テレワークの光と闇
100%テレワークカンパニーに移行してから2年半が経ちました。
100%テレワークカンパニーで働いているワークハピネスのメンバーは実際のところハッピーなのか?を調査すべく、今回はメンバーに対する率直な取材を試みました。
テーマは「テレワークの光と闇」
まずは、テレワークの光から。
・通勤時間が無いって素晴らしい!
これは全員の意見でした。
「以前は通勤にその準備も含めて毎日約3時間。今は、その浮いた時間を趣味や家族と過ごす時間に充てているので生活にとてもゆとりがある」
「毎日、通勤のための服装を考えたり満員電車に乗るストレスから解放されて幸せ」
「浮いた時間で副業ができるから嬉しい」
「フィットネスジムに通う時間を確保しやすい」等々
みんな通勤のストレスから解放され、浮いた時間を様々なことに活用して生活を需実させている様子で嬉しいかぎりです。
次に多かったテレワークの光の側面
・仕事に集中できて生産性が爆あがり!
「オフィスにいると話しかけられたり、電話が鳴ったりで集中が途切れがち。今は、静かに集中できるのでアウトプットのスピードと質が上がりました」
これもほぼ全てのメンバーが上げていたテレワークの良さ。
「集中できる環境」に関してはベテラン以上に若者たちがその利点を喜んでいるようです。
「私は集中してアイデアを考える時におでこに手を当てて俯くのですが、以前は『体調悪いの?』とか『眠いの?』とか言われてとてもやりずらかったです。今は自宅なので心置きなく好きな姿勢で集中できるので嬉しいです」
「散歩している時に良いアイデアが浮かぶので、よく散歩しています。オフィスワーク時代には、これって行方不明で問題ですよね?」
「今はアイデアに詰まった時に検索してブログを読んだり、時にはYouTubeとか見てヒントを得ているのですが、これオフィスで若者がやっているとほとんど遊んでいるように見えますよね。だから以前はインプット足りないのにうんうん唸りながらパワポに向かっていました。すると電話が鳴って、若手なので電話取るじゃないですか。集中途切れて全くアウトプットが出てこない。オフィスワーク時代には時間当たりのアウトプットが恐ろしく少なかった気がします」
オフィスワークで若者は私たちの想像以上に周囲からの目線を気にして窮屈に働いていたのですね。
これは気づきませんでした。
今は、自由に伸び伸びと働いているみたいでこれまた嬉しいかぎりです。
・家事や育児のストレスが激減!
「通勤があると、洗濯、買い物、食事の準備、ゴミ出し等、前日から計画的に用意しておかないと回らなかったのですが、今は仕事の隙間時間にパッパッとこなせる。無計画でも回るのでとっても気楽」
「うちは共働きなので子供が病気の時はお互いの仕事の都合を調整して大変な事態だったのですが、今は私が100%テレワークなのでスムーズに対処できます」
「ワンオペで二人の幼子を育てながら働いているのでテレワークでなければ成り立ちません」
程度の差こそあれ、みんなテレワークによる家事や育児の負担やストレスの低減を享受している模様です。
・その他、テレワークがもたらす光の側面
「3人の小学校の子どもたちが学校から帰ってきたときに毎日『おかえり!』と言ってあげられる」
「旦那が転勤族で自分のキャリアを構築することが難しかったのですが、100%テレワークなので、転勤を気にすることなく自分のキャリアを追求することができるのはとっても嬉しいです」
次にテレワークのもたらす闇の側面
・上司との人間関係が悪いと最悪
「上司からネガティブなフィードバックをもらうとそれがとても気になって闇に落ちていく時がある。オフィスワーク時代は休憩室やラウンジで同僚や直属ではない上の人と会話してストレスを発散していたけど、今は一人で悩みがち」
・部署を超えた雑談が減った
「同じ部門の人たちとの会話ばかり。他部署の人との何気ない雑談が圧倒的に少ない。部門を超えた何気ない会話から良いアイデアとかイノベーションが生まれるので、この先ちょっと心配」
・成長につながる偶発的な出会いが減った
「出不精になってますね。出社してた時は時折会社帰りに異業種交流会に出たり、何かのセミナーに参加したりなどしていたのですが、テレワークになってからはわざわざ夕方に出かけていくのも面倒で。自己成長という観点でちょっとやばいですね」
・健康被害が心配
「テレワークになってから6kg太った!」
・孤独を感じることがある
「以前、東京で一人暮らしをしていた時は1日リアルで誰とも話さないなんて日があってたまに孤独を感じました。毎日、デジタルでは仲間と精神的に繋がっているのに不思議ですね。今は、実家に戻ったので解消しましたけど」
家族がいる人にはとてもメリットの多いテレワークですが、一人暮らしの人には「リアルコミュニケーション欠乏による孤独」をもたらすみたいです。
テレワークでは、コミュニケーション、部門を超えた雑談、偶発的な出会い、運動等が不足しがち。生活環境によっては時に孤独を感じる。
今後、テレワークの光の側面を享受しながら「適切な対処策」を打って闇を減らしていく必要がありますね。
闇の側面は意識を高めれば自助努力で解決できるはずですが、組織的な支援として以下のような施策が挙がりました。
・業務としての雑談会
・学習費用補助による成長支援
・リアルな副業やボランティアワークの奨励
・フィットネスジム費用の支援等々
闇の側面はもちろんあるのですが、総括するとテレワークに対する満足度は非常に高かったと結論できます。
ただ、これを一般論とするのは危険です。
なぜなら、ワークハピネスには以下のような特殊事情があるからです。
・性善説で100%自律的な働き方を認めている
・自己管理能力が高いメンバーが多い(新卒がいない)
・ほとんどの人が家族と同居している
・副業が自由で他のコミュニティーにも居場所がある
自己管理能力が未熟な新卒が多かったり、経営者が従業員の働きぶりを管理したがる場合にはテレワークがもたらす光の側面を享受することが少なく、逆に闇の問題ばかりが噴出してしまうでしょう。
皆さんの会社経営の参考になれば嬉しいです。
WorkHappinessでは、大きく変化する時代の中での組織づくりをサポートしています。
現在、代表吉村によるマンツーマンの無料相談会「カフェワークハピネス」を実施しております。「組織風土を変えていきたいが、どこから手を付けていいかわからない」、「上層部の意識変革を行うにはどうすればいいのか」などお悩みなんでも受け付けております。お気軽に申し込みください。
公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。
現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。