生命科学的なコロナ対応
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生命科学的なコロナ対応

今週、なんとワークハピネスの若手メンバーの鈴木泰平が本を初出版!

タイトルは「科学的に正しいチームメソッド30」

人材・組織開発で使われている数々の定説やモデルを生命科学で解き明かした本です。

なぜ、ワークハピネスから生命科学?

泰平は大学で、日夜遺伝子組み換えやタンパク質生成などに取り組む生命科学の研究者でした。ところが、研究室で教授とソリが合わずモチベーションが低下。

「いくら志があっっても人は組織風土によって変わってしまう」と実感し、組織開発コンサルタントを目指してワークハピネスに入社した奇特な理系人材なのです。

大学では体育会のアメフト部で研鑽を積んでいたので、外見はデカくて太いが、周囲の人々の心に寄り添う繊細さも併せ持つナイスガイ。

チームメンバー一人一人に共感しつつ、論理的に課題を整理分析して、揉めているチームを成功へと導いてくれるので、直感や身体感覚を重視する我が儘な人が多いワークハピネスにおいて、あらゆるプロジェクトで引っ張りだこ。

「科学的に正しいチームメソッド30」のベストセラーランキング入りに貢献すべく、遥か東京駅まで出向き、八重洲ブックセンターで大量購入しました!

帰りの電車で読み出し、「はじめに」で早くもアドレナリン噴出!

泰平先生曰く

「自分にとって馴染みのない人材育成・組織開発の業界に身を置いたとき、率直に『何て胡散臭い業界なんだろう』と感じました・・・テクノロジーやサイエンスなどの他の業界に比べて若手で著名な人が少なく、経験則や権威によって効果的かどうかが判断されている・・人や組織の原理原則よりも、経験や権威が優先されているように見えたのです」

「人材・組織開発業界は胡散臭い!」と、のっけから業界に対する宣戦布告。

ハードル上げたな泰平!

結論から言うと、泰平先生のおっしゃる通り。

「胡散臭い」人材・組織開発理論は全て生命科学で解明されてしまいました。

例えば、コロナ禍、テレワークになってよく聞くようになった「心理的安全性」というテーマ。

Googleの「生産性の高いチームの特性」についての調査プロジェクトで明らかとなった生産性の高いチームに共通していた特性ですが、これを生命科学的に解説すると、「生産性の高いチームにはオキシトシンが溢れている」という結論なのです。

オキシトシンとは脳にある下垂体後葉から分泌されるホルモンで、これが分泌されると、「幸福感を感じる」「人に親切になれる」「痛みが軽減される」「学習能力が上がる」「共感力が上がる」

とか。

幸福感を感じる!

人に親切になれる!

痛みが軽減!

学習能力が上がる!

メンバーが全員、そんなスーパーな状態だったら、そりゃチームパフォーマンス上がるでしょ。

オキシトシン、「神」です。

じゃ、このオキシトシン、どうやったら分泌できるのか?

オキシトシンは、以下の状態の時に分泌されるそうです。

・人と触れ合っている時

・五感への心地よい刺激がある時

・親切にされた時

・親切にした時

・仲間と同じ方向目指している時

まとめると、「心理的つながり」と「身体的つながり」

つまり、Googleから報告のあったパフォーマンスの高い「心理的安全性」を備えたチームは、「心理的つながり」と「身体的つながり」をもたらす日常実践があって、その結果、メンバー各人にオキシトシンが分泌されていて、「幸福感を感じ」、「人に親切になれ」、「痛みが軽減し」、「学習能力が向上」して、チームパフォーマンスが向上したということなのです。

ちなみに、「心理的つながり」をもたらすのは、主観的で感情が共有される雑談が有効だとか。

お互いの好きなこと、嫌いなこと、そんな感情を共有したり、個人的な夢や目標を話したり。

今朝の気分を率直に共有する朝の雑談とか、良さそうです。

「身体的なつながり」を高める活動としては、アイコンタクト、握手、ハグ。一緒に心地よい音楽を聞いて会話したり、おいしい食事を共にしたり。自然の中で共同作業を行ったり。

この学びを私たちの日常へ活かすと、コロナ禍でテレワーク中は、「身体的なつながり」

は難しいので、「心理的なつながり」を高めるための良質な「雑談」の機会を増やすべきであることがわかります。

MIT元教授のダニエル・キム博士が提唱し、組織開発で有名な「成功循環モデル」も生命科学がその有効性を証明してくれます。

「関係の質」が良くなるとメンバー個々人の「思考の質」が良くなり、「思考の質」が良くなると個々人の「行動の質」が良くなり、最後に「結果の質」が変わる。

「結果の質」が良くなるとさらにチームの「関係の質」が良くなり、成功循環がぐるぐるとスパイラルアップしていくというモデル。

「成功循環モデル」を生命科学的に説明するための鍵はホルモン。

人間はオキシトシンはじめ、インシュリン等、さまざまなホルモンを分泌しているのですが、大別するとホルモンの作用には大きく2つあるのだとか。

①生き残りホルモン

自身のサバイバルのためのホルモン。ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールやノルアドレナリン。生存の危機への恐れを感じたときに分泌される。

②生きがいホルモン

自身の進化・繁栄のためのホルモン。オキシトシンやドーパミン、セロトニンが含まれる。生存への喜びを感じたときに分泌される。

パフォーマンスを高めるのは「生きがいホルモン」ですが、その鍵を握っているのもオキシトシンらしいのです。

オキシトシンが分泌されると、ドーパミンとセロトニンが誘発されて分泌されることが科学的に証明されているそうなのです。

セロトニンは心を安定させ、ドーパミンが仕事へのモチベーションや行動力を高めます。

この成功循環モデルはこの「生きがいホルモン」の正の循環でその有効性が説明できるのです。

「関係の質」を高めるために、対話によって相互理解や信頼を深めると「心理的つながり」からオキシトンが分泌され、同時にドーパミンが誘発されます。

この効果により、集中力が高まり思考がポジティブになります(「思考の質」アップ)。

また、セロトニンの効果と相まって、心が安定し、行動の継続性や辛いことに立ち向かい挑戦する意欲が湧きます(「行動の質」アップ)。

これらの行動が継続することで成果が徐々に上がり(「結果の質」アップ)、その喜びを共有することで、またオキシトシンが分泌されます(「関係の質」アップ)。

このようにして成功循環モデルはオキシトシンを起点として回っていくのです。

オキシトシン、やっぱり「神」です。

オキシトシンが分泌されると、共感能力と他者への利他性が高まることがわかっていて、また逆も同様で、他者から共感されたり、優しくされたりするとオキシトシンが分泌されます。

そして、オキシトシンには正のフィードバックループがあり、一度分泌されると、さらに分泌量が増えて行きます。

つまり、誰かにオキシトシンが分泌されると、その関係する周囲の人々の間でオキシトシン分泌の増量循環が始まるのです。

オキシトシンによって形成された関係性はどんどん強化されます。

各人の貢献意欲が高く、随所で挑戦と協力が溢れる組織風土を支えているのは、このオキシトシンの正の増量循環なのです。

泰平先生は、「オキシトシンは今後の人材育成や組織開発において間違いなくキーワードになるホルモン」と予言しています。

オキシトシン、やっぱり「神」です。

ホルモンの話ばかり取り上げてしまいましたが、この本ではそれ以外にも多くの人材開発・組織開発に関する直感的なモデルを生命科学で科学してくれます。

例えば、一卵性双生児。同じDNAを持っているはずなのに、育った環境とか教育によって能力だけでなく外見も変わってきます。

これは同じ遺伝子なのに、発言するタンパク質の量が変わるという「エピジェネティクス」という遺伝概念で説明可能なのです。

この本の素晴らしいところは、人材組織開発で活用されている直感的なモデルを生命科学で解き明かすだけではなく、全ての言説やモデルに関して、良い結果を生み出すために必要な実際の活動例を生命科学的に教えてくれていることです。

人材組織開発の権威主義的なアプローチに胡散臭さを感じている方、科学的アプローチが好きな方、良い施策の再現可能性を高めたい方、すべての方に太鼓判です。

今すぐ、東京駅の丸善、八重洲ブックセンター、新宿駅の紀伊國屋本店等、大型書店で購入して読んでください!


株式会社ワークハピネスは人材育成研修・組織開発コンサルティングを通して
人と企業の「変わりたい」を支援し、変化に強い企業文化をつくる支援をしています。 
新入社員〜管理職・役員研修のほか、全社向けチームビルディングまで
貴社の職場課題に合わせたカスタマイズ対応が可能です。

ウェブサイトにはこれまでに弊社が支援させていただいた研修および
組織コンサルティングの事例を掲載しております。ぜひご参考ください。

この記事を書いた人この記事を書いた人

吉村慎吾

公認会計士として世界4大監査法人の一つであるプライスウォーターハウスクーパースにて世界初の日米同時株式上場を手がける。創業した株式会社エスプール(現東証1部上場)は現在時価総額約600億円の企業に成長。老舗ホテルのV字再生、水耕栽培農園を活用した障がい者雇用支援サービスなど、数々の常識を覆すイノベーションを実践してきた。

現在経営するワークハピネスは、3年前からフルフレックス、リモートワークをはじめとした数々の新しい働き方や制度を実証。その経験を生かし、大企業の新規事業創出や事業変革、働き方改革で多くの実績を持つ。2020年4月に自社のオフィスを捨て、管理職を撤廃。フルリモート、フルフレックスに加え、フルフラットな組織で新しい経営のあり方や働き方を自社でも模索し、実践を繰り返している。

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