コラム「これからの時代の人と組織」第2回 人と組織の習癖①
No Office革命

コラム「これからの時代の人と組織」第2回 人と組織の習癖①

前回はテレワークの促進によって、「働き方や組織にどんな変化が起きるか」、また「社会全体としてどういう変化が起きているのか」を大局的な視点からお伝えしました。そこで今回は、「人と組織がもつ習癖(無意識に持つ行動習慣)」についてお伝えしたいと思います。

■参考記事:コラム「これからの時代の人と組織」第1回 働き方改革時代に何をすべき


物事の真理を認識しておくことで、環境の変化に右往左往せずに対処できることが増えます。昨今のコロナ禍においても、「人と組織の習癖」を理解している組織は、リモートワーク等への移行などがスムーズにいくことでしょう。

最初に組織が陥りやすい状態というものを3枚の「絵」を使って認識していきたいと思います。みなさんは、この3枚の絵を理解することで「プチ組織開発博士」になれます(笑)

組織を知る〜組織が陥りやすい状態

まずは1枚目。こちらの絵は、あらゆる組織が陥る状態をメタファーで示しています。この絵は、組織のどんな状態を表しているのでしょう?少し考えてみてください。

組織を知る〜組織が陥りやすい状態
絵1

考えてみていかがでしたか。こんなことが読み取れるのではないでしょうか。

●引っ張っているひとは嬉しそう
 → 引っ張っている人はたどり着きたい目的地が見えている
 → 早く目的地に行きたいので、後ろの人たちに「しっかり押せ!」と命令している

●押している人はつらそう
 → 押している人が見えているのはワゴンの背中だけ、行き先がわかっていない
 → しかもこのワゴンは押してもしっかりと進まない

●タイヤが四角い
 → 四角いタイヤは、”過去の成功体験”や”組織の古い慣習”などをあらわしている
 → 環境変化や技術の進歩で、人の価値観が変化し、丸かったタイヤは四角になる

●丸いゴムのタイヤを積んでいる
 → 社内や現場の人に話を聞くと「他社はこうやってます」「うちのやり方はもう古い」など、丸いタイヤ(成功法則)を知っている人はいる
 → 丸いタイヤを知っているのに、”ワゴンを止めてタイヤを付け替える”ことが困難である

この絵は、前の人は意気揚々と「お前らしっかり押せ!」と発破をかけるが、後ろの人はどこに行くのかわかっていないし、押してもタイヤが四角いのでしっかり進まないし、どんどんやる気が削がれている、組織のそんな状態を表しています。


いかがでしょうか?自分の組織でもこんなことは起きていませんか?
では、どうすればこのワゴンを早く目的地にたどり着かせることができるのか。ぜひ、チームメンバーとこの絵をもとに、話し合ってみてください。

例えば「後ろの人に前の景色を見せる」など、いろいろ思いつくことがあると思います。

また、どうしたら四角いタイヤを付け替えることができるのでしょうか。特に大企業では、出来上がってしまった巨大な社内システムが相互に連携しており、何かを変えることがとても困難です。

では、どうすればよいのでしょうか。まず何から始めるか?それは自チームの中で「変えられるところ」から変えます。

チームを知る〜「仕事の仕方」で変えられること

★次にみんなでできる簡単なワークをご紹介します。

チームを知る〜「仕事の仕方」で変えられること
絵1

この絵をみんなで見ながら、今このチームの仕事の仕方で「四角いタイヤ(組織の古い慣習)」になっていると思うことをできるだけたくさん書き出してみます。


次に「丸いタイヤ(すでに組織にあるうまくいっている事例)」は何があると思うかをこちらもできるだけたくさん、くだらないと思うようなアイデアでもどんどん書き出していきます。

最後に、そこで出てきたアイデアから、一番コスト(時間やお金)がかからず、効果が高いもの1つか2つピックアップします。実際に実行するものは、まず1つか2つくらいでいいんです。

自分たちで考えたアイデアで”実際に仕事の仕方が変わる”いうことの体験が重要です。この積み重ねがチームの主体性や変革力を少しずつ高めていき、いずれ大きな仕組みの変革へのつながっていきます。ぜひ、あなたのチームでもやってみてください。


人は、成長の過程で必ず「既成概念」や「固定観念」を獲得していきます。それによって生きやすくなることが多いからです。平時はそれでいいのですが、今の時代は環境変化が激しく、どんどん自分をアップデートしていくことが求められます。

定期的に自分はどんな「既成概念」や「固定観念」に囚われているのかを意識をしてそこから脱していかないと、人は無意識に今までのパラダイムに縛られたままになります。定期的に自分をアップデートしていくことは、これからますます重要になります。

テレワークでもチームのコミュニケーションを活性化。事例はこちら

<次回は2枚目の絵は次回へ。お楽しみに!>

■次回コラム「これからの時代の人と組織」第3回 人と組織の習癖②


株式会社ワークハピネスは人材育成研修・組織開発コンサルティングを通して
人と企業の「変わりたい」を支援し、変化に強い企業文化をつくる支援をしています。 
新入社員〜管理職・役員研修のほか、全社向けチームビルディングまで
貴社の職場課題に合わせたカスタマイズ対応が可能です。

ウェブサイトにはこれまでに弊社が支援させていただいた研修および
組織コンサルティングの事例を掲載しております。ぜひご参考ください。

この記事を書いた人この記事を書いた人

岩波直樹

大学卒業後、富士銀行(現みずほ)入行。2002年ワークハピネスの立ち上げに参画。

世界有数の外資系製薬会社の採用戦略コンサルティング、数十年利益の出ていなかった 老舗ホテルのターンアラウンド、民放キーテレビ局の人事制度改革など数多くを成功に導く。現在は、従来の組織マネジメントにパライムチェンジを起こす組織開発プロセスデザイン等を手掛ける一方、これからの人類文明の進化における社会システムの創造研究を行う。

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