経営理念が活き続ける組織 ユナイテッドアローズが変えないこと
対談インタビュー

経営理念が活き続ける組織 ユナイテッドアローズが変えないこと

今回のリーダーズインタビューは、職場の社員の志を紡ぎあげることで『会社の理念=志』が活き続けることを意識して実践されているユナイテッドアローズの経営戦略本部 人事部部長の安田徹さんにお話を伺いました。


株式会社ユナイテッドアローズ 経営戦略本部 人事部部長
安田 徹さん

名古屋市出身。日本大学芸術学部放送学科卒業後、株式会社ワールドに入社。ウィメンズ主体の会社で発足間もないメンズ(ドルチェ部)配属、その後オリゾンティ事業部?営業職でルートセールスおよび単独ショップの開拓と運営を担当。1989年、設立したばかりの株式会社ユナイテッドアローズ(以下UA)に出向。オリゾンティが展開するフランスのショップ「マリナ・ド・ブルボン」をUAの運営代行にてオープンさせる。1993年UA営業課でホールセールス(卸売)担当、同タイミングでワールドより転籍。2001年、卸専用ブランド「アナザーエディション」を立ち上げ、拡大させた後、2013年に人事部へ異動、人事部長就任。

ブランド立ち上げから人事へ


インタビュアー:安田さん、今日はありがとうございます。お伺いできること楽しみにしていました。よろしくお願いいたします。さっそくですが、安田さんのこれまでのご自分史をご紹介頂けますでしょうか?

安田:私は、前職でワールドにいました。ユナイテッドアローズはワールドの出資が入ってできたので、結構早めに情報をキャッチしていました。当時から洋服が好きだったので、そういう話があった時に出向で是非ユナイテッドアローズに行きたいと手を上げました。出向という形でしたけれども、ユナイテッドアローズに“入社できた!”という感じです。創業の時なのでまだ10名ぐらいだったと思いますけど。

インタビュアー:これから作る新しい会社で、何か保証があるわけでもないし、新しいチャレンジをする状況下で、そこに「入社できた!」と表現される方はあまりいらっしゃらないと思います。すでに安田さんはユナイテッドアローズというブランドや新しいことをやるという想いを持っていらっしゃったとのだと感じました。

安田:そうですね。ワールドでずっと営業をやっていまして、ユナイテッドアローズは本当に洋服が好きな人たちが集まって自分たちの新しい会社で自分たちの提案する洋服をお客様に提供したいという信念がありました。だから、そこに飛び込んでいきたいという気持ちが強くありました。

インタビュアー:ユナイテッドアローズに出向されてからどのようにやってこられたのですか?

安田:その時は店もなく、ワールドから運営代行という形でした。ワールドがパリから持ってきたマリナドブルボンというセレクトショップがあり、原宿に出店していました。そこの運営代行をユナイテッドアローズがやることになり、そこのスタッフとして私は店頭で2年半くらい販売をしていました。そこがスタートです。それが1989年のことですが、その翌年に明治通り沿いにユナイテッドアローズの1号店が渋谷にできました。マリナドブルボンから、徐々にみんな渋谷の1号店に移って行ったのです。私は最後まで残ってお店を切り盛りしていたのですが、いよいよUAに移るということでマリナドブルボンをワールドに戻しました。

その後、ユナイテッドアローズで卸を担当しました。順調に伸びていき、10億という自分なりの1つの目途があったのですが、10億にいく手前でユナイテッドアローズのお店がかなり増えていました。そうなると、生産ロットが十分にユナイテッドアローズのお店でまかなえるようになったので、卸の独自のオリジナルのレーベルを立ち上げました。それがアナザーエディションというブランドです。

インタビュアー:ユナイテッドアローズとはまた別ブランドで、という話ですよね? 経営の判断の中でもそこまでやる必要があるのかという話も当然ありましたよね?

安田:そうですね。でも後押ししてくれたのは会長の重松でした。重松もアパレルの出身で営業をやりながら、ものづくりまでしていたので、とても理解がありました。

インタビュアー:別のブランドを立ち上げて、なかなか受け入れられない状況で、そこを必死に伸ばしてきた、そういうチャレンジをされてきたのですね。

安田:そうです。1990年代後半まではそんな感じです。

インタビュアー:そして、今は人事にいらっしゃる。

安田:その前にもう1つありまして。(笑)実は卸をやっている中で、自分たちの立ち上げたレーベルでやっぱりショップをやりたい!チャレンジしたい!という想いがありました。 福岡と柏、渋谷、原宿に商品を置いて当時“ラボ”=店舗で実際にどれぐらいお客様に売れるのか?を実験していました。そこを拠点に展開していきました。販売の分かる若手社員、ユナイテッドアローズの渋谷店のしっかりした若手女性販売員をアナザーエディションへ引っ張ってきたりしました。

おかげさまで、商品の方もそこそこ売れました。店頭の女の子たちが可愛い可愛いと言って販売してくれまして。結果、原宿に1号店を出すことになりました。それが2001年です。そこから人事に来るまでの間ずっとアナザーエディションという事業をずっとやってきました。2013年に人事に異動してきているのでショップを立ち上げてから12年間で16店舗までお店を展開してきました。でも原宿では最初は売れなかったんです。当時でいうと外れた場所にあったので、人も来ないし、売れないね〜と毎日言ってました。(笑)

理念ミーティングで“びしゃっ”と揃い、売上拡大へ

インタビュアー:何故突然売れたのですか?

安田:雑誌の取り上げがあったのが1番です。当時は雑誌に取り上げられてそこでしか買えないとなると、結構オープン前に列ができたりもしていた時代でした。あとは、2002年の夏に理念ミーティング、合宿を1泊2日でやりました。その時のメンバーを集めて全員で。ユナイテッドアローズの方向性や理念の話やアナザーエディションのコンセプトなどの話を長時間かけてみんなで話しました。今後どうしていきたいとか、今不安に思っていることとか、将来自分がどうなりたいかというアンケートを出して集めて、それをみんなでこうしたいね、ああしたいね、ああなっていたいねとかいう話をみんなでして結果的にベクトルが“びしゃっ”と合ったのです。

そしたら戻った翌週から毎日毎日お客さんがオープン前に待っている状況になって。その勢いで福岡に出して、新宿のルミネさんに出して、それが大当たりして、あれよあれよという間にお店ができていったという感じです。でもその合宿がやっぱり一つのポイントでしたね。

インタビュアー:合宿をやろうと思ったのはなぜですか?

安田:売れないから1回みんなで話そうね、みたいなことだったと思います。あの時はオープン前に合宿するというのを結構やっていました。そういうのもあって合宿というのは普通に人事に相談して場所を取ってもらうという感じでした。

インタビュアー:本当に本音ベースというか、どうなりたいか、今ということを考えて本当にベクトルを合わせた結果、“びしゃっ”と揃うということでの一体感や驚きが、全部パワーに変わったのでしょうね。今でも記憶に残る合宿が転機でしょうか?

安田:情景とか思い出せますね。たまに会ったりすると話に出ます。急に売れたのはあの時のあれがきっかけだ、という話をよくしますね。

インタビュアー:そういうことが御社の理念ということにも繋がっていますよね。

安田:そのように思っています。

インタビュアー:理念は語り部がいないと伝わりません。理念によっては状況が変わるとか自分自身が鼓舞されるとかいう経験を持っている人が世の中にどれだけいるのか?というと実は意外に少ない。そういう意味では安田さんがつくったその場にいた人はダイレクトに理念の力を見た人たち、感じた人ですよね。

安田:そうですね。そんな感じがします。ちょっとさかのぼってこの会社に来た時に最初の頃から創業の方たちは「ジャパニーズスタンダード」とずっと言っていました。理念という言い方ではなく、『志』ってずっと言っていたのです。志という言葉が凄く新鮮で、武士の心からくる覚悟みたいなのを感じました。

当時、『私たちは絶対に日本の生活文化の規範を作る!』みたいな、価値創造するのだという熱さを感じました。今もそうですけれども。(笑)

インタビュアー:今語っている時の安田さんの目が全然違いましたね。

安田:それは今の会社の中に脈々とある、ユナイテッドアローズの強みです。

理念=志というベースがあるからこそ新たなチャレンジが生まれる

インタビュアー:アナザーエディションから今、ユナイテッドアローズの人事に異動されたということでしたけれども、安田さんはなぜ人事にいらっしゃったと思いますか?そもそも行きたいという希望が何かあったのですか??

安田:行きたいというか、事業の方も一区切り付いたと思っているわけでもなかったので、ただお声がかかったということがあって。

インタビュアー:何で選ばれたと思われますか?

安田:おそらく、事業をやっていた人間だからですかね。ユナイテッドアローズとかビューティーアンドユースなどの大きなビジネスユニットと違ってアナザーエディションは、当時のスモールビジネスユニットで小さなところなので、全てをやらなきゃいけない状況だったんですよね。物づくりから販売から一通り全部やって、尚且つ卸もやっていましたから。小売と卸と物づくりと販売と全部やってきたので「トータル的に全部理解していますよね?」ということだと思っています。

インタビュアー:人事にこられてどんなことを考えたのですか?

安田:『分からないことは分からない』とまずは思いました。専門的な方たちが多かったので。教育担当メンバーは、売り場から来ているので近さを感じましたけれども、労務とか制度とかのメンバーは外部から来ていて、専門性を持っている社労士の人もいますからね。そういうプロフェッショナルに囲まれたので、プロ領域は任せれば良いのだと当初から思っていました。当時から人事は5つのチーム(採用、教育、労務、企画、制度)があり、それぞれのチームから出た仕事レベルを全部やる業務推進というのがあり、リーダーが5人いるわけです。リーダーととにかく徹底的に話せば良いのではないかと思って(笑)。

まず話をして、合宿と近いのですが、課題に思っていること、どうしたいのか?そんな話をしてみました。人事部なりのビジョンとかミッションと行動指針この3つは作りたいなと思って、その5人のリーダーと何回か議論を重ねて作り上げたのです。ビジョンとミッションと行動指針を張り出しています。それをとにかく愚直にやっていきましょうという感じでスタートしました。

今も部ではそれを意識しています。それと、自分がある時に改めて確信したことは、私たちは小売なのでやはり「お店が大事」だということです。とにかくそこに傾斜しようと思いました。そう思った時、最初に取り組もうと思ったのが「セールスマスター制度」です。その制度で販売員のスペシャリストのキャリアパスを活かして明確にしていきたいと思いました。その制度を1年がかりぐらいで作りあげました。

そして、今は次の段階、チームメンバーに尽力してもらいながらES制度(※エデュケーター・スチューデント制度)を再構築している段階です。今までで一番大変な取り組みだと思うのですが、とにかくお店が大切、お店に傾斜していくということを意識しています。お店が成長していかないことには、会社としての未来がないですから。とにかく全てかけていきたいという想いがあります。

インタビュアー:経営陣が会社をけん引していくと考えた時に結構ありがちなのは、「本当に価値を創出している最前線である店舗だ」と言いながら、会社を成長させる人材は現場以外で育てるという会社は結構多いですよね。そこに関して、安田さんのお考えをお聞かせいただきたいです。

安田:そうですね、それも大事だと思います。タレントマネジメントみたいな、その分野で高い能力を持っている人はやっぱり必要で、今で言ったらITとかECとか物流もそうで、その分野はうちも一部上場の企業なのでそこに長けた人間が適材適所で入ってないとお店の方をバックアップできませんから。そういう意味でスペシャリスト人材は当然必要だと思っています。

インタビュアー:なるほど。よく聞くお話なのですが、会社の理念を大切にしている会社さんでも、例えば経理には経理の理念がありますよね?会社がチャレンジを大切にする風土で、チャレンジする部門が多くあったとしても、経理部門がチャレンジするとリスクもある。だから、なかなかチャレンジできなかったりします。この事例のように、仕事ごとに必要な価値観があって、その仕事に属しているスペシャリストはそこの価値観に共感しますよね?自分はそこの仕事人としての価値を重視するので、結果として全社的な理念が薄まるという状態になる。

安田:そうですね、それはあると思います。でも、大切なのは「何のための仕事なのか?」を絶えず問い続けることなのではないか?と思います。自分の仕事人としての価値を発揮するのは「何のためなのか?」。これを問い続けることが、私たちが会社の理念を実現するためこだわりです。

「何のために働くのか?」を問い続け、各職場の社員の志を紡ぎあげることで会社の理念=志を活きたものにし続ける

インタビュアー:安田さんのご自身の歴史の中で「変わったこと」と「変わらないこと」があると思うのです。ご自身のことも会社のことも。安田さんの中で、そのバランスをどうされているのか?お聞きしたいです。

安田:そうですね、「変わらないこと」というのは、入社した時から感じた理念や志ですね。それは絶対に変えてはいけないし、守らなければいけないし、伝えていかなければいけないと思っています。「変わったこと」いうのは、小さな事業にいた時に特に感じたことです。組織にはいろんな人たちがいるというのは認識しましたが、だからこそ、さっきお伝えしたように「お店が大事である」ということを改めて確信しました。

その上で、大切なお店を運営するマネージャー(店長)という存在の重要性が私の中でかなり大きくなったことです。マネジメントする人たちが志を持てているのかということ、これが本当に大切だと思います。ここはしっかり伝えていかなければいけないし、マネージャーは自分の志と部下の志を理解した上で、店舗運営や部下育成に対して目を向けていかなければならない。それがなくては、会社の成長もない!そこは非常に大事だと思うようになりました。そこが変わったことですかね。

ES制度の再構築で理念をもっと深く伝えていく

インタビュアー:今後どうしていきたいとか、もっとこういうことを目指していきたいとか何かありますか?

安田:さっきの繰り返しになりますけれども、ES制度というのはスタートした時に持っていたユナイテッドアローズの中で1番コアなところだと思っていています。なのでこのタイミングでもう1回ESを再構築ということで、再度、毛細血管を張り巡らせ、そのことで、理念ももっと深く伝えられるでしょうし、コミュニケーションの基盤にもなると思っています。ここが今のユナイテッドアローズにとってとても大事なので、とにかく作り上げたい、再構築したいと思っています。

インタビュアー:ES制度を再構築する鍵のようなものはあるのですか?

安田:各店舗にエデュケートリーダー(以下すべて)という店舗教育担当者たちのリーダーがいます。彼らを集めてもう1回ES制度を構築するにはどうしたらいいのか?と議論を1年かけてやってきたました。目標管理制度という1本線が通っているので、それとES制度を連結させる。ES制度というのは目標管理制度の一環であるという考え方のフォーマットを統一し、エデュケートリーダーの研修をすることで意識を統一するということをやっています。これからですかね。今進めていますけれどもエデュケートリーダーという人たちがESの組織図を作りながら実際に実践しながら作り上げていく感じです。

インタビュアー:なるほど。皆さんの主体性をすごく大事にされているのだとお話を聞いていて感じました。

安田:まずはそれぞれ個人が主体性を持ってもらえるように、モチベーションを上げてもらうことが大切だと思っています。そのためにはエデュケートリーダーがエデュケーターをしっかり見る、向き合う、そして、認めてあげるというようなことだと思うのです。

インタビュアー:本当にコミュニケーションを大事にされていますよね。

安田:そうですね、それがやはり基本だと思います。人は人から影響受けますからね。しっかり見ていてあげる、認めてあげる、褒めてあげるとか基本的なことから、やる気とか出てきて能力とか上がっていくのではないでしょうか。

次代のリーダーに向けたメッセージ

「Make your real style」あなたという人間は何か? を問い続けること

インタビュアー:次世代を担っていくために、自らが動いて働きかけていくリーダーとしてのあり方みたいなものを模索されている方が凄く多いのですが、安田さんご自身が大事にされていることや、そういう方々に大事にして欲しいと思うことがあれば是非メッセージお願いします。

安田:そうですね、仕事で自分が大切にしていることは、“感謝”と“敬意”です。仕事は、「受けて渡して作りあげていくもの」だと思っているのです。物を作って、プロモートして、販売するという一連の流れの中でアパレルであれば川上から川下みたいな流れがあり、作って頂くメーカーさんがあって、できた商品を受けてそれを雑誌編集さんに渡してプロモート頂いて、店で販売するという一連の流れがあって。『仕事はそれを受け取る時に「ありがとうございます!」と受け取って、次に渡す時にはより精度の高いもので渡していくもの』だと思っています。

リーダーって、面倒くさいことをやるべき役割ですよね(笑)。忙しくて部下のことが見られないとか、チームのことが見られないというのがあるのかもしれないですよね。でも、「仕事は受けて渡して作りあげていくもの」なんですよね。多少、手間がかかったとしても、部下の存在に感謝し、絶えず部下を見て、部下の行動を見て、仕事を渡していくことで作り上げられるものだと思うんです。このつながりがお客さまへの私たちの価値をお渡しすることに繋がる、大事なことだと思っています。

インタビュアー:“感謝”という言葉が出てきましたよね?

安田:そうですね。“感謝というのは本当に大事だなと思っています。

インタビュアー:感謝をする、されるということでより多くの時間を満たしていく人生であればその人にとってそれが幸せということだと私も思います。その人が大事にしている価値観や志を共感できる集団で一緒に仕事をしていたら、それをみんなでやれて、みんなで感謝を味わえて、みんなで互いに感謝することができて、ユナイテッドアローズにいたことに凄く充実感があって、その感覚が自分と組織というものが重なっていて、人生が幸せな時間になっていくのではないかなと考えています。

安田:まさにそうだと思います。

インタビュアー:色んな技術の革新が起こって、業界で激動が起こって、主役が変わって。そこで戦意を喪失したり自分の存在意義を失ったりする。一方で色んなものが進歩してサスティナブルな世の中に価値観が統合されていき、そういう人類のあり方を考える人も増えてきて、そういう中で、日本で生きていくためにどうするか?もっともっと世の中に貢献していくにはどうするか?そういう動きもありますよね。そういう人の流れとか世の中の流れに対して、ユナイテッドアローズの理念は、その流れの中で「我々はどうあるか?」というところを説いている気がしています。そこに対してどういう時代になってほしい、またはどういう時代をつくっていきたいという想いはありますか?

安田:我々が大事にしていることの一つに「Make your real style」という言葉があってこれが凄く深い言葉だと思っています。「Make your real styleはあなたの本当の人生の生き方は何ですか?という、あなたという人間は何ですか?」という凄く深いのですが。

インタビュアー:深いですね。人生のテーマですね。

安田:これが最近自分の中ではぐっときています。

インタビュアー:ちなみに安田さんのReal styleは?ずっと追いかけ続けるテーマだと思っていますが。

安田:まだ正解には行きついてないです。

インタビュアー:行きついたと思って人生終えられたらいいなと思いますよね。

安田:こうだったな〜!と自分で納得できればいいですかね。本当に迷いもありますし、行きついてないです。行きつかない気もしますし(笑)。

インタビュアー:安田さんの今のお話から、ユナイテッドアローズが分かった気がしました。あり方とか探求するもののスピードやルートは人によって、状況によっても違う、その多様性を認めながら、「きっと目指していくことは実は一緒だよね!」ということを、一人ひとりに問い続けることを意識して経営をされている。この状態は、私はこれからの組織にとても大切なことだと思っています。今日お話を伺っていてユナイテッドアローズの目指すものそのものが、これからの時代のリーダーへのメッセージだと感じました。とても深く理解できました。

世の中では、どうしても多店舗展開、売上、というものに縛られがち、そうなった時、「同じ行動、思想を持ってもらいたい!」となります。そして、教育がそのためのツールになってしまうと本末転倒になるケースを多く見ています。御社もそうならないようにと危惧されていますよね?

安田:そうですね、やっぱり会社が大きくなればなるほど伝わりにくくなってくるというのはありますし、仕組みだけで解決できる問題はないですよね。仕組みを作っている人たちに対して「Make your real style」を伝えること、問い続けていかないといけないとは絶えず思っています。

インタビュアー:最後に、20年後100年後というスパンで見た時にユナイテッドアローズとしてどういう方向に向かうのか、社内でどんなお話をされているのかなというのをお伺いさせていただけますか?ユナイテッドアローズは世界が変わっていく中でどう未来を見据えられているのか?

安田:そうですね、100年企業と言っていますもんね。100年まであと75年くらいですか。20年後どんなことになっているのか見当もつかないです。随分景色が変わっているのでしょうね。お店とかも変わっていると思いますが。ただうちは変わらないんじゃないでしょうか。お客様に対しての姿勢も「いらっしゃいませ」ですし、「こんにちは」です。だから20年後も同じようにお客様をお迎えする。そうじゃなければいけないのだと思っています。

インタビュアー:すごいですね。本当に一貫していらっしゃる御社の考えに非常に感銘を受けました。これからも御社があり続けることで多くの方々にメッセージを伝え続けていただきたいと心から思いました。ありがとうございました。


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この記事を書いた人この記事を書いた人

ワークハピネス

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