導入事例

人材育成

「体験」を通じて、職責に求められている役割に気づき、行動変革を促す

武田薬品工業株式会社

エリアリーダーや営業所長をサポートできる中堅社員を育成するために企画しました。チーム全体で共有して、目標達成できる組織をつくることが課題でした。そこで研修ではゲームを通じて、その競争と協力のバランスをコントロールすることを学びました。自分自身のリーダーシップ行動が明確に浮き彫りになり、実際の行動変化につながるような体験ができたと思います。

課題
  • 個人の実績向上が中心で、全体最適の視点を見失いがち
  • エリアリーダーと若手社員の心理的距離がある
  • 知恵やスキルを後輩に形式化して伝えていくという役割認識を持ってほしい
実施策
  • リーダーシップに必要な競争と協力のバランスを体感ゲームで理解
  • 失敗体験を通じて、必要とされる行動・役割を再認識
  • 実行支援システム(アセスメント)で研修効果を持続
効果
  • 求められる役割を振り返る良い機会だったという声が非常に多かった
  • チームや営業所全体のことを考え、よいパイプ役として行動する中堅社員が増えた

インタビューのご協力
医薬営業本部 医薬研修室 課長代理 橋本卓也 様
医薬営業本部 医薬研修室 課長代理 土肥正路 様

全体のことを考えて行動する中堅社員を育成したい

今回の研修を企画された背景を教えて下さい

私たち武田薬品工業は1781年、日本の薬種取引の中心地であった大阪・道修町で和漢薬の商売を始めたことに端を発します。以来、洋薬の輸入、製薬事業、日本初の総合ビタミン剤の販売、世界的製薬企業に向けた海外市場への進出など、業界のリーディングカンパニーとして約230年余の歴史を持ちます。その長い歴史の中で脈々と受け継いできた様々な伝統・文化が弊社の競争力の源泉の一つです。

武田薬品では、自分が決めた目標は絶対にやり抜くという達成指向性が求められますが、そのための行動はすべてタケダイズム(誠実=公正・正直・不屈)に基づきます
例えば、楽な方法や、安易な方法を選択したくなることがあったとしても、課題に対して正面から取り組み、正々堂々と勝負しやり抜いていく、そのような歴史が脈々と受け継がれています。
また、成果を上げるための自分の暗黙知やベストプラクティスは、それを隠し持つのではなく、社内で共有し、活用することが奨励されています。その結果、社内の全く知らないMRから「早速活用させて頂いて、成果が出ました!」という声を頂きます。そして、そのようなナレッジを多く輩出する人が賞賛される、そんな文化を持った会社です。

また、達成指向性に加えて、武田薬品ではチームワークを非常に大切にします
「中途入社」、「契約」、「生え抜き」といった背景に関係なく、お互いがお互いを気に掛け合うことや、「会社・営業所はホームである」という意識で、共に働く仲間として信頼し合って働いていることが武田薬品の伝統や文化だと思います。
そのため、これまで諸先輩方から受け継いだ武田薬品の伝統や文化を自分自身が体現し、新人や若手社員にそれらを伝承する中堅社員の育成が非常に重要になってきます。

橋本卓也 様

現在、弊社のMRの年齢構成として20歳代が非常に多いという特徴があり、場合によってはチーム内でエリアリーダーと若手の年齢差が20歳以上となることもあります。チームで仕事をする上で、先導となるエリアリーダーと若手の心理的な距離が広かったり、あるいはエリアリーダーの考えを中堅社員が否定したり曲げてしまったりするとチーム運営はうまくいきません。
逆に、中堅社員が自分のことだけでなく、チームや営業所全体のことを考えて行動できるようになると組織はとても強くなります。ですので、チームのNO.2となる中堅社員がパイプ役となり、若手社員に「エリアリーダーが言っていることはこういうことだよ」と分かりやすく伝えたり、エリアリーダーが考えるビジョン、ミッションをチーム全体で共有して目標達成できる組織にするためにメンバーの力を結集させる橋渡し役になることが求められます。
私自身も営業所にいた時に身をもって中堅社員の役割の重要性を実感していますので、エリアリーダーや営業所長をサポートできるような中堅社員を育成すべく本研修を企画しました。

伝統を受け継ぎ、強い組織を作っていきたい

どのような想いで研修を企画されたのですか?

MRという仕事を通じて様々な経験を積み重ねていきますが、後進に受け継ぐという視点で考えると、自分自身の経験をそのまま伝えるだけでなく、そこから知恵やスキルを抽出して伝えた方がより多くの人が理解し、活用できるようになります。
弊社が230年にも渡って企業として存続できているのは、多くの先輩MRの素晴らしい知恵やスキルが伝承されているということも非常に大きいと思っています。
ですので、特に上と下のパイプ役になる中堅社員が自分自身の経験を形式化し、そこから知恵やスキルを抽出して、後輩に伝えていくことが大切になります。そして、それを受け継いだ後輩が壁を乗り越えて、その経験をまたさらに下につないでいく。このような育成が実現できる強い組織を作っていくことが我々医薬研修室の使命であると思っています。

インパクトのある『体験』だからこそ自分の行動が客観視できる

なぜ『ZIPANGU(ジパング)』を導入されることを決定したのですか?

土肥正路 様

MRは営業ですので、「あの人には負けられない」という競争意識をモチベーションにしながら仕事を進めていくということはとても大切です。ところが、それと同じぐらい重要なのが、お互いに協力し合い、チームで補い合うことで1+1を2より大きくしていく意識です。
このように「競争」と「協力」のバランスをうまくコントロールすることを意識して、行動することが非常に重要ですが、頭では分かっていても、実際にはそれができていないこともあります
先ほども申し上げた通り、武田薬品では自分のベストプラクティスや暗黙知を知恵やスキルのような形として他の人に共有し、他の人も自分と同じようにできるようにすることを奨励していますが、「何となくできてしまった」で終わっていては再現性がなく、当然ながら後進に受け継ぐことができません。

『ZIPANGU(ジパング)』ではゲーム途中での『失敗体験』を通じて、自分自身が意識していなかったことや意識しているけどできていないリーダーシップ行動が明確に浮き彫りになっていきます。
そうすることによって、自分の行動の再現性が高まり、今後はさらに意識して行動することができますし、自らの言葉でそれを後輩に伝えていくことができます。
また、違う切り口から言うと、受講者のほとんどが「面白い研修だった」と言うほどの『ZIPANGU(ジパング)』のインパクトのある『非日常体感』がとても印象的です。私たちも業務上、研修のトレーナーをしますが、やはり私たちが研修で伝えるメッセージは医薬業界の視点からの話が中心になります。ですが、『ZIPANGU』はゲーム性を持たせた全く違う世界観の視点から、リーダーシップを発揮するためにこういう視点やスキルが求められている、と気付きを与えてくれるのですが、その結論は私たちが日頃伝えたいと思っているメッセージと同じになるわけです。全く違う視点から本質的なメッセージを伝えてくれるところにも『ZIPANGU』を導入している価値があると感じています

マインドチェンジだけでなく、目に見える行動の変化まで起こった

受講後の変化はいかがですか?

2008年からこの研修を実施していますが、研修後のアンケートで「役に立ったか?」という質問に対してほとんどの方が「大変役に立った」と回答してくれています。そして「自分たちの立場や役割を考える良い機会になった」などの評価の高いコメントも数多くいただいています。
しかし、研修は研修で終わらせるのではなく、実際の行動変化に繋がることが重要であると考え、今回WorkHappinessさんの「実行支援システム」(アセスメント)も導入しました。研修効果を把握すると同時に研修のリマインドを目的として導入しましたが、実際の行動について変化を確認できた事例もありました。

オリジナリティを活用して、本当の課題を一緒に解決していきたい

弊社WorkHappinessに今後ご期待することはありますか?

過去より継続している研修ですが、環境の変化に応じてその内容は常に検討しています。WorkHappinessさんは、非常にオリジナリティの高い会社と感じています。また、その時々のこちらの課題に対し、解決に向けたプロセスをしっかり話し合った上で様々な提案をして下さいますので、信頼をしています。引き続き、大きな枠の中で微修正のカスタマイズを加えていくのではなく、本質的な課題を解決するために、一緒により良い研修を作り上げていきたいと思っています。

  • クライアント武田薬品工業株式会社様
  • 事業内容医薬品等の研究開発・製造・販売・輸出入を行う国内製薬最大手。生活習慣病領域に強みを持つ。
  • 業種医薬品メーカー
  • 会社規模 3000 名 以上

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