囲気を避けられる点もメリットです。

「会社と従業員との関係性が希薄になった」「従業員エンゲージメントが低下した」といったお悩みを抱えている企業の方は、ぜひ一度「スクエアホイールサーベイ」の活用を検討してみてください。また、「会社の業績を上げたい」「製品・サービス品質を改善したい」と考えている企業にとっても従業員エンゲージメントの向上は有効です。社内改善の足掛かりとして「スクエアホイールサーベイ」を使用し、社内の現状を知ってみてはいかがでしょうか。


株式会社ワークハピネスは人材育成研修・組織開発コンサルティングを通して
人と企業の「変わりたい」を支援し、変化に強い企業文化をつくる支援をしています。 
新入社員〜管理職・役員研修のほか、全社向けチームビルディングまで
貴社の職場課題に合わせたカスタマイズ対応が可能です。

ウェブサイトにはこれまでに弊社が支援させていただいた研修および
組織コンサルティングの事例を掲載しております。ぜひご参考ください。

この記事を書いた人この記事を書いた人

嶺田賢

大学卒業後、上場派遣会社に入社し、その後、教育系子会社のエスプール総合研究所(現:ワークハピネス)へ。各種サーベイなどの設計・開発、人事制度構築、理念浸透などのコンサルティングを経て、教育周りの企画提案を主な業務とする法人営業を担当。関西地域で大手上場企業の新規開拓をメインに携わり、お客様の理念体系、今後の戦略に沿った、「人の育成」「仕組みの整備」を体系的に提案することを得意としている。

2019年からマーケティングチームの立ち上げに責任者として関与。デジタルの力を活用して、会社の売れる仕組みづくりを構築している。

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