アパレル業界を代表する企業で設立された団体「スペシャリティストアーズアソシエーション(SSA)」様で実施した講演の導入事例です。成功循環モデルを基に、チーム(店舗)の関係性の質を向上させるための講演を実施しました。今回は各企業の企画者にインタビューをさせていただきました。
- 課題
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- 店長やマネージャーのマネジメントスキルの育成が追いついていない
- 実施策
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- フォーラムにおける講演の実施
- 効果
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- 各店長が自身の取り組みを他社メンバーと連携して進める仕組みを実現
インタビューご協力(お写真左から順に)
【スペシャリティストアーズアソシエーション(SSA)実行委員】
株式会社ユナイテッドアローズ|人事本部 人材開発部 教育課|五十嵐 保行 様
株式会社ビショップ|社長室/店舗開発部 副部長|増田 真也 様
株式会社ビームスクリエイティブ|戦略部 業務推進課|高原 崇 様
株式会社ノーリーズ|事業支援本部 店舗開発責任者|池谷 大二 様
株式会社アバハウスインターナショナル|店長|砂賀 一行 様
※所属は2024年9月時点の情報です。
今回の講演で、現場の成果向上につなげてほしい
Q:スペシャリティストアーズアソシエーション(SSA)セミナーについて、お聞かせください
スペシャリティストアーズアソシエーション(SSA)について、お聞かせください。
スペシャリティストアーズアソシエーション(以下、SSA)は、専門小売業界の発展を目指して1991年に設立されました。活動歴は33年に及びます。組織には現在、ユナイテッドアローズ、アバハウスインターナショナル、ビショップ、ノーリーズ、ビームスの5社が参加しています。SSAは一貫して専門小売業者が手を取り合い、連携して継続的な発展を目指してきたという背景があります。
スペシャリティストアーズアソシエーション(SSA)の活動目的について、お聞かせください。
スペシャリティストアーズアソシエーション(SSA)の活動目的について、お聞かせください。
主な活動としては、年2回のフォーラム(勉強会)の開催やチャリティーパーティーを行っています。1回のフォーラムでは、SSA各社が取り組んでいる事例や成功体験を共有します。もう1回のフォーラムでは、ファッション業界以外のサービス業(例:ホテルや飲食業界のスペシャリスト)から外部講師を招き、異業種の視点から学ぶ活動を行います。フォーラムの中で、社員のモチベーション向上を目的に、各社で優秀なスタッフを表彰する機会も設けてきました。
なるほど、SSAの活動は多岐にわたっていて、会員企業の成長を支えているんですね。フォーラムの内容も興味深く、特に異業種の視点を取り入れる取り組みは、新しい発見につながりそうですね。
そうなんです。それと、社会貢献活動としてチャリティーパーティーを毎年年末に開催し、地域の児童支援活動や災害支援団体に寄付を行っています。ビーチクリーン活動も毎年夏に実施しており、社員が一丸となって海岸の清掃活動を行うことで、環境保護にも取り組んでいます。
Q:今回「成果を上げる組織づくり」という講演を実施した背景をお聞かせください
今回の講演を実施した背景をお聞かせください。
2024年度に向けてテーマを検討する際、各社共通の課題として「スタッフの定着率低下」「若手・中堅社員の離職」「店長やマネージャー育成の遅れ」が挙がり、特にマネジメント能力の不足が深刻でした。これを受けて、2024年度は「成果を上げる組織づくり」をテーマに、店長に必要な役割やマネジメントの基本を学ぶ講演を企画しました。
講演は、実行委員メンバーからワークハピネスさんの名前が浮かび、実施に至りました。各社店長は研修内容を基に「店長プラン」を策定し、提案いただいたリレーメール形式で進捗を共有しながら実践を進めています。
パワフルで楽しく飽きさせない講演で目からウロコが落ちる内容だった
Q:講演内容の感想をお聞かせください
講演内容の感想を、お一人ずつお聞かせください。
今回で3回目の講演でしたが、吉村さん(ワークハピネス取締役会長)のお話はコロナを経て変化する時代に即した内容で、世代別の考え方や働き方の重要な視点が多く盛り込まれていました。
「目からウロコが落ちる」ような気づきが多く、常に新しいトピックを追求しつつも、一貫した考え方がSSAの活動にも深く響いていると感じました。特に新しいアイデアがスタッフにも実際に響き、講演の意義を改めて感じました。
吉村さんの講演は、実体験を交えた熱量のある話し方が非常に印象的で、私自身も参加者も引き込まれました。質問形式などの参加型要素が含まれていたことで、その場で考えを深めながら学ぶことができ、とても有意義でした。
また、講演内容を録画し、社内で若手世代とのギャップ解消や意識改革に活用しています。特に、講演内容に共感した社長の姿勢も含めて、社内全体での学びにつながる機会となりました。
吉村さんは「飽きさせない講演」が魅力で、エンターテイメント性も高く、楽しみながら学べました。店長や販売員が自分ごととして捉えやすい内容で、「自分の価値観をストーリーとして伝える」という話が特に印象に残りました。
講演の内容は、聞いて終わりではなく、実践への背中を押してくれるもので、「やってみよう」という前向きな気持ちを引き出してくれた講演だと感じています。
吉村さんの講演はわかりやすく、パワフルで心に刺さる内容でした。特に、今回の講演でも「刺激を受けた」「わかりやすかった」との声が多く上がり、世代間ギャップに関するデータやリサーチに基づく内容が参考になりました。
また、役員たちが講演前から楽しみにしていた姿も印象的で、吉村さんの講演が幅広い立場の人に刺さるものだと実感しました。今後もこうした学びの機会を楽しみにしています。
吉村さんの講演は、実体験を交えた内容と参加型の形式がうまく組み合わさり、特に若手店長たちに具体的なアドバイスをいただけた点が非常に良かったです。私自身も店長を兼任しているため、「ビジョンの共有」というテーマに共感しました。
世代間の違いに課題を感じていましたが、新たな視点での気づきを得ることができました。個人としても、実行委員としても非常に学びの多い講演でした。
皆さん、本当に素晴らしいコメントをありがとうございました。講演が多くの方にとって実践的で、有意義な内容だったことがよく伝わりました。
ワークハピネスは、人とのつながりを大事にし背中を押してくれる
Q:ワークハピネスの印象をお聞かせください。
ワークハピネスの印象をお聞かせください。
ワークハピネスさんといえば、やはり吉村さんの存在感が際立ちます。吉村さんは毎回、この時代の潮流に即した最新のお話で、とても勉強になりますし、やる気を引き出してくれる講演ばかりです。今回も、予定を変更して2回目の講演をお願いしましたが、その柔軟な対応に感謝しています。
同じ講師に3回依頼するのはSSA史上初めてで、特別なつながりを感じています。今後もお付き合いを続けたいです。
ワークハピネスさんの印象は、「人のパフォーマンスを引き上げてくれる会社」です。今回の講演テーマである「組織づくり」も、自分の現場での課題とリンクしていて、講演を聞いた直後から「スタッフともっと話したい」という気持ちが湧きました。
個別の環境に合わせたお話のように感じられ、自分たちの成長を後押ししてくれる存在だと実感しています。
吉村さんは初対面では少し強面の印象でしたが、実際はソフトで、人とのつながりを大切にされる方だと感じました。
また、コロナ禍でのDX化へのチャレンジ精神や柔軟性にも感銘を受けました。アパレル業界はアナログな部分が多い中、ワークハピネスさんの先進的な取り組みから刺激を受け、学ぶことが非常に多いと感じています。
ECの普及や人口減少が進むなか、実店舗の価値を高めるのが大事
Q:SSAを通じて、今後のアパレル業界についての予測をお聞かせください
SSAを通じて、今後のアパレル業界についての予測をお聞かせください。
アパレル業界全体をカバーするのは難しいですが、SSAの企業は「実店舗を大事にする」という共通理念を持ち、販売員の地位向上に取り組んできました。コロナを経てECが普及する一方、駅ビルの新設や商業施設の増加も進んでおり、実店舗の価値を高める努力が求められています。
人手不足が深刻な中、SSAの活動は販売員一人ひとりの成長を促し、実店舗の魅力を伝える重要な取り組みだと感じています。今後も活動範囲を広げ、実店舗の価値をさらに高める必要があります。
ECの普及や人口減少が進むなか、新しいショッピングセンターが次々と建設され、「オーバーストア」の時代に突入しています。この状況で、若手スタッフにファッション業界の魅力を感じてもらい、定着させることが課題です。
SSAのような組織が協力して取り組むことで、業界全体が持続的に発展できると信じています。世代交代を進め、若い世代が楽しさややりがいを持って働ける環境を整えることが、業界の生存戦略につながると思います。
人口減少が課題となる一方、海外観光客を取り込むチャンスがあります。日本製品の高い品質やホスピタリティを活かすことで、海外市場での競争力を高められると考えています。
また、当社のデータでは、オンラインと実店舗を併用する顧客の年間購入額が最も高いことから、販売員の質向上がECと実店舗の両方に好影響を与えると感じています。未来の販売員に求められる「ホスピタリティ」と「クリエイティビティ」を高めることで、非日常的な価値を提供し、SSAの5社が存在感を発揮していけると信じています。
Q:今回のワークハピネスの講演は、アパレル業界へどんな影響を与えられていますか?
SSAはアパレル業界に大きな影響を与えていると思いますが、今回のワークハピネスの講演は、アパレル業界へどんな影響を与えられていますか?
アパレル業界全体にSSAが大きな影響を与えているかと言えば、課題も多いと感じます。ただし、SSAの強みは創業以来続く活動の継続性にあり、これは業界の中でも非常に貴重です。また、SSAの活動をもっと広く発信する努力も進めています。
今回の講演では、店長というリーダーシップのある立場にフォーカスし、彼らが学びを社内や店舗で広げる「伝播力」を意識しました。一回の講演だけで大きな影響を与えるのは難しいですが、地道な取り組みが最終的に業界全体に良い影響を与えることを期待しています。
Q:今後ワークハピネスには、どんなことを期待しますか?
今後ワークハピネスには、どんなことを期待しますか?
そうですね、これまで3回講演をお願いしてきましたが、そのたびに大変満足度の高いお話をしていただいています。特に、こちらからリクエストしたテーマに対して、しっかりと準備を整えてお話いただける姿勢には感謝しています。今後もお願いする際には、ぜひ吉村さんの「刺さる話」を継続していただきたいです。これからも我々の活動をサポートしていただけることを期待しています。
ワークハピネスさんは、どの時代においても人や組織の変化を支える存在だと感じています。吉村さんをはじめ、皆様の体験や経験を基にしたお話はいつも満足度が高く、私自身も非常に多くを学ばせていただいています。今以上に成長するのは大変だと思いますが、これからも変化に寄り添い、我々をサポートしてくださる会社であり続けてほしいと期待しています。
SSAとのご縁をこれからも大切にしていきたいと思っています。吉村さんのお話は、経営者や管理職といった立場の人たちにも非常に刺さる内容が多いと感じています。特に、役員やトップの考え方が企業全体の舵取りに大きく影響するなかで、外部から具体的な意見をいただけるのはとても貴重です。今後もそういった視点で支援していただけると嬉しいです。
ワークハピネスさんの強みは、そのリアルな熱量にあると感じています。オンラインでも十分に伝わる部分はありますが、やはり対面での講演や研修ではさらに大きな影響を受けます。例えば、弊社で実施いただいた「ワクワク冒険島」など、リアルな場での研修が参加者に深い感動を与え、行動を促していると感じます。
これからもハイブリッドな形で、リアルとオンラインを組み合わせた研修を展開していただけると嬉しいです。リアルな場での熱量が、一歩踏み出すための大きな力になると感じています。
ワークハピネスの社名通り、「楽しい」を大切にする姿勢が非常に印象的です。スタッフのスキルアップや教育といった要素も重要ですが、楽しく働くことが職場の雰囲気や顧客体験に直結すると考えています。例えば、ディズニーランドやスターバックスのスタッフを見ても、楽しそうに働いていることが顧客に安心感や購入意欲を与えているのではないでしょうか。
ワークハピネスさんには、これからも「楽しい職場づくり」をテーマに、我々にとって参考になる事例や研修を提案していただけることを期待しています。
貴重なお話をありがとうございました。30年以上もの間、業界の発展を支えてきたSSAの精神と役員の皆さまの強い結びつき、そしてその活動の意義を深く感じました。この素晴らしい取り組みが、今後もますます発展していくことを心から応援しています。本日はお忙しい中ありがとうございました。