コラム「これからの時代の人と組織」第1回 働き方改革時代に何をすべきか
No Office革命

コラム「これからの時代の人と組織」第1回 働き方改革時代に何をすべきか

皆さんこんにちは!WorkHappinessの岩波です。2020年は激動の年となりそうですね。
いろいろ起きていますが、この社会の変化はすでに何年も前から始まっており、私にはその変化がさらに加速されていく感覚があります。

これから何回かに分けて、「これからの時代の人と組織」というテーマで、このテレワークが急速に進み、働き方改革時代に何をすべきかについて考えたいと思います。さらに、この社会の変化や人の価値観の変化や、次世代における人や組織のあり方などについても書き記していきたいと思います。


テレワークで人や社会で変わること

さて、昨今のわかりやすい変化としては、在宅勤務やテレワーク(リモートワーク)ですね。テレワークになって何が起きてくるのでしょうか。
今までは、「会社に来れない理由のある人がテレワークをする」というように、テレワークは選択肢のひとつでした。あくまで”主”は出社で直接顔をあわせることで、”副“次的なものとしてテレワークがありました。そのため、一部の進んだ企業が取り入れていた、という状況でした。

しかし、これから私たちは、半年から1年または2年くらいの間、強制的にテレワークをしていくことになります。これからは社会全体においてテレワークが”主”の時代に入ってくる可能性が高いのです。

そうなると、「どうやったらリモートワークで仕事がやりやすくなるか」という考えが社会全体で進みます。その結果、思ったよりリモートでできてしまう仕事が多くあることに私たちは気づきます。同時に「リモートではムリ」ということも増えるでしょう。

ただ今は私たちはリモートでどう現状を乗り切っていくかを考えざるを得ないのです。ではテレワークが常態化すると何が起きてくるか、思いつくものをあげてみます。

テレワークが進むと起きる8つのこと

●自立分散的社会システムの進行
大都市集中型の中央集権的社会システムから、地域分散型の自律分散的社会システムを模索する動きが加速する

●オフィスの必要性の変化
一同に集う大きなオフィスの必要性がなくなり、今までよりオフィス面積は縮小または分散オフィス化していく

●プロジェクト型組織への転換
ヒエラルキー構造の機能別や事業部別組織から、フラット構造のプロジェクト型組織へ転換が進む

●社員シェアリングの定着
いち企業で一つの仕事をするのではなく、複数企業やコミュニティーでプロジェクト参加型で仕事をする人が増え、社員シェアリングが進み、社員という概念が曖昧になる

●信頼や共感の取引へのモデル転換
ビジネスモデルはひとつの商品やサービスに対する対価という取引よりも、※サブスク的な信頼や共感による経常的な取引をするモデルへ転換が進む

●ベーシックインカムの導入
ベーシックインカム的なものを導入するような国や地域も増える

●価値交換の手段の増加
資本主義的経済成長による社会発展の限界から、経済成長や現代の”お金“の介在を極力少なくした価値交換の手段が増える

●”GIFT“的価値循環の必要性
共感や信頼のネットワークをベースにした、”GIFT“的価値循環がより社会に必要になってくる

などです。他にも多くのことがリモートワーク時代で進んでいくと考えられます。ただ、ここで挙げた変化は、実はコロナの影響がなくても少しずつ進んでいたのです。

ただ、今挙げたような変化は実はコロナがなくても少しずつ進んでいました。そこで、オムロン創業者の立石一真さんが1970年に提唱した未来予測理論である※SINIC理論を取り上げて、これからどんな社会が来るのかを考えてみたいと思います。

50年前に考えられた未来予測理論(SINIC理論)

この理論をごく簡単に説明すると、人類の社会文明は「科学」と「技術」と「社会性」の3つ巴で発達してきたというものです。

「科学」や「技術」の進化が起きても、人間の社会性があがっていないと、その科学や技術を低レベルの欲求や認識で使用してしまう。原子力を爆弾にしてしまう、ブロックチェーンを仮想通貨として投機の材料としてしまうなど。同様に、人間の「社会性」だけが発達しても、その思想や価値観を社会実装するような「科学」や「技術」がおいつていなければまた文明は進化しない。

そして、その3つ巴の進化がどう行われてきたのかを示し、そしてこの先どういう進化をしていくのかを予測したものが以下の図です。ちょっと見てみてください。面白いですよね。

50年前に考えられた未来予測理論(SINIC理論)

【オムロン株式会社HPより引用】

この理論では、2006年〜2025年までは「最適化」社会にあると1970年の時点で予測しています。「最適化社会とは何か」については以下に簡単に説明しますす。

最適社会とは何か?

それまでの工業社会の価値観では、効率や生産性、モノや集団が重視されてきた。一方、この先の自律社会では精神的な豊かさを求める価値観が高まっていく。心の満足や個人の生き方を重視する価値観。最適化社会は、この2つの社会の価値観の狭間で破壊と創造を繰り返し、最適化を進めていく混沌とした時代。

そして、およそ6年後に到来を予測している自律社会は、自分がありたいと思う生き方を何の束縛も受けずに自らの価値基準で決め、自ら実現させ、生きる歓びを享受できる成熟社会。自律社会ではモノだけでなく人間の知識や感情、心の重要度が増すため、知性や感性など人間にかかわる科学や技術の発展が求められる。

ということで、50年前に人類は社会の価値観の転換の間で葛藤を抱える時代が来ることをすでに予測していたんですね。そして、まさに「自律社会」の実現に必要な社会性や科学や技術が揃ってきていると思いませんか?コロナはまさにこの最適化社会の最後の葛藤のテーマなのかもしれません。

では今後、社会や組織はどのような転換を求められているのでしょうか。その辺についてまた次回以降にお話をしていきたいと思います。

最適化社会に、自律した若手社員を育てるには?育成事例はこちら


※サブスク・・・サブスクリプション(subscription)の略語。会員制や定期購読など、定額で料金を支払い、その一定期間の間サービスを受けるビジネスモデル。

※SINIC理論・・・SINIC理論は、1970年国際未来学会でオムロン創業者の立石一真氏が発表した未来予測理論。SINICとは“Seed-Innovation to Need-Impetus Cyclic Evolution”の頭文字をとったもので、「SINIC理論」では科学と技術と社会の間には円環論的な関係があり、異なる2つの方向から相互にインパクトを与えあっているとしている。

ひとつの方向は、新しい科学が新しい技術を生み、それが社会へのインパクトとなって社会の変貌を促すというもの。もうひとつの方向は、逆に社会のニーズが新しい技術の開発を促し、それが新しい科学への期待となるというもの。この2つの方向が相関関係により、お互いが原因となり結果となって社会が発展していくという理論です。


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この記事を書いた人この記事を書いた人

岩波直樹

大学卒業後、富士銀行(現みずほ)入行。2002年ワークハピネスの立ち上げに参画。

世界有数の外資系製薬会社の採用戦略コンサルティング、数十年利益の出ていなかった 老舗ホテルのターンアラウンド、民放キーテレビ局の人事制度改革など数多くを成功に導く。現在は、従来の組織マネジメントにパライムチェンジを起こす組織開発プロセスデザイン等を手掛ける一方、これからの人類文明の進化における社会システムの創造研究を行う。

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