企業存続に必要不可欠な組織変革とは?重要なプロセスやフレームワークを解説
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企業存続に必要不可欠な組織変革とは?重要なプロセスやフレームワークを解説

組織変革とは組織の在り方を何らかの形で変えることによって、状況に即した目標の達成を目指すものです。企業がビジネスを継続するためには、組織変革が必要とされることも多いでしょう。しかしどのように行っていくべきかがわからないケースもよくあります。

本記事では組織変革について具体的にその内容を解説し、さらに代表的なプロセスや、組織変革成功のコツについても紹介します。有意義な変革のために役立ててください。

そもそも組織変革とは

そもそも組織変革とは

組織変革とは組織の文化や風土、構造といった組織の根本的な部分について、抜本的に変化を起こし、改善を図ることをいいます。

組織改革というと組織図を新しくしたり、人員配置を見直したりすることを想像する人も多いでしょう。しかし、このような簡単な変更だけでは、組織変革としては不十分な可能性があります。

経営課題や対策は企業によって異なるため、組織変革のプロセスなどが決まっているわけではありません。しかし組織変革のためには、基本的なプロセスを把握しておく必要があります。

組織変革が重要視される理由

組織変革が重要視される理由には内外環境の変化に伴う、近年のビジネスシーンの変化が挙げられます。とりわけ現在、国を挙げて取り組んでいるDX推進と働き方改革は、組織の在り方に大きな影響をもたらしました。

日本では継続的に少子化が進み、改善の兆しが見られないなかで人手不足の深刻化が問題になっています。一方で労働者は、労働者自身が主体となって働くなかで、極力短時間で多くの成果を出し、休みをしっかりと取る、すなわち労働生産性を高めることを重視するようになりました。

企業はこれらの変化に対応し、経営を持続するために組織変革を行う必要があります。

状況によっては内部環境での問題発生によって、組織変革が必要になるケースもあるでしょう。例えば離職者が増加したり、不祥事が発生したりといった場合には、社内の環境や組織の在り方に何らかの問題がある可能性が考えられます。

負の連鎖を止めて正常な経営を取り戻し、企業が存続していくためには、組織変革で問題を改善していかなければなりません。

このように何らかの課題解決を行い、企業としての存続やさらなる発展を目指すために、組織変革が重要視されているのが現状です。

組織変革を行うメリット・デメリットとは

組織変革にはメリットもデメリットもあります。それぞれについて解説します。

メリット

組織変革によってもたらされるメリットには、業務効率の改善、生産性の向上などがあります。業務フローを改善できれば社員同士の情報共有がスムーズになったり、職場の風通しが良くなったりして、社員の不満解消につながる側面も期待できるでしょう。

デメリット

組織変革にはデメリットもあります。その最たるものが、内部からの反発です。

組織の現状を変革させようとしても、現状に問題を感じていない人には必要性が理解できないことが多々あります。変革によって利害関係が変化するために反発する人もいますが、単純に今の環境に慣れているため変化するのが嫌だと思う人も多いでしょう。

人間には変化を嫌う性質が本能的に備わっているため、多かれ少なかれ、反発してくる人は必ずいます。またどのような変革を行ったとしても、変革によって自分の仕事が楽になる人と、やりづらくなる人とが、一定数生じてしまうものです。

したがって反発する社員にも納得して組織改革に取り組んでもらうために、組織変革の目的を社員全員と共有するなどの対策が必要です。対策の詳細については後述します。

組織変革の前に押さえたい代表的なプロセスとは

組織変革の前に押さえたい代表的なプロセスとは

組織変革には決められた方法がありません。しかしどうやって進めたらいいのか迷うときには、代表的なプロセスが参考になります。以下のような、よくあるプロセスを参考に進めていくのも一つの手です。

ジョン・コッターの組織変革8つのプロセス

ジョン・コッターは、組織変革について研究を進めた著名な学者です。ハーバードビジネススクールの松下幸之助記念講座名誉教授であり、また経営コンサルティング会社であるコッターインターナショナルの創設者としても知られています。

ジョン・コッターが唱えた組織変革8つのプロセスの理論は、1990年代後半よりよく活用されてきました。その概要について解説します。

危機意識を高める

まずは危機意識を高めることです。企業の状態や自分たちが置かれた社内の状態について、問題点を共有し、「この問題を何とかしなければならない」と考えることが危機意識の高まりの第一歩になります。

変革推進チームを築く

組織変革をすると決めたら、変革推進チームを組織します。トップに立って変革を進める立場にあるため、ある程度権限を持っている人が望ましいでしょう。

適切なビジョンを策定する

変革後の状態について社員が興味を持ち、かつ心地良く変革を受け入れていけるような、適切なビジョンを策定します。ビジョンがない場合や、適切ではない場合、変革に対する社員の理解も得づらいうえ、変革推進チームも目的地を定めることができず苦労してしまいます。

変革のビジョンを周知徹底する

変革推進チームが掲げた変革のビジョンを、社員に周知徹底していきます。このとき社員の心に響く文言を用いて、目に見える形に落としこんでいくことが大切です。他の社員から支持されるようなビジョンを示せるかどうかが、変革が成功するかどうかにもかかわってくるでしょう。

メンバーの自発的な行動を促す

組織変革は、上から押しつけられても本質的に実現できません。社員がビジョンに賛同できれば、自発的に行動の変化がおとずれます。

短期的な成果をあげる

組織変革において短期的な成果をあげることは、変革に対してネガティブな意見を持つ人に対して非常に有効です。否定的だった人も成果が出ることで賛同に回りやすくなるでしょう。

さらに変革を進める

短期的な成果があがったとしても、組織変革は一朝一夕になるものではありません。引き続き社員には危機意識を持たせ、変革に対してネガティブな表現をする人には変化を起こすように働きかけを続けます。継続して変化を進めることが大切です。

変革を根付かせる

変化を遂げた行動が、惰性や危機意識の低下によってまた元に戻ってしまわないように根付かせることで、変革が完了します。

クルト・レヴィンの組織変革3つのプロセス

クルト・レヴィンはドイツ生まれの心理学者です。社会心理学の父とも呼ばれており、トポロジー心理学を提唱したことでも知られています。

クルト・レヴィンが組織変革について提唱しているのは、解凍、変革、再凍結という3段階のプロセスの必要性です。この理論は簡潔かつ明瞭で、現在も多くの組織変革の現場で活用されています。

解凍

まずは従来の価値観ややり方を壊し、変革の準備を行います。この段階は、固まったものが溶ける様子になぞらえて解凍と呼ばれています。ここで解凍されるものは組織文化、組織に内在する価値観といったものから、慣習的に続けられてきたプロセス、組織体制など、企業によってさまざまです。

変革

変革のフェーズは、学習の段階でもあります。従来あったものを解凍したあとで、新しいプロセスや組織文化を社員に周知し、学ばせて、身に付けていかなくてはなりません。したがってこの段階では、変革後のビジョンについても社員に共有がなされます。

再凍結

再凍結は変革によって学んだ新しいプロセスや文化について、定着させるためのフェーズとなります。定着をもって組織変革が成功したと判断できます。

マッキンゼーの7S

マッキンゼー・アンド・カンパニー社は、世界の2大コンサルティングファームの一つです。ここでは組織変革について、7Sという多面的な方向性から分析が行われています。これは、3つのハードのSだけでなく、4つのソフトのSを分析すべきとしているものです。それぞれについて解説します。

ハードのS:Strategy(戦略)

戦略は企業の資源分配と捉えることもできます。企業が持つ限られた財源や人的資源を、特定の目標を達成するにあたってどのように配分するか、ということに対する計画や方針のことを、総合して戦略と呼んでいます。

ハードのS:Structure(組織構造)

組織構造は、名称のとおり、組織そのものの構造や機能のことを指します。企業組織がどのような構造を持っているかについて分析を行い、変革を要する場合は組織構造をどう変えれば良いかを検討します。

ハードのS:System(経営システム)

経営システムとは経営や組織運営がどのような方針や方法によって行われているか、という内情を指しています。組織だった報告の方法や日常的な会議の形式など、ルーティンの流れを洗い出して変革のポイントを探ります。

ソフトのS:Shared Value(共通価値観)

共通価値観は、企業が社員に対して求める共通の価値観、理念、概念といったもののことです。価値観が停滞している場合は、新たな価値観を提示し、社員に共有を求めなくてはならないでしょう。これは組織のソフト面にかかわる変革です。

ソフトのS:Skill(能力)

ここでいうスキルとは、社員個人のスキルではなく、経営を左右する重役や、企業全体の総合的な能力のことを指しています。ここでも、スキルが低いか、あるいは企業の目標に対してそぐわない能力を持っているのであれば、変革が必要になるでしょう。

ソフトのS:Staff(人材採用・配置)

人材の採用や配置は、組織変革にとって大きな影響を与えるポイントです。新しく採用することも変革の一つですが、既存の人員を効率的な仕事ができるよう、最適な部署に配置したり、企業目標に応じた配分を考えることで組織変革を促すことができます。

ソフトのS:Style(組織文化)

組織文化には、企業が持っている体質、という意味があります。またそれだけではなく、経営幹部のなかで、企業がどのような組織であるという認識をなされているのかを示すものです。いずれの場合も、企業の目標にそぐわなければ変革が求められる分野です。

組織変革を成功させるコツとは

組織変革には既存のやり方に慣れた社員からの反発が予想され、せっかくの変化が定着しないといったような難しさも想定されます。

そのなかで組織変革を成功させるコツとは、まず社員との間で円滑なコミュニケーションをとることです。変革にあたっての理想や意義を共有することで、社員に自主的な変革を促しやすくなります。

同時に変革を推進するリーダーを用意し、現場管理者の意識改革に注力することも重要です。組織変革はある程度、トップダウンの側面も持っています。社員一人ひとりに、既存の価値観では不十分であるという危機感を持たせることで、変革をスムーズに進めやすくなるでしょう。

まとめ

組織変革は、企業存続のために必要不可欠です。適切な組織変革を行うことで、人手不足が叫ばれる現代において、より効率的な経営が可能になるでしょう。

企業の課題を洗い出し、適切な形で組織変革を行う場合
組織開発や研修のプロフェッショナルであるワークハピネスのサービス利用をおすすめします。チームビルディング研修、管理職研修、若手社員研修など、豊富な研修で社員の意識をステップアップに導きます。

下記よりこれまでに弊社が支援させていただいた研修および
組織コンサルティングの事例をご覧いただけます。ぜひご参考ください。

この記事を書いた人この記事を書いた人

藤岡 征太郎

大学卒業後、外資系医療機器メーカーで営業に従事。
6年間で8人の上司のマネジメントを経験し、「マネジャー次第で組織は変わる」と確信し、キャリアチェンジを決意する。
2009年にワークハピネスに参画し、チェンジ・エージェントとなる。

医療メーカーや住宅メーカーをはじめ、主に大企業の案件を得意とする。また、新人から管理職まで幅広い研修に対応。
営業、営業企画、新人コンサルタント教育を担当後、マーケティング責任者となる。
一度ワークハピネスを退職したが、2021年から復帰し、当社初の出戻り社員となる。現在は、執行役員 マーケティング本部長。

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