業務プロセスの効率化とは?改善できない原因や必要なポイントを解説
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業務プロセスの効率化とは?改善できない原因や必要なポイントを解説

業務プロセスの改善が必要とわかっていても、思ったように進められなかったりうまく改善できなかったりと、悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。新型コロナウイルスの影響などもあり、働き方や環境を見直してテレワークへ移行を進めている企業も少なくありません。

これまでオフィスで行ってきた業務プロセスを変更せずにテレワークへ移行すると、対面での業務と比べて生産性が下がってしまう可能性があります。とはいえ、変更するとしてもどのように変えたらよいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では業務プロセスを改善することのメリットや効率化のポイント、改善手順などを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

業務プロセス改善とは?

業務プロセスとは「業務一連の始まりから終わりまでの過程」を指します。つまり、業務プロセスを改善することは、業務における各担当者や部署などの工程のつながりや流れを整理し効率的にすることを意味します。

業務プロセスの改善と似ているもので「BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)」を耳にしたことはないでしょうか。リエンジニアリングは業務だけでなく、経営戦略やビジネスモデル、組織の根本から再構築する行為で、大がかりな経営改善のことです。

業務プロセス改善は「業務における問題点を洗い出して効率化を図る動き」、BPRは業務だけでなく、深い部分まで踏み込んだ経営や組織など「現状を抜本的に変化させる動き」である、とそれぞれ覚えておくと良いでしょう。

業務プロセスを改善するメリット

業務プロセスの改善は単に個人の負担が減るだけではなく、企業自体にもメリットがあります。ここでは具体的なメリットとして、「企業の業績向上」と「再現性を高めてリスクマネジメントを図る」という点について詳しく解説します。

企業の業績向上

企業内業務には、各部署や担当者個人単位で行っているために非効率になっているケースが多く見られます。協力・連携すればすぐに終わることを少数で行っていることもあり、本来の完了想定時間より時間を無駄にしていることもあるでしょう。一人一人の時間で考えればそれほど大きくなくても、企業全体で考えると膨大な時間を浪費していることになります。

業務プロセスの改善を進め、無駄を取り除き効率化を図れば、企業全体の生産性を高められるでしょう。例えば、今まで専門外の知識を調べながら進めていた業務を、専門の部署に共有・協業することで、より早く終わらせられる可能性があります。そのぶん自分の部署のリソースが空くため、今まで対応できなかった業務に取り組めたり、注力できていなかった業務のクオリティーを上げたりする時間ができるでしょう。

業務が効率化されればコスト面や業務の質などの部分への取り組みにもリソースを集中できるようになり、結果的に企業の業績向上につながります。

再現性を高めてリスクマネジメントを図る

社員が多くなり、個々に1つの仕事を抱えるようになると、個人レベルでの業務を企業が把握しきれず、業務の属人化・ブラックボックス化につながります。

属人化された企業では、長期間、ほかの従業員に業務ノウハウやスキルなどが引き継がれず、限られた従業員だけしか業務ができない状態です。もしその人が退社してしまったら、誰もその業務をこなせなくなってしまいます。同様に、ブラックボックス化していると、業務のプロセスが部署や担当者間でどのように行われているのかわからない状態になります。

このように業務内容が不明瞭になると、業務が止まったり継続できなくなったりするリスクがあります。業務内容を明確化するまで事業や提供サービスを停止しなければならなくなれば、業績や信頼、会社全体の存続にも関わるでしょう。業務プロセスを改善することで、社員通しで情報共有する環境を整え、リスクを減らすことが大切です。

業務プロセスの改善点とは?

企業のなかで改善しなければならない業務プロセスには以下のものが当てはまります。

・業務内容が個人に依存している

・業務プロセスが決まっていない

・業務の進め方をアップデートしていない

各改善点について詳しく説明します。

業務内容が個人に依存している

限られた従業員だけが特定の業務を担当している、すなわち属人化していることで、他の人がその業務をこなせないという問題は、どこの企業でもありがちな問題です。

例えば「〇〇さんじゃないとこのシステムを使えない」「この作業の手順は〇〇さんしか知らない」という状態が当てはまります。特定の社員のスキルに依存して業務を標準化できていない状態では、もしその人がいなくなってしまったら業務プロセスをスムーズに進められません。

組織として働く以上、誰でも対応できるようにノウハウを指導したり情報伝達を行ったりすることも大切な業務と言えます。日ごろから後任を立てておく、手順や方法を共有する、といった対策が必要です。

業務プロセスが決まっていない

そもそも業務プロセスが決まっていない、部署内に手順書がない場合も改善が必要です。

決まったやり方が社内共有されていないと、業務をこなすうえで方針や手順を一から構築する必要があります。そのぶん業務を終えるまで時間がかかり、業務効率が下がってしまいます。

また、部署内で同じ仕事をするのにもかかわらずやり方が共有されていない場合、各自で手順を考えてしまい、上司や関係部署へ個別で何度も相談して時間を取ってしまったり、成果物が人によって異なったりという問題も起こり得ます。着手前に前例があるかどうか確認を取るなど、工夫をすると良いでしょう。

業務の進め方をアップデートしていない

企業に古くから残っている伝統や風習、慣習によって、業務プロセスがアップデートされていない問題もあります。必要に応じてツールやシステムを導入し、業務の効率化を図らなければなりません。

例えば、古くからいる1人の社員がやりやすい方法があったとします。しかし、ほかの社員が理解できない方法では、効率的とは言えません。長く続けてきた方法でも、時代や状況に応じてよりわかりやすく簡潔になるように改善し続ける必要があります。

業務プロセスを効率化するポイント

業務プロセスを改善するには、業務の効率化を図る必要があります。業務の効率化をするうえで重要なポイントを3つご紹介します。

・業務プロセスをわかりやすく見える化する

・業務プロセス間のつながりが重要

・業務の再現性を高める

ここでは、それぞれの項目について解説します。

業務プロセスをわかりやすく見える化する

業務を効率化するには、業務プロセスを誰が見ても理解できるように「見える化」することが重要です。

例えば、業務のフローチャートや図を作成し、共通認識のもとで業務プロセスを整理していきます。フローチャートや図を作成する際も、作成のルールが異なると意味がありません。作成のルールも統一し、業務フローをわかりやすく見える化することが大切です。

BPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法)など、標準化されたツールを使い管理する方法もあります。

業務プロセス同士のつながりが重要

業務プロセス同士のつながりを把握したうえで効率化を進めることも必要です。

業務プロセスは、単体で成立するものもあれば、複数の業務プロセスがつながり1つの業務が成立しているものもあります。複数の業務プロセスがつながっているケースの場合、1つのプロセスだけ改善を進めても、ほかのプロセスが影響を受け、結果的に効率化が進まないこともあります。効率化を図る際には、プロセス単体ではなく業務プロセス間のつながりに着目したうえで進めていきましょう。

業務の再現性を高める

前述したように、業務内容が個人に依存していると業務プロセスの改善の妨げとなります。そのため、業務の標準化を図ることが重要です。標準化とは「マニュアルを整理し、誰でも同じように業務が行えるようにすること」です。

同時に、問題点を把握しマニュアルを改善したら業務プロセスも同様に標準化していきましょう。効率化された業務プロセスが標準化されていれば、誰でも同じように効率的に業務を行えるようになります。結果的に業務の再現性を高めることにもつながるのです。

業務プロセスの効率化は1度の作業では達成できません。継続的に見直しながら整理し改善を加えていきましょう。

業務プロセスを改善するためのステップ

業務プロセスを継続的に改善していくには、PDCAを繰り返すことが重要です。

PDCAとは以下の頭文字を取ったものです。

・P:Plan(計画)

・D:Do(実行)

・C:Check(評価)

・A:Action(改善)

ここでは、PDCAのサイクルを取り入れながら業務プロセスを継続的に改善するためのステップを解説します。

現状を分析し、課題を洗い出す

業務プロセスの改善は、最初に各タスクにおける問題を洗い出すことが大切です。

まずは現状の業務を分析し課題を洗い出します。例えば「製造部門と営業部門の連携が悪く、納期のズレなどで顧客に迷惑をかけている」「設計部門が作成した資料を社内ネットワーク内から探す手間がかかる」など、問題を1つ1つ書き出してみましょう。また、洗い出す作業の際は、各業務やタスク同士がどう結びついているかを図式化することで、より明確に把握できるでしょう。

問題点が洗い出せたら、次にそれぞれの問題点を改善するための具体的な目標と策を検討します。

プロセス改善によるKGIとKPIを設定する

次に、プロセスの改善によるKGI(最終的な目的)とKPI(中間過程での目的)を具体的に設定しましょう。

問題点を洗い出すことで、業務プロセスを改善し得られるメリットや効果も把握できます。そして、改善するためのKGIとKPIを具体的に考えることで、達成するためにすべきことや必要な対策が明確になるのです。

業務プロセスの改善によって、事業へどのようなプラス要素があるのかをKGIとして設定、改善を到達するために進めていくことをKPIとして設定するとよいでしょう。

改善方法を定め実行する

業務プロセスを継続的に改善していくために考えた具体的なKGIとKPIを達成するための施策を実行しましょう。

例えば、ペーパーレス化、ツール導入による時間コストの効率化、業務を外注化し工数を削減することなどです。このように具体的な改善策を考え、実行し続けることが業務プロセスの改善につながります。

施策の評価・次の改善戦略を検討する

業務プロセス改善を行ったあとは、実施内容の評価と次の改善戦略の検討を行うことが、継続的な業務プロセスの改善につながります。

改善方法を定め実行するだけではなく、実行が改善につながったのかを具体的に検証していくことも忘れてはいけません。KGIやKPIに向かって改善されていれば問題ありませんが、思うような改善が見られない場合は取り組みの見直しも必要です。

取り組んだ施策の効果が得られれば、どのような要因が改善につながったか、反対に改善が見られなかった場合も要因を把握したうえで改善戦略を再度検討しましょう。

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まとめ

業務プロセスを改善するには、原因と現状を分析しPDCAを繰り返すことが重要です。繰り返し行うことで、改善につながる施策とつながらない施策を評価できるようになり、さらに具体的で効率的な業務プロセスの改善につながります。

昨今では新型コロナウイルスの感染拡大に伴いテレワークを推進している企業も多いでしょう。しかし、今まで社内で進めていた業務を突然テレワークで実施すると、情報共有やコミュニケーションなど様々な問題が発生します。自宅でも効率よく業務を行うためには必要なツールやシステムを導入するなど、業務プロセスの改善や環境整備が必要です。


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この記事を書いた人この記事を書いた人

嶺田賢

大学卒業後、上場派遣会社に入社し、その後、教育系子会社のエスプール総合研究所(現:ワークハピネス)へ。各種サーベイなどの設計・開発、人事制度構築、理念浸透などのコンサルティングを経て、教育周りの企画提案を主な業務とする法人営業を担当。関西地域で大手上場企業の新規開拓をメインに携わり、お客様の理念体系、今後の戦略に沿った、「人の育成」「仕組みの整備」を体系的に提案することを得意としている。

2019年からマーケティングチームの立ち上げに責任者として関与。デジタルの力を活用して、会社の売れる仕組みづくりを構築している。

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