CEO BLOG

大企業から優秀な若者が大量離脱?

浪人と留年を繰り返した私が社会人になったのは1995年、25歳の時でした。

高校や大学の同期の仲間たちは社会人になって既に数年経っていたので仕事にもちょうど慣れた頃。

当時、呑みながら大企業に入った友人たちがよく聞いたフレーズは次のようなものでした。

「まぁ、仕事はつまんないけど、給料は良いし、一生面倒みてくれるから、適当に仕事して、趣味に熱中するよ」

緊張感ゼロ。

やる気はあるのですが、向かっている先は仕事ではなく趣味。

公認会計士となって外資系会計事務所で四苦八苦していた私は、日系大企業に就職した友人のおおらかな様子を羨みました。

そこから20年後の2015年頃には、発言が一変します。

「うちの会社は間違いなくそのうち潰れるね。今更転職なんてできないから、俺の定年まで、何とか持ち堪えてくれることを祈るよ。かじれるスネがあるかぎり、親のスネをかじり続けるしかないよね」

ぬるま湯に浸かってきたので、現状を打破する気概も能力もなく、

危機感はあるけど、諦めモード。

この発言を、一緒に働く20代30代の若者が聞いたら何を感じるでしょう?

もちろん、本人も部下の前でこのような本音を言葉にすることはないでしょう。

でも、言葉にしなくても心に思っている本音は態度から伝わるものです。

上司の本音を察した若者の声は次の通りでしょう。

「あなたたちは定年まで逃げ切れるかもしれませんけど、私たちはとても逃げ切れそうにありません。自力でなんとかするしかないのです」

最近、若手社員に対するキャリア研修の依頼が急増しています。

狙いは、優秀な若手社員の離職防止。

沈み行くタイタニック号から先見の明のある優秀な若者たちの脱出が始まっているみたいです。

私が社会に出た頃の1995年近辺は、バブル崩壊したといえども、

「これは一時的な不況。再び日本は成長軌道に戻る」と誰もが信じている様に見えました。

ところが25年後の今、GAFAMを中心とした米国のIT企業の凄まじい勢いや、高速鉄道や電気自動車等にみられる中国の製造業の驚異的な発展ぶりを目にすると、日本の大企業のスピードは亀の歩みの様に頼りなく感じます。

そこにやってきたコロナ禍。

テレワークを嫌う経営者。

進まないDX。

無くならないペーパーワークと押印文化。

コロナ禍で世界の先進企業やベンチャーがテレワークでストレス無く働く中、自社の愚鈍な対応に愛想を尽かした優秀な若者から先に転職を決意した様子です。

長年、出会う学生からよく聞かれ続けてきた質問。

「30年後も絶対潰れていない会社はありますか?」

20年前には、しばしば次の様に答えていました。

「3つあります。トヨタ、JR東海、東京電力」

ところが、20年後、

東京電力は事実上の国有化。

JR東海はコロナ禍、テレワークの拡大で出張需要が蒸発して大赤字の中、リニア新幹線に対する莫大な投資を止められず、経営の先行きが不透明。

トヨタの社長は数年前に「終身雇用は守れない」と宣言。

何が起きるか?誰も予想できないVUCAな時代。

今、「30年後も絶対潰れていない会社はありますか?」と聞かれたら、私の答えは、、

「会社は必ず潰れます。企業に頼らず、自分の人生は自分で切り開く気概と能力を身につけましょう」です。

人生100年時代です。働いていた期間と同じ位の時間が、定年後に残されているのです。

そして、定年まで同じ会社に勤めあげることがほとんど不可能な時代。

大企業に勤める、先見の明がある優秀な若者は、自分の身を守るために速やかに動き出すでしょう。

私が考える対応は、難易度順に次の3つです。

1 稼ぐ力を高めるため、副業やテレワークといった柔軟な働き方を認めてくれる会社への転職。

2 第4次産業革命のトレンドに乗ったベンチャー企業への転職

3 独立して個人事業主となる

転職や起業はとてもリスクがありますが、大企業に依存し続け、サバイバル力を失った末に、依存先が消滅するのもリスク。

二つのリスクを天秤にかけたら、気概と能力のある優秀な人材においては「大企業に依存し続ける方がリスクが高い」と出たのでしょう。

沈みゆくタイタニック号からは、先見の明がある優秀な人材から先に脱出していきます。

優秀な人材の離脱は、ますますタイタニック号の沈没速度を早めます。

優秀な人材を引き留めるために、企業として何をすれば良いのでしょうか?

副業解禁や若手向けのキャリア研修は短期的な弥縫策にしかなりません。

本質的な解決策は、将来性のある会社への変身です。

AIやロボティクスといった第4次産業革命のトレンド技術をしっかりとビジネスに取り込む。

そして、次の10年から20年、日本や世界の課題を解決する、本気のビジョンを掲げ、実現にいたるロードマップを示す。

ビジョンに共感して参加する若手社員たちに挑戦を促し、大胆に権限を移譲してスピードを上げる。

大企業の諸先輩方が挑戦と失敗を繰り返して積み上げてくれた、ブランド、信用、顧客ベース、技術等々の貯金を、後輩たちがバブル崩壊から30年かけて減らしてきたのです。

先輩方の貯金を取り崩してやって行くのもそろそろ限界です。

奮起して、若者を惹きつける将来性のある会社へと変身させましょう。


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この記事を書いた人この記事を書いた人

吉村慎吾

公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。

現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。

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