【イベントレポート】残業時間50%減と年収27.5%アップを同時実現した「幸せな」働き方改革の実例
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【イベントレポート】残業時間50%減と年収27.5%アップを同時実現した「幸せな」働き方改革の実例

日本経済のけん引役と期待される中堅上場企業「NEXT1000」。その中でも、【残業時間50%減・平均年収27%増・女性管理職比率2倍以上】を達成し、連結業績にて過去最高売上・利益更新を成し遂げた、株式会社メンバーズ代表取締役社長剣持氏から、組織が大切にしている「みんなが幸せになる」働き方改革の取り組みについてご紹介いただきました。

【イベントレポート】残業時間50%減と年収27.5%アップを同時実現した「幸せな」働き方改革の実例

–– これからの時代を生き残っていくためには何が必要ですか?

組織に必要なのは、ミッションやビジョンの共有

吉村:これからの時代を生き残っていくためには、時代に合わせて変化していく「チェンジマネジメント」が必要です。企業がチェンジマネジメントを進めていくためには、「危機感の醸成」「ミッションやビジョンの共有」「仲間からの支援」が必要不可欠です。この要素を体現し、劇的に成果を上げているのが、株式会社メンバーズが実施した働き方改革です。

株式会社メンバーズの劇的な変容

剣持:2007年、企業のデジタルマーケティングの支援を主な事業としているメンバーズは危機に瀕していました。売上は2割減少し、2期連続赤字が続き、株価は急激に下落。離職率は25%に到達していたのです。
ゼロから働き方改革に取り組んだ結果、残業時間は最大100時間から14.9時間に減少しました。また離職率は25%から6〜10%に低下し、150人だった社員は1192人までに増加しました。赤字だった業績は、営業利益9.6億を達成したのです。
残業時間に関しては一時下げ止まりした時期もあり、現場に確認したところ「これ以上残業が減ったら年収に響く」という意見があったため、残業が減っても年収が維持・もしくは向上できるように取組を実施し、年収も27.5%向上することが出来ました。

–– この劇的な変容をもたらしたものは、なんだったのでしょうか?

社員の総意としての「ミッション」

剣持:すごい頑張っても、色んな施策をやっても、なかなか効果が生まれない。どうすれば良いのかというところから模索をはじめました。

吉村:企業としての求心力を高めるには、魅力的なミッションを掲げなければなりません。それまでメンバーズが掲げていたミッションは、「消費者起点の豊かな社会を作る」というものでした。これは既に現実化しており、求心力の低さが離職率にも現れていたと思います。

剣持:私は主要メンバーと共に、新たなミッションを追求しました。魅力的なミッションは、トップが作って社員に押し付けるものではない。従業員の総意を探るものです。ミッションを追求するということは、社員の幸せを追求するということと同義です。手間のかかる作業ではありますが、「社長のミッション」ではなく、「我々のミッション」と社員が感じられるものを探り当てることができれば、確実に魅力的なミッションとなります。

剣持:社員と向き合うために「この先、人として残りの人生をどうするか」について、深く話し合いました。その先に見えてきた「自らのプロフェッショナルスキルを生かし、達成感を得たい」という社員の欲求を実現するために、彼らの能力や給与の向上も目指しました。そこで生まれた「MVVS経営」(mission、vision、value、strategy)が会社の大きな根幹となっています。
これと同時に、これが最後の挑戦になるかもしれないと考え、社会に貢献できる会社を目指しました。今、大量生産・大量消費は、さまざまな社会的問題の根源となっています。物質的な欲求を高めているのは、大企業の広告です。豊かさの概念が物質的なものから切り離されなければならないのです。ここが変われば、社会全体が変わっていくのではないかと考えています。

人と企業を幸せに導く「コアバリュー」

吉村:「ほしいものをすべて手に入れたとしたら、なんのために生きますか?」この問いに対して出てくる答えが、会社のコアバリューです。一番効率的なのは、仕事で幸せになること。つまりコアバリューを仕事で表現すれば、幸せになることができるのです。物事が目まぐるしく変化していく現代社会においても、コアバリューは100年間変わらないものだと思っています。
企業のトップの言っていることとやっていることにズレがあると、社員に葛藤が生まれてしまいます。トップのコアバリューを、これ以上突き詰められないところまで突き詰めていけば、考え方はシンプルになります。さらに、判断基準が明確になり、逐一、報告・連絡・相談する必要がなくなるため、仕事のスピードアップにもつながります。コアバリューの明確化こそが、人と組織を幸せにする経営につながっていくのです。

剣持:何をやるかではなく、なぜやるのか。MVVS経営に沿って考えたときに、社会課題解決がビジネス成功につながることを確信した時があります。
東日本大震災の発生時、被害を受けた地域を支援しようと、メンバーズは現地のデザイナーを遠隔で雇用しました。すると生産性が下がるどころか上がったことを追い風に、100名規模のオフィスを現地に設立しました。この事例をもとに、「地方の雇用創出がメンバーズのミッションなのでは?」と思い立ち、地方での採用を増やしました。デザイナーの採用が困難なため、東京ではアウトソーシングに頼っていたのですが、その頃よりも利益率が上がり、東証一部上場を果たしました。
メンバーズが掲げたコアバリューは「貢献すること」「誠実でいること」、そして「仲間を大事にすること」です。「利益を上げよう」「上場しよう」というパワーよりも、「何かいいことをしよう」というパワーの方が、ずっと大きな成果につながります。
また、同時に全員参加型の経営を推進しています。(吉村さんが言う仲間からの支援ですかね)現場から経営にドンドン提案があるようにもなりました。まだ山の1合目、これからどんどん会社に変化が起きていくと信じています。


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▼講演資料イメージ

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