テレワーク時代のチームビルディングで本当に大切なこと〜なぜメンバーに大事なことが伝わらないのか
WorkHappinessのコンサルタント中尾です。
職場から離れてリモートで仕事をしていると、対面よりもチームや部署のメンバーとのコミュニケーションが取りにくいと感じたことはないでしょうか?私、中尾も当初はそのように感じていました。
今回、「メンバーが主体的に同じゴールに向かっていくチームをどう作るのか」というチームビルディングについて、実際の経験からわかった「うまくいくチーム」の特徴についてお伝えしたいと思います。
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お互いのことをわかり合う
当然ながら、テレワークの社会ではお互いの仕事が見えにくくなります。オフィスで顔を合わせて仕事をしていた時には、「誰が何をやっていて、どこまで進んでいるのか」というお互いの状況が把握しやすい環境でした。ちょっとした時間に進捗度合いなどの近況を聞くことで相手の状況が理解出来ましたし、ノンバーバルな部分からもその人の状況を知ることが出来ました。
そのため、「あ、ちょっと大変そうだな(テンパっているかな)」と感じた時には、周囲の人は「サポートするから遠慮せずに言ってね」と一言声をかけることもできました。
しかし、テレワークでは、それぞれがどんな役割を担っていて、今、何の仕事をどこまで進めているかを明確化(可視化)する必要があります。お互いの状況を理解することで、「何かサポート出来ることはない?」とか「ちょっと手伝ってもらえないですか?」という対話がしやすくなります。
自分やメンバーの“安心安全な関係”をつくる
そこで大事になることは、相手(チームメンバー)に意識を向けて、相手のことを知り、自分のことを伝えられる関係性をつくることです。
これは単に仕事の状況を伝え合うということだけでなく、今の自分の状態(個人的な状況、体調、思いや感情等)も含めてです。テレワークをすると言っても環境は人それぞれです。
テレワークを行う自分専用の部屋がないなどの物理的な制約を受けることもあれば、家族構成によって制約を受ける場合があります。(例えば小さな子供がいる場合、昼間は仕事に集中しづらいという人もいます。高齢の親と同居していて配慮が必要な人もいます)
様々な状況下でストレスを感じながら仕事をしている時も、自分の感情を吐露出来るような関係性が出来ていると「お互い様」の気持ちで自然とサポートも出来るのではないでしょうか。
ある企業では、チーム内でのオンライン雑談を推奨していると聞きました。雑談を通じて互いの距離を縮め、何かあった時に気軽に相談できる安心安全な関係性を築いておくことは、孤独感を感じやすいテレワーク時代では特に重要ではないかと思います。
その場合、お互いを深く理解するために過去の体験や経験を話し、それぞれが大切にしている価値観を探求するような簡易なワークショップをやってみるのも良いかもしれません。テレワークでは、公私の境目がつきづらく、お互いの日常が見えにくくなるからこそ、このような関係性が今まで以上に大切になってくるだろうと感じています。
テレワークでチームが成功するための秘訣
ではチームとして成功するためには何が必要になるのでしょうか。
今からお話しする内容は、テレワークに限定したことではありませんが、テレワークの時代においては、より重要になってくると個人的に感じています。そこで私たちWorkHappinessの実際の取り組みについて、少しご紹介したいと思います。
チームの共通の目標やゴールを明確にする
まずは、チームの共通の目標やゴールを明確にすることです。
組織の中で、チーム(部署)がどんな役割を担い、いつまでにどの程度の成果を上げるのかといったことを定める時、「譲れないこと」「こだわり続けること」なども言語化すると良いでしょう。例えば、WorkHappinessでは、「世界中の組織をワークハピネスあふれるチームに変える」というミッションがあります。これは私たちにとって不変のゴールです。「何をする」よりも「何のためにするのか」を明確にして共通認識を持つことが重要です。
そして、このミッションを体現させる上で大切にしていることがあります。それが「トコトン向き合う」「ユニークさを探求する」「楽しむ」の3つのバリューです(弊社のミッション、バリューについての詳細はWorkHappinessのホームページ「About Us 私たちの想い」をご覧ください)。これらは常に私たちの源泉にあります。
チームの目標とメンバーのバリューをつなげる
2つ目は、メンバー個々人がチームの共通の目標やゴール、バリューと自分自身につながりを感じていることです。ワークハピネスでは、共通のゴールやバリューとのつながりをより実感し、具体的にイメージ出来るように「7アウトカムズ」というユニークな行動指針を作っていますが、日常業務の中でも自然と体現されるなど、社内でも定着しつつあります。
その一つに「仕事でワクワクしよう」というアウトカムがあります。これは、どうせ仕事をやるならクオリティを上げるために取り組むプロセスも楽しもう!というものです。
また、あるメンバーは「クライアントオタクになろう」というアウトカムに思い入れを持っていたりします。これは、お客様のことをお客様以上に考えられるようなパートナーでありたいという私たちのあり方を示したものです。個人的には強く共感していますが、人によってつながりを感じる部分は異なっていても構いません。
対話でメンバー個人の価値観を知る
3つ目は、お互いを深く知ることで関係性を構築し、メンバーの個々の強みや大切にしている価値観がわかり合えるようなコミュニケーションを取ることです。前述したようなチームの共通目標やゴール、バリューなどとのつながりを互いに分かり合っていることもとても意味があると思います。
弊社では日常のミーティングの場でも、このような話が自然とされることが結構あります。相互理解の第一歩は興味関心を持って関わることです。まずは自分を解放し、さらけ出すことです。そして、思ったことは率直にフィードバックする。※ジョハリの窓で言う「開放の窓」を広げることで「未知の窓」も広げ、自己認識を大きくさせます。
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メンバーの強みを活かし合う
4つ目は互いの価値観を理解した上で、各々の強みなど特性を活かし合いながら、協力して仕事を行うことですが、ポイントは「活かし合う」です。チームとして一緒に働く最も効果的な方法を見出すそのためにもお互いの特性を知ることが求められます。私は人志向で、場を盛り上げるなど、安全安心な環境を作ることが得意な方ですが、若干ロジカルさに欠けるところがあります。
そんな私がチームで何かに取り組む際にそこを得意としているメンバーと組むことによって補完し合うことが出来ます。互いの高く飛び出ている得意な部分を活かし合うことでより高い成果を上げることが出来ると感じています。
メンバー同士で結果を称賛し合う
最後の5つ目ですが、メンバーの成長や貢献、チームが生み出した結果や成功を賞賛したり、祝福したりすることです。私たちは研修を複数名のチームで運営することが多いのですが、研修中に互いへの感謝を具体的に伝え合うことが少なくありません。例えば、議論が停滞していたチームへのタイムリーなサポートに対して「おかげでチームが活性化したね。さすが○◯さん!ありがとう!」といったことを感謝の気持ちと共に伝えます。
言う方も言われる方も最初は照れ臭さを感じますが、そのうち自然と言うようになります。このような話を続けていると、メンバーは自己有能感が高まり、自分がこのチーム(組織)で働く意義を実感します。さらなるチームへの貢献のために切磋琢磨していきます。
コロナウィルスの感染が拡大している状況ではありますが、こんな時だからこそ、チームを意識して仕事に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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リクルートグループに入社。営業、宣伝・社外広報、販売企画に従事。営業では約400社の人材採用をサポート。2014年よりワークハピネスの活動に本格的に参画。「人は成長することで幸せになる」を信条に、個人や組織(チーム)の変革を支援。
「個人が自分を深く理解し、自身の可能性を信じ、勇気を持って一歩踏み出す」ために超受容型のアプローチで、一人一人のマインド変化、行動変容を促すと共に、組織成果の最大化に重要な「チームの関係性の質」を高めるための対話やチームメンバー同士の本質的な関わり方を探究させるファシリテーションを得意としている。プライベートでも約40年チームスポーツに関わっており、現在は地元の小学生のミニバスチームの監督として、バスケットボールの指導を通じて、子供の成長支援をライフワークとしている。