キャリア形成とは?考え方や意識することなど必要な力についても解説
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キャリア形成とは?考え方や意識することなど必要な力についても解説

働き方が刻々と変化するビジネス社会において、一人ひとりのキャリア形成はとても重要です。キャリア形成によって、今後のビジョンを明確にしたり、よりよく働くヒントを見つけたりできます。

しかし、キャリア形成という言葉を知っていても「キャリア形成が必要とされる理由」や「キャリア形成に向けたアクション」などを具体的にイメージできていない人は少なくありません。

今回は、キャリア形成の重要性や、キャリア形成のために意識すべき点について解説します。自分がなりたい姿に近づくために、まずは自己分析をしっかり行いキャリア形成に必要な力を身につけましょう。

キャリア形成とは

キャリアには「仕事で得た経歴・経験」という意味があります。さらに、「人生を通じて持続性や継続性がある概念」としても使われる言葉です。つまり、キャリア形成とは「職業経験や人生のなかで継続して経験を積むプロセス」であるといえます。

キャリア形成はただ働いているだけで実現できるわけではありません。働く意味や人生の目標を明確にした上で、自分が今何をするべきかを考えながら、日々仕事に向き合うことが大切です。

また、キャリア形成は出世やスキルアップなど仕事において使われがちな言葉ですが、個人の人生における自己実現を目指すためにも役立ちます。働き方だけでなく生き方についても、5年後、10年後の自分のありたい姿を思い描き、理想像に近づくためにはどうしたらよいか考えることも大切です。

昨今、社員のキャリア形成を促す目的で、キャリア形成支援に力を入れる企業も増えています。さらに、文部科学省が子どもたちのキャリア教育を推奨するために、2020年4月からキャリアパスポートを導入し始め、キャリアの充実化は年々広がりを見せています。同時に、年齢やビジネス、プライベート問わず、自らの成長のために必要な能力を育てていくことが、現在の日本に求められているとも言えます。

キャリア形成が重要視されている理由

キャリア形成が重要視されている主な理由は、以下の4つです。

  • 終身雇用に対する考え方の変化
  • 転職者の増加
  • AIの発達
  • 働き方の多様性

終身雇用に対する考え方の変化

かつて日本には終身雇用の企業が数多くありました。しかし、現代では経済の低迷やグローバル化によって、終身雇用や年功序列は崩壊しつつあることが現状です。

就職すれば長期間雇用が続くという考えは、今や一般的であるとは言えません。そのため、自分のスキルをどのように磨き、どう働くかを自分で考える必要があります。

転職者の増加

終身雇用制度が崩壊しつつあることと同時に、近年ではよりよい業種や職場で働きたいという理由から、転職を目指す人が増えています。就活や転職を考える人が増えるほど競争率は激しくなり、就職の難易度は高まります。

従来は幅広く業務がこなせる総合職のような働き方が主流でしたが、最近では専門スキルに特化したスペシャリストのような働き方も増えています。また、個人に求められるスキルが多様化していることからも、自分の強みとなるキャリアを築くことが大切です。

AIの発達

人々が行っている仕事の多くは、AIによる代替が可能と言われています。既に無人店舗や顧客分析のように、AIが人間の代わりに行っている仕事もあります。

一方で、AIに代替えできないような職種や業務ももちろん存在します。社会にとって必要な人材となるためには、将来のことを考えてキャリア形成を行う必要があります。

働き方の多様性

「働き方の多様化」もキャリア形成が重要視される理由の一つです。政府はフレックス制度の導入やテレワークの推進など、働き方の多様化を目指しています。雇用環境の変化や企業が求めることに柔軟に対応するためには、言われたまま業務をこなすだけではなく、自分で考えて目的を持ち、自ら行動する力が必要不可欠です。

キャリア形成のために意識すること

キャリア形成のために意識すること

キャリア形成の重要性を理解したものの、まず何から始めたら良いのかわからないという人もいるかもしれません。ここでは、キャリア形成のために必要な心構えや考え方、意識すべきポイントを解説します。

Will・Can・Mustを考える

●Will(やりたいこと):欲求・動機

●Can(できること):経験・能力・強み

●Must(やるべきこと):責任・周りからの要望

Will・Can・Mustを考えることは、自分の状況や状態を冷静に見つめ直すきっかけとなります。「やりたいこと」や「なりたい自分」に近づくヒントを見つけることは、キャリア形成の第一歩です。

目指したい人を見つける

仕事に対する行動や考え方などお手本となるロールモデルを見つけることで、効率良くキャリア形成を続けることができます。

「あの人のようにかっこ良く仕事をしたい」「真似してみたい」と思える人が見つかったら、言動を参考にしながら自分に不足している部分を洗い出して改善していきましょう。

ロールモデルが上司や先輩など身近にいる人であれば、話を聞いて考え方や意識していることを探ることが1番です。著名人や歴史上の人物であれば、著書やインターネットなどから情報を集めてみましょう。

したくないことをリストアップする

中には「キャリア形成をしたいけれど、やりたいことが見つからない…」「今の自分を変えたいけれど、目指したいロールモデルが見つからない」という人もいるでしょう。そのように、キャリア形成の取っ掛かりが見つからない人は、まずやりたくないことをリストアップしてみましょう。以下は、やりたくないことの具体例です。

●体力勝負な仕事

●生活リズムが不規則な仕事

●責任が重く自分にとってプレッシャーになる仕事

●収入が安定しない仕事

やりたくないことがわかると、やりたいと思えることをイメージしやすくなります。

自分の適性を理解する

キャリア形成のためには、自分の適性を理解することも必要です。自分の得意分野や強みを生かした仕事に就くことができれば、やりがいを感じながら働くことができます。

ただし、必ずしも自分の適性にマッチした仕事に就けるとは限りません。理想的な職場に出会えるまで転職を繰り返すという選択肢もありますが、それではキャリア形成はむずかしくなります。

「自分に合わない」と判断する前に、自分が持つ他の適性や能力を展開する道を探ってみることも大切です。

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キャリア形成に必要な力とは

キャリア形成を目指すためには、継続的に努力する必要があります。キャリア形成に必要な力を理解し、自己実現に向けて課題点をクリアしていきましょう。

キャリア形成に必要な力は、主に4つあります。

人との関係を築く力

キャリア形成に必要な力の1つが人との関係を築く力です。

SNSやインターネットが発達した現代では、人と人が直接関わり合う時間が少なく、人間関係を築くことに苦手意識を持つ人が多く見られます。しかし、仕事をする上で人との関わりはとても大切です。

コミュニケーション能力を高めることで、相手が求めることに気づいたり必要なアクションを考えたりできるようになります。またコミュニケーションによって情報を共有したり理解度を深めたりすることも、円滑に仕事を進めるうえで重要です。

自分を理解し成長する力

キャリア形成には自分を理解して成長しようとする意思が必要です。

自分のスキルや現在の状況を客観的に考え理解できていると、「できること・できないこと」「得意なこと・苦手なこと」など理想とのギャップを埋めるためにすべきことの把握がスムーズになります。

また成長を続けるため、キャリア形成のために続けてきた努力や成長を振り返る時間も大切にしましょう。

課題を発見し解決する力

キャリア形成は「課題の発見」と「解決」の繰り返しです。自分で課題を見つけ解決する力があれば、着実に自己実現に近づくことができます。

「なぜ上手くいかないのか」「成功には何が必要か」など自分の言動から改善点や課題点を見つけることができれば、あとは解決策を考えて実行するのみです。

仕事にかかわらず普段の生活や自身の行動の中で課題を見つけるクセをつけるよう意識しましょう。

計画を立て遂行する力

キャリア形成のために計画を立てても、遂行する力がなければ失敗に終わります。

キャリア形成のために必要な心構えや考え方を理解することは簡単です。しかし、自分に必要なアクションや課題点を整理して計画を立て、さらに計画を遂行するためには強い意志が求められます。計画を立てただけで満足しないよう、計画と実行をセットにしてキャリア形成を目指しましょう。

キャリアデザインをしっかり行うことが重要

キャリアデザインをしっかり行うことが重要

キャリア形成をするためには、あらかじめキャリアデザインをしておくことが重要です。

キャリアデザインとは、働くことと自分の人生設計を絡めて具体的なビジョンを描くことを意味します。

キャリアデザインには、以下を含めた自己分析を行うことがポイントです。

●人生における「働くこと」の意味

●自分の適性を活かせる場所

●理想の働き方や家庭生活

キャリア形成に必要な部分を見つけるためにも、思い描く将来のビジョンを明確にしておきましょう。キャリアデザインをしっかり行うことは、仕事に対するモチベーション維持やキャリア形成を続ける意欲アップにもつながります。

企業においては社員のキャリアデザインの支援を行う会社も増えているため、魅力的な制度は積極的に活用しましょう。

<企業が行う主なキャリアデザイン支援策の例>

  • 社内公募制度:企業が求めるスキルや資格を提示し人事異動の希望を募る
  • 自己申告制度:自己評価や仕事への満足度などを把握
  • 社内インターンシップ制度:希望する他の部門で仕事の雰囲気を知ることができる

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“自分のために”なるかを優先して考えよう

キャリア形成のためには、今の自分を客観的に見つめ直すことも重要です。若手社員であれば、入社時に描いていたキャリアデザインと「今自分がやりたいこと」「今後目指したいキャリア」を比較してみましょう。中堅社員の場合は、「会社が求めるキャリア」と「自分が望むキャリア」にズレがないか確かめることで、自分のためになるかどうかを判断しやすくなります。

今働いている職場が自分のためにならないと思うのであれば、転職することも1つの手です。ただし、自分に「合う・合わない」だけで転職を決めると、同じことを繰り返してしまう可能性があります。転職を検討する前に、まずは今の職場で自分の能力を高めるためにできることがないかどうか考えてみましょう。

就職活動中の人や転職を検討している人は、転職した先の仕事が自分にとってプラスになるかどうか考えることが大切です。仕事を通じて「自分はどのようになりたいか」「どのようなキャリアを身につけたいか」を考えながら、就職・転職先を選びましょう。

【まとめ】

ビジネス社会において、AIの発達や働き方の多様性などさまざまな理由から、キャリア形成が重要視されるようになりました。仕事面におけるスキルアップや出世だけでなく自己実現にもつながるキャリア形成は、自分の将来設計にも大きく影響します。

キャリア形成のためには、まずは自分と向き合って適性や不足している部分を見つめ直すことが大切です。フレームワークを行ったりロールモデルを見つけたりしながら自己分析を行い、コミュニケーション能力や計画を実行する力を高めてキャリア形成を目指しましょう。

キャリア形成は個人だけではなく企業に関しても重要な取り組みです。昨今の転職の主流化やテレワークの推進に伴い、企業は今まで以上に社員と向き合い、変化する社会にどう適応するかを考える必要があります。キャリア形成を通じて、社員個人のスキルアップだけでなく、会社と望むキャリアの方向をすり合わせることも重要です。

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この記事を書いた人この記事を書いた人

藤岡 征太郎

大学卒業後、外資系医療機器メーカーで営業に従事。
6年間で8人の上司のマネジメントを経験し、「マネジャー次第で組織は変わる」と確信し、キャリアチェンジを決意する。
2009年にワークハピネスに参画し、チェンジ・エージェントとなる。

医療メーカーや住宅メーカーをはじめ、主に大企業の案件を得意とする。また、新人から管理職まで幅広い研修に対応。
営業、営業企画、新人コンサルタント教育を担当後、マーケティング責任者となる。
一度ワークハピネスを退職したが、2021年から復帰し、当社初の出戻り社員となる。現在は、執行役員 マーケティング本部長。

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