非同期コミュニケーションを上手に活用しテレワークの生産性を高める方法
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非同期コミュニケーションを上手に活用しテレワークの生産性を高める方法

2020年から続く新型コロナウイルスの世界的流行をきっかけに、多くの企業でテレワーク(リモートワーク)の導入が進んでいます。テレワークの一番の特徴は時間や場所に制約されずコミュニケーションが取れることです。人と人が直接顔を合わせなくても仕事を進行できるため、コロナ禍では感染拡大防止のためのワークスタイルとして実施が要請されるようになりました。

しかし、テレワークは初めから危機回避のためのワークスタイルだったわけではありません。2020年以前からビジネスにおいて生産性や競争力を高める手段として注目されていました。このようなテレワークにおいて、仕事の効率をさらに上げるカギとなるのが「非同期コミュニケーション」です。

この記事では社内外の情報のやりとりをサポートするビジネスチャットツールを中心にした非同期コミュニケーションについて、その特性や活用のコツを解説します。

非同期コミュニケーションとは

非同期コミュニケーションとはチャットや電子メール、電子掲示板などを利用して各々の都合の良い時間に通信を行うコミュニケーションスタイルです。相手と同じ時間を共有しないことから「非同期」という言葉が使用されています。

一方、相手とタイミングを合わせて通信を行うスタイルは「同期コミュニケーション」と呼ばれます。具体的には電話、対面での交流、ビデオ通話、オンライン会議などを指します。

非同期コミュニケーションを実現する代表的なツールにはSlackやChatwork、LINE WORKS、Microsoft Teamsなどのビジネスチャットツールがあります。

基本的な機能はチャットでのメッセージのやりとりやファイルのアップロードなどですが、メッセージの既読表示、絵文字リアクション、プレゼンス(在籍情報)表示、タスク管理など、便利な機能を有するものもあり、それぞれのツールによって使い勝手が異なります。

非同期コミュニケーションのメリット・デメリット

非同期コミュニケーションのメリット・デメリット

仕事の生産性を高めると注目を集め非同期コミュニケーションの活用が広がりを見せていますが、具体的にどのような利点があるのでしょうか。また、どのような点に注意して活用すればよいのでしょうか。

ここでは代表的な5つのメリットとともに、知っておきたい3つのデメリットについても紹介します。社内で活用を始める前にメリット・デメリットの両面を押さえておきましょう。

メリット

自分の都合の良いタイミングで連絡内容の確認、返信ができる

例えば、電話の場合は掛かってきたらすぐに応対する、あるいはなるべく早く折り返しの電話をすることが求められます。しかしチャットや電子メールの場合はそのような即時対応は前提にされていません。

そのため、各々が都合の良いときにメッセージを確認し返信することができます。

やりとりを残せる

電子メールやビジネスチャットツールでは、送信・投稿したメッセージやアップロードしたファイルが自動的に保存されます。いつでも履歴を見返すことができるため、伝達ミスの回避につながり、「伝えた」「伝えていない」と揉めるようなトラブルも減らせます。

タスク管理ができる

タスク管理とは作業の期限や担当者を割り当てることでスムーズな仕事の進行を図ることです。ビジネスチャットツールのなかにはタスク管理機能を持ち、ツール内でメッセージのやりとりからタスク管理まで一貫して行うことができるものもあります。自分のタスク管理だけではなく、チーム全体のタスクを共有・認識することで、効率よく仕事を進められます。

また、カレンダーやスケジュール帳など別のアプリを管理する必要がなくなるため、よりスムーズに作業ができるのも魅力です。

考える時間を確保できる

同期コミュニケーションでは返答や発言をその場で求められる傾向がありますが、非同期コミュニケーションではメッセージを確認した後に考えて回答できます。

意見やアイデアを出さなければいけないときも心理的なプレッシャーや体調などのコンディションに左右されにくいため、実力や最善のパフォーマンスを発揮しやすくなります。

作業が中断されない

同期コミュニケーションを中心に置く職場では、電話が頻繁にかかってきたり同僚から話しかけられたり、一日に何度も会議が開かれたりと作業を中断せざるをえない状況が多々あります。

一方、非同期コミュニケーションを活用したテレワークでは自分が集中力を保てる環境をつくりやすいため、比較的長い時間作業を継続することができます。集中力を持続させられるので、仕事のパフォーマンスの維持にもつながります。

デメリット

緊急の用事のときには不向き

非同期コミュニケーションではお互いに即時対応を期待せず、レスポンスを得るまでにある程度の時間がかかることを前提としています。そのため緊急時にメッセージを送ってもすぐには連絡が取れないことが十分ありえます。

もし連絡がつかなかった場合は、その後の業務スケジュールに遅れが出る可能性もあります。

テキストだけでは伝わらないことがある

対面での会議や電話などの同期コミュニケーションでは、複雑な内容でも口頭で説明でき、疑問点があっても納得するまで話し合うことができます。ところがメールやチャットだけでやりとりをすると、微妙なニュアンスが漏れてしまったり、文章力や読解力の違いによって互いの認識に齟齬が生じたりと、言いたいことが十分に伝わらないことがあります。

関係者が多いと連絡が流れてしまう

メーリングリストやチャットツールを使用する際、所属するグループ数が多い場合や同じグループ内の人数が多い場合は一日に大量のメッセージが投稿されることもあります。その状況が連日続くと、投稿のスピードについていけず見落としが発生しやすくなります。また、誰に向けた発言かが分からず流してしまい、伝達ミスが生まれてしまう可能性もあります。

非同期コミュニケーションを上手に活用する方法

非同期コミュニケーションを上手に活用する方法

上記の項目で紹介したとおり、非同期コミュニケーションにはデメリットもあります。そのため非同期コミュニケーションだけに一本化するのではなく、同期コミュニケーションと併用することをおすすめします。

非同期型と同期型をバランス良く組み合わせて両者のデメリットを補い合い、ハイブリッドな活用をすることが重要です。この項目では、非同期型と同期型を組み合わせる際に覚えておきたい3つのコツを紹介します。

急いでいるときは電話を使う

非同期コミュニケーションのデメリットの1つとして紹介したとおり、チャットやメールは即時対応を前提としていないため相手から常にスピーディな反応を得られるわけではありません。

緊急性の高い案件の場合は電話をかけて要件と急ぎである旨を伝え、期限や詳細については別途チャットに情報を投稿して記録を残すようにしましょう。

グループをつくり情報を共有する

ビジネスチャットツールの基本的な使い方は、社内の所属部署や関わっているプロジェクト・チームごとにグループを作成して業務情報を共有することです。

一対一ではなく大勢で情報を共有することでチーム力を高め、共通認識のもとで効率的に仕事を進められます。また、多くの人の目があると誤った情報や改善すべき点が見つかりやすく、作業ミスの防止にも役立ちます。

必要に応じてオンラインミーティングを活用する

多数のメンバー間で意思疎通を図る際、チャットやメールを使用すると文章が長くなりやすく、書く方も読む方も時間がかかってしまいます。

企画の提案やアイデア出しの際は、表情や声、画面共有をフルに活用して話し合えるオンラインミーティングが便利です。必要に応じて同期コミュニケーションを上手に取り入れましょう。

非同期コミュニケーションを活用するためのロジカル・ライティング研修の詳細はこちら

非同期コミュニケーションで意識したいポイント

ビジネスチャットツールや電子メールを使うメリットは多くありますが、使い方のポイントを外したり、マナーに欠けていたりすると本来の目的である仕事の効率化を実現できなくなってしまいます。

相手と時間も場所も共有しない非同期コミュニケーションだからこそ、誰もが気持ちよく仕事をできるよう配慮を忘れないことが大切です。

ここでは非同期コミュニケーションを行う際に意識したい4つのポイントを紹介します。

最低限のルールをつくる

ビジネスチャットツールは多数の人が関わるものなので、プライベートなチャットとは異なります。「業務に関係ない話題は投稿しない」「特定の人に話しかけるときはメンションをつける」「業務時間外は緊急用のチャットルームで連絡を取る」など、仕事を効率化するという目的が疎かにならないよう、グループごとにルールを設けて事前に周知しておくとよいでしょう。

一方的に長文を送らない

非同期コミュニケーションの魅力の1つは、その手軽さにあります。

特にチャットは基本的に比較的短めのメッセージでやりとりをするのが一般的です。1回の投稿にたくさんの情報を掲載すると内容が伝わりにくくなる上に、一方的な印象を与えます。

情報量の多い話題を伝えるときは、資料を作成して添付する、ビデオ通話やオンライン会議で話すなど別の手段を選択しましょう。

感情を伝える

表情や声で感情を伝えやすい電話や対面とは異なり、テキストだけのやり取りとなると書き方によっては冷たい印象や雑な印象を与えてしまうこともあります。送る側はテキストに絵文字を追加する、受け取る側はメッセージを読んだらリアクションを投稿するなど、感情を伝えるための一工夫を加えることで円滑なコミュニケーションを取りやすくなるでしょう。

ただし極端にカジュアルなスタンプの送信は避けた方が無難です。

対面でのコミュニケーションと使い分ける

同期型・非同期型は状況や目的に応じて使い分けることが大切です。チャットやメールでは伝わりにくい複雑な内容やニュアンスは、同期コミュニケーションでしっかり伝えましょう。

特に直接顔を合わせる対面コミュニケーションは信頼関係を築く上でも有効です。同じ時間と場所を共有しながらディスカッションすることで思いもよらないビジネスアイデアが生まれる可能性もあります。コミュニケーション方法を両立することで、単に効率を追い求めるのではなく仕事のパフォーマンス向上も実現できるのです。

まとめ

時間と場所に制約されない非同期コミュニケーションはその利便性の高さから幅広い業界のテレワークにおいて活用され、仕事の効率化に貢献しています。

「社内に導入したがうまくコミュニケーションが図れない」「そもそもうちの業種には必要なのか」など、非同期コミュニケーションの活用についてお困りの方は「ワークハピネス」に相談してください。単にツールを導入しただけではテレワークにおける課題を解決できない可能性があります。

特に非同期コミュニケーションでは「文章の書き方」も非常に重要になってきます。テレワークでも円滑なコミュニケーションを取りたい!っというかたは弊社のトレーニングプログラム「ロジカルライティング」などもおすすめです。


ワークハピネスでは、テレワーク社会で働く人々をサポートしています。社内コミュニケーションにおけるお悩み事について、それぞれの企業の課題に合わせた最適な改善方法をご案内いたします。今まさにお悩みがあるようでしたら、ご相談いただければテレワークを企業成長のチャンスに変えるヒントが得られるかもしれません。

この記事を書いた人この記事を書いた人

嶺田賢

大学卒業後、上場派遣会社に入社し、その後、教育系子会社のエスプール総合研究所(現:ワークハピネス)へ。各種サーベイなどの設計・開発、人事制度構築、理念浸透などのコンサルティングを経て、教育周りの企画提案を主な業務とする法人営業を担当。関西地域で大手上場企業の新規開拓をメインに携わり、お客様の理念体系、今後の戦略に沿った、「人の育成」「仕組みの整備」を体系的に提案することを得意としている。

2019年からマーケティングチームの立ち上げに責任者として関与。デジタルの力を活用して、会社の売れる仕組みづくりを構築している。

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