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OKRとは?メリットや他の目標管理との違い、運用方法を解説

OKRは、シリコンバレーの大企業で採用されている目標管理の方法です。日本でもOKRで得られる効果に注目し、実際に導入している企業があります。

本記事では、OKRの概要や導入した場合に得られるメリットなどを解説します。またOKRの導入を成功させるためのポイントや導入事例もあわせて紹介しているので、ぜひ役立ててください。

OKRとは

OKRとは

OKRはObjectives and Key Resultsの略称で、目標を設定して管理する方法を意味します。OKRはアメリカのIntel社で誕生し、シリコンバレーにある世界的に知名度が高い企業でも注目を集めています。

OKRが注目されている理由は、従来の目標設定や管理方法よりも目標が設定しやすいためです。さらに追跡後に再評価につなげられることもOKRの強みの一つです。

OKRの要素を解説

OKRは「O」と「KR」の2つの要素で構成されています。それぞれの要素を以下で詳しく解説します。

O

OKRのOが意味するのは「Objectives(目標)」です。目標は、数字などを入れずにシンプルなものに設定します。例えばモチベーションを高めてくれるものや個人やチームで覚えやすいもの、チャレンジしたくなるようなものなどが好ましいです。

目標を設定する際に重要なのが、1~3カ月で達成できる内容になっているかです。3カ月以内の達成が難しい場合は、さらに抽象度を上げた目標を立てるようにしましょう。

KR

OKRのKRとは「Key Results(主要な結果)」を指しており、設定した目標の達成度を確認するための指標のことです。KRは一つの目標ごとに2~5つ程度設定するようにしましょう。

指標に用いるKRは数値を入れずに設定するOに比べて、具体的な数値を入れる必要があります。Oでは抽象的な目標を立てましたが、KRでは困難であるものの達成が可能な内容を設定し、60~70%達成すれば成功とみなすことができます。

混同されやすい言葉との違いとは

OKRと似ている用語に、KPIやKGI、MBOなどがあります。それぞれの意味やOKRとの違いを確認しておきましょう。

KPIとの違い

KPIとは「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」の略称で、最終目標までの達成度を確認するための中間指標です。OKRの主要な成果では60~70%の達成を目指しますが、KPIでは100%の達成が目的です。

KGIとの違い

KGIとは「Key Goal Indicator(重要目標達成指標)」のことで、最終目標の達成度を測定するための指標です。一方でOKRは3カ月ごとに見直す必要があり、最終目標の指標ではありません。

MBOとの違い

MBOとは「Management by Objectives and Self Control(目標管理制度)」の略称で、個人の自主性を尊重しつつ業績アップを目指し、社員の報酬を決める際に用いられます。OKRは社員の報酬に影響しません。

ノルマとの違い

ノルマとは、目標ではなく満たさなければならない最低ラインを意味します。OKRは達成できるラインよりも、やや高めの目標を立てるのが基本です。設定ラインの位置付けは、ノルマよりもOKRの方が高めに設定されています。

ノーレーティングとの違い

ノーレーティングとは、人事評価の際に点数制を用いない方法のことです。一方でOKRは個人やチームで立てた目標管理の方法なので、報酬などの評価と結び付けることはありません。

OKRを導入するメリットとは

OKRを導入して目標管理を行った場合、どのようなメリットが得られるのか以下で解説します。

設定に時間がかからない

OKRのサイクルは1~3カ月でシンプルな目標を立てるため、目標達成に向けた行動をスピーディーに進められます。

課題を共有できる

チームで共通の目標を設定した場合は、課題を共有できる上に互いに協力して取り組むことができます。

生産性の向上につながる

同時進行のタスクがある場合でも優先順位を付けられるため、取り組むべきタスクが明確になります。さらに集中して仕事ができる環境が整備されることで、会社全体の生産性の向上につなげることも可能です。

コミュニケーションが取りやすくなる

チームなどで共通の課題に取り組むことから、OKRを通じて各チーム間のコミュニケーションの改善につながります。

エンゲージメントの向上につながる

会社全体で共有する目標でもあるため、社員一人ひとりが企業への貢献を感じやすく、エンゲージメントの向上が期待できます。

OKRを導入する手順

OKRは3つの手順に分けることができます。以下では、OKRの具体的な手順を解説します。

手順1:達成目標(Objectives)を設定する

まずは達成目標を個人やチーム内で設定します。達成目標を決める際のポイントは、企業、チーム、個人の順に達成目標を設定していくことです。企業の達成目標を立ててからチーム、個人の達成目標を検討していくのが理想的です。

チームや個人の達成目標を決める際は、1~3カ月で60~70%の達成度が見込めそうな内容を設定する必要があります。例えば業績アップや顧客満足度の向上の他に、チーム・個人のモチベーションが高まるような目標を立てることが大切です。チームの達成目標は、構成メンバーが納得できる内容を話し合って決めましょう。

手順2:主要な成果(Key Results)を設定する

達成目標の設定後に、主要な成果を2~5つ程度決めていきます。主要な成果は達成目標の達成度を測る指標になるため、「20%」や「30件」などの具体的な数値を入れたものを設定しなければなりません。

例えば達成目標が「四半期の売上高をアップさせる」とした場合は、「前年比〇%アップを目指す」や「新規の顧客数を〇件増やす」などが有効です。また主要な成果は簡単に達成できるものではなく、努力は必要だが実現できるものにするのが重要です。

手順3:レビューを行い、次期のOKRを設定する

レビューは、達成目標に対して達成率がどれくらいかを把握する上で重要なものです。レビューを行うタイミングはOKRの実施期間の中間と実施後の2回です。1.5カ月を経過した時点で中間レビューを行い、60~70%の達成率が見込めないと判断した場合は、達成できそうな目標に置きかえることも可能です。

OKRの実施期間後は最終レビューを行い、今期のOKRを続けるのか新たな目標を立てるのかを判断しましょう。

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OKRを成功させるためのポイントとは

OKRを成功させるためのポイントとは

OKRを成功させるためには、以下の2つのポイントに配慮する必要があります。

情報を公開し、進捗を確認する

OKRを成功させるためには、OKRの目標はもちろん進捗状況やレビューの中間報告、最終的な結果などの情報を社内で共有する必要があります。一般的に、チェックインミーティングとも呼ばれています。

チェックインミーティングで全ての情報を公開して透明性を高めることが、OKRを成功に導きやすくするためのポイントです。OKRの進捗を公開する際は、1週間に1回を目安にして実施しましょう。

「SMART」を意識する

OKRを設定する際に活用できるのが「SMART」の法則です。SMARTとは1980年代にジョージ・T・ドラン氏が提唱したもので、目標設定に不可欠な5つの要素のことです。SMARTの5つの要素は以下のとおりです。

  • Specific:明瞭である(誰もが同じ認識を持てる)
  • Measurable:測定可能である(具体的な数値を設定している)
  • Attainable:達成可能である
  • Relevant:関連性がある(企業のOKRにリンクしている)
  • Time-bound:期限付きである

SMARTの法則に基づいて設定すると、抜けやモレのないOKRを立てられます。

OKRの導入事例を紹介

実際にOKRを導入して成功した3企業の事例を以下で紹介します。自社で導入する際の参考にしてください。

Google

Googleはシリコンバレーを代表する大企業の一つで、2000年頃からOKRを導入しており、20年以上運用している企業です。Googleでは四半期ごとに実施している企業全体のミーティングでOKRを公開し評価を行っています。

Googleで実施されているOKRの特徴は、個人の価値観や信念を重視している点です。チームで共有するOKRは設定せず、個人のOKRを尊重した企業のOKRを設定しています。

上司が部下のOKRを把握するために定期的に行っているのが、1対1のミーティングです。GoogleはOKRの導入、適正な運用によって、社内コミュニケーションの向上はもちろん世界で活躍する企業に成長しました。

Chatwork

クラウド型ビジネスチャットツールで知られるChatworkの運営会社では、2017年からOKRを導入しています。社員が増えるにつれて、経営戦略や方針などが浸透しづらくなったなどの背景があり、OKRの導入に踏み切りました。

導入当初は人事評価と連動させていたため、「目標を達成できないと評価が下がってしまう」と懸念した社員が、適正なKRを設定できない事態が発生してしまったようです。

そこで同社はOKRの達成率は人事評価に影響はないと運用方法を社内に周知し、どれだけチャレンジできたのかを人事評価の指標の一つに加えることにしました。結果的に、社員一人ひとりがチャレンジ精神を持って達成目標を立てられる環境を作ることに成功しています。

メルカリ

国内発のフリマアプリで知られているメルカリは2015年からOKRを導入しており、日本で一早くOKRを取り入れたパイオニア的な存在の企業です。

メルカリではOKRと、社員の報酬を決める際に用いられるMBO(目標管理制度)を連動して成果を評価し、進捗の確認は3カ月に1回の頻度で行い、目標の見直しや上司と部下の面談も実施しています。

企業のOKRを設定するときは社員の合宿で議論した内容を反映するような仕組みが構築されています。メルカリのOKRの特徴は、トップダウンよりも組織の全員で意思決定を行うことを重視していることです。またOKRは、社内コミュニケーションの活性化にも役立っています。

まとめ

OKRを導入した場合、従来の目標設定の方法よりも設定に時間がかからず、チームで課題を共有できるなどのメリットが得られます。結果的に、社内コミュニケーションが活性化し、生産性やエンゲージメントの向上につなげることができます。SMARTの法則を活用して自社でもOKRの導入を進めましょう。

OKRだけでなく、MBOや1on1など、導入したもののうまく運用できていないという企業様のお悩み相談をよくいただきます。企業のカルチャーや他の制度との整合性・連動性の影響も受けますので、自社に合った導入方法や運用についてお困りでしたらワークハピネスにお気軽にご相談ください。

関連記事:テレワークにおける社員の評価はどうすればいい?人事評価の見直しとポイントを解説

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この記事を書いた人この記事を書いた人

藤岡 征太郎

大学卒業後、外資系医療機器メーカーで営業に従事。
6年間で8人の上司のマネジメントを経験し、「マネジャー次第で組織は変わる」と確信し、キャリアチェンジを決意する。
2009年にワークハピネスに参画し、チェンジ・エージェントとなる。

医療メーカーや住宅メーカーをはじめ、主に大企業の案件を得意とする。また、新人から管理職まで幅広い研修に対応。
営業、営業企画、新人コンサルタント教育を担当後、マーケティング責任者となる。
一度ワークハピネスを退職したが、2021年から復帰し、当社初の出戻り社員となる。現在は、執行役員 マーケティング本部長。

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